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五話 角ちゃんとカメレオン

 おれがいつも通りにハムスター達とのんびりしていると……友達の角ちゃんから電話がかかってきた。角ちゃんとは中学校からの友達だ。

「もしもし角ちゃんどうしたの?」

「やあ、ユーキ。最近でかいハムスターを飼い始めたそうじゃないか。実はおれもカメレオンを飼い始めたんだ」

 嫌な予感がする……もしかして……

「家の前に捨てられていた?」

「よくわかったな。そうだよ」

 角ちゃんの言葉を聞いてハムスター達がざわつく。もし宇宙怪人だったら、角ちゃんに危害が及ぶかも……

「角ちゃん、今度家に遊びに行ってもいい?」

「おう、いいぞ」

 おれは角ちゃんと相談して遊びに行く日を決めた。

「じゃあまたね」

 おれは電話を切った。そしてハムスター達とも相談をする。

「みんなもいっしょに行ってね」

「もちろんっす!」

 ハムスター達も行ってくれる事になった。





 そしてその日はやってきた。宇宙怪人ハムスター達はもう近所の人受け入れられているので、巨大化したまま歩いて角ちゃんの家までやって来た。

「デカい家だぞ!」

 角ちゃんの家のデカさにハムスター達はざわついている。角ちゃんの家はお金持ちだ。おれはピンポンを押した。

「よく来たね。おお、デカいねハムスター達。みんな中に入ってよ」

 角ちゃんはハムスター達もあっさり受け入れてくれた。おれ達は大きいリビングに案内された。おっきいソファが何台もありおれ達は適当に座った。

「角ちゃんカメレオンしゃべったりする?」

「いや、聞いた事ないな……そういえばこのハムスター達はしゃべるんだっけ」

 おれは今までの事を全部角ちゃんに伝えた。角ちゃんはあまり驚いてないようだった。

「うーん、宇宙怪人ね……よくわからんがまあ危害を加えないならいいでしょう!」

 まあ話しはそこそこに、問題はカメレオンだ。おれ達はカメレオンを見してもらう事にした。

「これがうちのカメレオンだよ」

 カメレオンはエボシカメレオンという種類らしい、しかしデカい!50センチはあるぞ!普通のハムスターの三倍はある。

「デカいっす!」

「これと戦ったらきついぞ」

 ハムスター達も驚いている。でもハムスター達を見てもカメレオンは何も言わない。宇宙怪人ではないのだろうか?

「ユーキ触ってみるか?」

「いいの?じゃあ触ってみようかな」

 角ちゃんはケージからカメレオンを出した。おれはカメレオンを腕に乗せた。その時だった。

「宇宙怪人ハムスターの飼い主が私を触りやがって!もう許さん!」

 カメレオンがしゃべった!宇宙怪人だったのか!

 一斉にハムスター達とおれは小さくなっていった。また戦いかよ……




 おれは気づいたらリビングの机の上にいた。近くに居たハムッチの背中に乗る。他のハムスター達はもう戦っているようだった。

「ハムッチ、宇宙怪人カメレオンについてわかる事ある?」

「食い意地が張ってる事くらいしか知らないッチ」

 うーんどう戦うものか?今ハムスター達はえんぴつで戦っているがえんぴつで叩いてもあまり効いてないようだ。カメレオンは舌を伸ばしてハムスターを捕まえようとしている。捕まらなければいいが……

「うーん食い意地が張っているのか……そうだ角ちゃん!カメレオンのエサいっぱいある?」

 角ちゃんは、あっけに取られているようだ。しかしおれの言葉に気づいてハッとする。

「エサのコオロギはいっぱいあるよ」

「じゃあカメレオンにどんどん食わしてくれ!」

「わかった」

 おれの考えた作戦はこうだ。ハムスター達が攻撃を避けている間にカメレオンにエサを食わす。動けなくなるまで食わせるという作戦だ。そうすれば……おれは作戦をみんなに伝えた。

「「「「「了解!」」」」」

 よし!作戦実行だ!と思った矢先にハムケンがカメレオンの舌に捕まってしまった…

「やばいんよ!」

 ハムケンは振りほどそうとしているが、がっちり掴まれている

「みんな助けるっす!」

 他のハムスター達が助けようとするがカメレオンは放してくれない!ハムケンは高く持ち上げられた後、机に叩きつけられた!

「ハムケーン!!!!大丈夫かー!?」

 ハムケンは少し経って起き上がった。

「なんとか大丈夫やけん。でももう一回食らったらやばいんよ!」

 そう言って、作戦に加わった。しかしまた舌に捕まった。

「もういやなんよー!!」

 今度は振り解いた。おれはそれを見てハムッチから降りてハムケンの背中に乗る事にした。そして後方待機するように指示を出した。捕まっちゃうからね。

 四人のハムスター達はときどき捕まりそうになりつつも頑張って避けている。そして角ちゃんが様子を見ながらコオロギを食べさせている。これはうまくいくかも……




 そうしてしばらく時間が経った。

「避けるのきつくなってきたッチー」

「腹減ってきたぞー」

 ハムスター達は限界が近づいてきたようだ。

「おい、ユーキ結構食わしたよ…そろそろおれもしんどくなってきたよ……」

 角ちゃんもきつくなってきたようだ。その時だった、カメレオンの動きが止まったのだ。

「角ちゃん今だ!カメレオンをケージの中に入れるんだ!」

 動かなければ角ちゃんが怪我をする事もないだろう。

「おう!」

 角ちゃんはカメレオンを掴んだ!そしてケージの中に入れた!

「おれ達の勝ちだ!」

 ハムスター達は歓声を上げた。




 宇宙怪人カメレオンをケージに入れたら、ハムスター達は元?の巨大化した姿に戻った。

「みんなには迷惑かけちゃったな。うちにある物好きなだけ食べてよ」

 おれとハムスター達は角ちゃんにご馳走になった。もう宇宙怪人とは戦いたくないな……おれは心の底からそう思った。

次回予告

父さん

「ハムスター達を連れて自動車工場の期間工として働きなさい!」

おれとハムスター達

「えーマジでー!!!!」

次回

宇宙怪人ハムスター命を削って働く

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