花に雹
掲載日:2022/05/20
夜は足音を立てない
静謐のルーエ
暮らしは灯りのさきに
やわらかな体温を湛える
分化してゆく
骨に
花に
ひとの別れをおもうのは
それが営みだから
ぬくもりを
覚えている
ただ耳もとで
花の名前を
囁いておわる
恋の体温を
夜は足音を立てず
しんと静かな部屋のすみ
ぼんやりと影の骨格がみえる
分化してゆけ
骨に芦
花に雹
暮らしとして、所作を
忘れるという所作
無音の調べに
軸足を置く
ぬるい夜を知り
ニトログリセリンのにおい
だれもが夢とおもうくらいの
ありったけを
花を




