妖術のかかった箱
我が家の人間どもは時々朝早く三人一緒に外に出て、夜遅くに帰ってくる。
“家族旅行”に出かけているらしい。
その間、私は一人ぼっちで家のお留守番。
潜入捜査するにはありがたい時間だけど、少々長過ぎる。
すべてのことを終わらせたとたん、暇猫。
ご飯は途中で味変わったりしないし、“ネコジャラシ”も動いてくれない。
今ならわかる、暇猫も楽じゃない。
できることは食べる、飲む、寝る、暴れまわる、ぼーっとすることのみ。
実につまらないのである。
食べれば太る、飲めば排泄、寝れば次の日になる、暴れまわれば怒られる、ぼーっとすれば老いる(気がする)
全て“ノー”である。
人間どもはこういうときどうするのだろう。
“テレビ”を見るらしい。
私にしてみれば、その変な箱は意味のわからぬムカつくやつである。
箱の中に人間がいたりするが、その人間らは中から出てこないのだ。
人間どもはほっといて、我が仲間もいるのだ。
初めて見たとき、私は!!!???っと目の玉が飛び出て来そうなくらいびっくりしたのである。
私も箱の中に入ろうとしたが、入れなかった。箱の中が真っ暗になった。
その後、人間どもにすご~く怒られたのだ。
わからぬ。仲間を見たとき、挨拶したいのは当然じゃろう。
後でわかったことだが、それはどうやら妖術がかかってるらしく、中に入れないし、中から外に出ることもできない。
妖術のかかったものといえば、“カガミ”もそうだった。
もう一人の自分が中に閉じ込められていて、わたしは焦っていたものだ。
だが妖術を解く手段を私は持ってないし、見なかったことにした。もう一人の私も焦ってないらしいし。
妖術ならば人間どもの方が得意みたいだから、猫の国を立ち上げたら、人間どもに任せよう。
猫にテレビを壊されたときの
いい大きいやつの心の中 “お金..................”
面白ければ、ブックマーク、評価をお願いします。(ペコ)