二十九話 借金まみれ!!
うちの宇宙怪人ハムスター達は合計4000万円の借金をしてしまった。月50万円返しても6年かかる計算になる。もちろん普段の生活があるので一月でそんなには返せない……
そんなおれとハムスター達は必死で働いている。ハムケン以外のハムスター達と今日は資材搬入の仕事をしている。ちなみにハムケンはコンビニのバイトで働いている。
「ユーキ!もっと仕事増やした方がいいっすか?」
休憩時間にコタローが話しかけてきた。
「うーんでもこの仕事だけでもしんどいでしょ、もう一つなんて仕事出来る?」
「でもこのままだとやばい気がするっす…宇宙怪人銀行の金利は高いっす……」
「え!金利いくらなの!?」
「年利50%っす」
ま、マジで……それって一年で借金が五割増えるって事だよな……
「それはやばいな…」
そして仕事が終わった。
「お菓子食べたいッチ!」
「俺も何か食べたいぞ!」
「ハムッチ、ハムニブ、ダメだよ我慢だよ!」
説得して二人とも我慢した。
晩御飯の時間がやってきた。しかし……
「みんなごめんね…今日はご飯を水をかけて食べる水ご飯だけなのよ……」
母さんは申し訳なさそうに言った。
「仕方ないよ……みんな今は我慢の時だよ!」
おれはみんなをなだめる。
「まあ食えるだけましね……」
「おれっちも我慢するちゃ……」
ねここと一休やハムスター達は文句も言わず食べてくれた。
しかし晩御飯が終わってもお腹いっぱいにはならない……
「ハムケン!何かないっすか?」
「何も無いんよ……ハムクッキーももうないけん!」
「何か食べたいんじゃ!」
おれも同じ気持ちだ……そんな時ピンポンが鳴った。おれは玄関を開けた。すると……スーツを着た宇宙怪人ハムスターが何人もいた。
「宇宙怪人銀行の者です。差押えに来ました!」
「え!こんなに急に来るの!?」
「中に入らせてもらいますよ!」
質問には答えず家に入ってきた!そして家の中にある物を次々と持って行ってしまう!どうしよう……しばらく出張で父さんもいないのに!
「俺の野球道具が!持って行くなぞ!」
「おいらの実況道具っす!持って行くなっす!ハムプチズのグッズもっす!」
ハムスター達は抵抗している!しかし……
「物を返して欲しかったらお金返してくださいよ!一年以内に全額返せば返します!」
スーツのハムスターはそう言って問答無用で家の中にある物を持って行く!
「私のゲーム持って行かないでッチ……」
「僕の調理道具は生きていくのに必要なんじゃ!」
「ハムビタンZ持って行かないでよー!商売が出来なくなるけん!」
ハムスター達は悲痛な叫びを上げた。しかし数時間で家にある物全部持って行ってしまった……
「私の漫画が持って行かれたー!せっかく集めたのにー!」
ねここは持って行かれて泣いている……
「おれっちのケージも持って行かれたちゃ!どうやって寝るっちゃ……」
一休の寝床も持って行かれた。しかし中古のケージなんかお金になるのか?
とにかく借金を返さないと……しかし4000万円もどう返そうか?しかも利子も返さないといけないし……
そんな時ハムニブが切り出した。
「みんな!命を削って働くぞ!自動車工場やカツオの一本釣りで働けば稼げるぞ!」
「そうじゃ!キツイ仕事でも、頑張るんじゃ!」
宇宙怪人ハムスター達は盛り上がっている。ねここと一休はどうだ!
「私の借金じゃないけど、私も頑張って働くわ!コンビニで働くわ!」
「おれっちもコンビニで働くちゃ!毎日水ご飯じゃ嫌ちゃ!」
宇宙怪人達の決意におれもやる気になる!
「よーし!みんなで働くよ!!!」
おれ達は資材搬入の仕事に今日も来ている。肉体労働なのでしんどいが仕方ない。
「ユーキ!この後も働くッチ?」
「うん。コンビニで3時間だけね。ハムッチは自動車工場の面接どうだった?」
「まだわからないッチが、経験者だから多分受かるッチ!」
ハムニブとハムタクはどうだろうか?
「俺も面接してもらったぞ!多分受かるぞ!」
「僕も受かったら働くんじゃ!」
ちなみにコタローは今日から引っ越し屋さんで働いている。経験者なのですぐに働かせてもらえる事になった。
そして資材搬入の仕事が終わり、おれはコンビニのバイトへ行った。
「ハムケン!ハムビタンZは全部持ってかれたの?」
「そうなんよ……でも買ってくれる人のためにまた仕入れるんよ」
「ええ……お金あるの?」
「コンビニのロッカーに隠しといたんよ。宇宙怪人銀行もそこまでは持っていけんからね!ハムビタンZを売った利益でちゃんと借金返すからねー安心してよー」
まあそれならいいけど……そうこうしてるとバイトが終わった。正直疲れた……早く晩御飯食べて寝たい……
「ただいま!なんだ!何も無いじゃないか!」
父さんが出張から帰って来た!
「父さん、実は……」
父さんに事情を説明した。すると……
「なるほど、ハムスター達は借金していたのか!4000万くらいなら俺の貯金で返せるよ。すぐ銀行に連絡してくれ!」
父さんそんなに貯め込んでいたの!コタローがすぐに連絡した!
「借金返すなら差押えした物も返してくれるそうっす!」
次の日父さんが借金を返してくれた。ハムスター達は父さんにゆっくり返す事を約束した。しかし……
「ハムタク、ハムニブ、ハムッチは自動車工場行くんでしょ」
「行かないんじゃ」
「行かないぞ」
「行かないッチ」
「え!ええーーー!!!働かないと父さんに返せないよ!」
「ゆっくりでいいって言ってたッチ!もっと楽な仕事をして返していくッチ!」
ま、まじで……コタローは働くのだろうか?
「おいらも引っ越し屋さん辞めてきたっす。ゆっくり返すっす」
結局ハムケン以外のハムスター達は無職になってしまった……
そんなんじゃお金返せないよ……
次回予告
ピンポーン
ユーキ
「はーい!」
宇宙怪人熊
「初めまして宇宙怪人熊です。」
次回
宇宙怪人熊登場!