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馴染むことは大切だ

 私の潜入先を紹介してやろう。

 私の潜入先は三人もの人間がいる。

 大きいやつ二人と小さいやつ一人。

 大きいやつの一人はすごくいいやつで、私の晩餐をいつも用意してくれる。

 もうひとりの大きいやつは悪いやつで、気持ちよく寝てるところを邪魔してくる。その足は潜入捜査も集中できなくなるほど臭い。

 最後の小さいやつは最も注意すべきである危なっかしいやつ。時にはいいやつで晩餐を用意してくれるが、時には私の宿敵“ソウジキ”の野郎と協力して私に突っ込んでくる悪いやつになる。

 悪い大きいやつは朝一番に外に出る。その次に小さいやつ、最後にいい大きいやつ。

 潜入先のものの行動する時間帯を把握するのはスパイとして重要なことだ。スパイであることがバレたらどうなることやら。

 まあ、そうはいっても、人間どもは鈍い奴らだ。潜入捜査見られたところなんとも思わないだろう。

 だが、私のスパイのプロとしてのプライドがそれを許さない。

 未来で猫の国を立ち上げたとき、人間どもの国とも友好な関係を作らないと。

 貿易では魚と肉をいっぱい輸入しないと。

 また...おっと、喋りすぎてしまった。

 とにかく、そんな未来のためにも、頑張らないと!


 スパイとして重要なことは潜入先に馴染むことだ。

 だから私もプロのスパイとしてそれをやってきた。

 人間どもとともに晩餐を食べ、ともに起き、人間どもが外に出たときは家の中で捜査をしていた。

 だが私がもっと馴染もうと人間どもと同じテーブルの上で晩餐を食べようとすると、なぜか追いやられる。

 スパイだとバレてしまったのだろうか、時々そう思う。

 私はめげない。何回も何回もテーブルの上に上がった、そして何回も何回も追いやられた。

 今日もそうだ。

 心のなかで不公平だと思った。

 決して、悲しくなんかない...

 警戒は基本だ。それもできなきゃ、未来の我が国の同盟国と私の方こそ認めないんだから。

 と、私が未来についていろいろ考えているとき、小さいやつが歩いてきた。

 私の頭を撫でた。

 ...なんと無礼な。人間には礼儀というものはないだろうか。

 だが今日はその無礼を許してやろう。

 

 次の日、私はまたテーブルの上に上がった。

 私はめげない。

 

 

 

 

 

 

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