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二十話 宇宙怪人ハムスター引っ越し屋さんで働く

 おれとハムケン以外のハムスター達は父さんに呼び出された。

 嫌な予感しかしない……

「ユーキ、ハムスター達を連れて一か月引っ越しの仕事をしなさい!」

 今度は引っ越しの仕事か……しかし……

「引っ越しの仕事はおれもやった事ないよ!」

「引っ越し屋さんに聞いたら研修してもらえるみたいだ!そこで仕事を覚えたらいい」

 そこまで話しをしているのか……おれ達に拒否権はないようだ。

 父さんはさらに続ける

「あと引っ越し屋さんクビになったら、また自動車工場で働いてもらうからな!」

 それは辛い!クビにならないようにしないと……

 おれはもしもの事があってはいけないので、ハムケンからハムビタンZを買う事にした。

「ちょっと値上げして1400円なんよー」

 また値上がりしてる……しかし買わないわけにはいけない。四本買った。





 おれ達は引っ越し屋さんの研修へと向かった。研修は引っ越し屋さんが建てた一軒家で行われる。

「引っ越しの仕事やっていけるっすかね……」

「自動車工場には戻りたくないッチ……」

 ぶつぶつ文句を言いながら、研修する一軒家に着いた。

 二人の社員の人が待っていた。おれ達は自己紹介をした。

「宇宙怪人ハムスター達ねーみんな引っ越しの仕事はした事ないんだね。一から教えるからねー」

 宇宙怪人ハムスターはかなり街に馴染んでいるようだ。社員さんも驚かない。

「じゃあまずは養生からやっていくからねーちゃんと言う通りにやってねー」

 まずは床や壁を傷つけないように、床に養生マットと壁に養生シートを設置していく。

「壁紙には貼らないんっすね!」

「マットはこれでいいんじゃね!」

 ハムスター達は頑張っている。なんとか養生を終えた。

「こんな感じかねーみんな養生は合格ねー」

 この時点ではクビにはならなかったようだ。良かった。






「次は冷蔵庫を運んでもらうねー」

 冷蔵庫にカバーをかけて二人で二階まで運ぶ研修だ。

 まずはおれとコタローのコンビからだ。

「ユーキ、一旦置くっす」

「おう、わかった」

 いろいろ言いながら、二階まで運ぶ事が出来た!

 次はハムタクとハムニブのコンビだ。

「ここうまく回るんじゃ!」

「わかったぞ!」

 この二人も二階まで運ぶ事が出来た!

 次はハムッチと社員さんのコンビだ。

「ここはこう運ぶんだよ……」

「うまく出来ないッチ……」

 この二人はうまく運ぶ事が出来なかった……

 そして研修が終わった。嫌な予感がする……

「ユーキ君とコタロー君とハムタク君とハムニブ君は合格ね。ハムッチ君は不合格です……」

「マジかッチ!自動車工場戻りたくないッチ!」

「ハムッチ……しょうがないよ……」

 次の日、ハムッチは自動車工場へ向かった。嫌がっていたが、仕方ない。





 ついに始めての引っ越しの仕事の日がきた。社員さんとおれとコタローの三人で二件の引っ越しをする。

 まずはお客さんへあいさつだ。

「よろしくお願いします。っす!」

「よろしくお願いします!」

 あいさつをした時、お客さんの子どもから

「ハムスターの着ぐるみなのー?」

 まあ、宇宙怪人ハムスターを初めて見たらそう思うよねー

 コタローは、

「宇宙怪人っす。一応こんな人っす」

「ふーん、そうなんだー」

 テキトーに説明した!この説明で納得するのか!?しかし受け入れてくれたようだ。

 引っ越しの仕事が始まった。コタローはテキパキ動いている。

 社員さんも目を見張っているようで、

「コタロー君良いよーその調子でやっちゃってー」

 と褒めていた。

「そうっすか!頑張るっす!」

 コタローは褒められてうれしそうだ!おれも頑張らないと!






 今日の仕事が終わった。かなり疲れた……

「ユーキ、また毛を刈ってくれっす」

「え!なんでだよ!」

「働いているといつの間にか毛が落ちるっす、刈ってくれっす」

 でもおれも疲れているし……そうだ!

「コタロー、床屋で刈ってもらいなよ!」

「床屋でっすか?行ってみるっす!」

 コタローはすぐに床屋で向かった。そしてしばらくすると、さっぱりして帰って来た!

「コタロー、刈ってもらえたんだね。良かったじゃん」

「刈ってもらえたっすけど5000円かかったっす。仕方ないっすけどねっす」

 これで毛が落ちる事もないだろう。

 ハムタクとハムニブにも毛を刈ってもらうようにアドバイスしたが、お金がかかるのが嫌らしく行かなかった。





 次の日もおれ達は仕事へ向かった。

「コタロー君さっぱりしたねーイケてるよ!」

「そうっす。これで大丈夫っす!」

 コタローは引っ越しの仕事が合っているようだ。今日もテキパキ動いている。

 その調子で一週間経った。まだハムビタンZは使ってない。

 しかしどうしても毛が落ちるみたいで、ハムタクとハムニブがクビになった……

「自動車工場嫌なんじゃー!」

「自動車工場辛いぞ……」

 二人は嫌がりながら自動車工場に向かった。今後いるだろうと思ったので、ハムビタンZを三本渡した。

結局残っているのはコタローだけだ……二週間経った。

 コタローは今日も仕事に行ったが……

「ユーキ、ハムビタンZくれっす…」

「しょうがないな……はい!」

「うおおおおーこれでしばらく仕事出来るっす!!!」

 そうだといいけど……またハムビタンZをハムケンから買っておかないと……

「ちょっと値上がりして1500円よー」

 また値上がりしてる……しかし買うしかない……

 コタローは、三日に一回は床屋に向かった。ハムビタンZも三日に一回は飲んだ。

 そして一か月経った!コタローとおれはクビにならなかった。






「ユーキ、おいら正社員にならないか?っと言われたっす」

「え!良い話しじゃん!どうするの?」

「断ったっす」

「な、なんで?」

「床屋代にハムビタンZ代もかかるじゃないっすか!働いてもそんなにお金にならないっすよ!」

「え!でも仕事合ってる感じだったじゃん」

「仕事自体は合ってるっすけど、まあ気が向いたら行くっすかねー」

「え、ええー!!!」

 コタローは結局一か月で引っ越しの仕事辞めてしまった。

 頑張ったのに……

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