16赤銅
「ちょっ、久美子ちゃん。あいつが…こんな事してる場合じゃない!!」
久美子がひかりの上で両腕を抑え、首筋から胸元にかけて頭を動かしている。
「かわいいこ、きたー。」
久美子は完全に快楽に支配されている。カレンに抱き着こうと身を起こした。
久美子はカレンに飛びつくと、カレンは両手でおっぱいをつかんだ。
「おっぱい……おっぱい……」
カレンは久美子のおっぱいをわしずかみにして、もにゅもにゅと揉みしだいた。
「ふむ、これはいいものだ。」
持ち上げて、下げて、持ち上げて、下げて、吸ってー吐いてー。
「~~~~~~」
久美子が声にならない嬌声をあげている。
カレンが片手を久美子の背中にまわし、くいっっと久美子のあごをあげ、唇を重ねた。
「んっ!!、ずるずる、ずぞっ。」
カレンはいったん唇をはなす。
「じゅるじゅるじゅるじゅるじゅるじゅる、ゴッゴ、ずぞっつ。」
「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
久美子がのけぞっている。
「え?」
「おお!?」
ひかりとマサキが女の子同士、しかも巨乳と爆乳がキスしている。
「ちゅぱっ。ぷはっ。くうぅー、ごちそうさまでした。」
カレンは唇を離すと、久美子はくったりと崩れた。
『娘との接続が解けた。どうやら娘の神経回路も正常にもどした様だ。』
「じゃあ、浄化されたのか。」
『浄化と言う生易しいものでもあるまい。根こそぎ吸われて、また戻す。入れ替えに近い。』
「またキワモノ感が半端ないな。」
「そこ!!今私の悪口言った?」
カレンがくるっと体をマサキの方へ向け、そのままずんずんと歩いてくる。
「やばいな、逃げた方がいいのか?」
『隙をついて、体腔を広げさせ精気を逆に放出させる。一応は精気を吸われないよう、シールドしてあるから、筋力で負けないだろう。よっぽど深く浸蝕されなければだが。』
「何をどうするとそうなる。」
『穴を開くのだ。しかし体液には触れてはならない。ウイルスと同じで、濃厚接触しなければ効果は無い。』
「口に手でもつっこむのか?口じゃなくても……下のの方も。」
『死ぬぞ。先ほどの見ただろう。一瞬で昇天する。』
「じゃあどうやって。」
「なにブツブツ言って……」
マサキが四つん這いでゆっくり見上げると、カレンのつま先、太もも、下半身から胸、しかし顔が見えなかった。
カレンはマサキの顔を見ようとした。が、胸が邪魔で見えない。仕方ないので前かがみになってのぞき込む体勢になった時、マサキは、逆立ちになり、その太ももでカレンの頭を挟んだ。ぎゅっと鍛えられた太ももはカレンの頭を容赦なく絞める。
「痛い、痛い、痛い、フギン、ムニン!!」
カレンは、締め上げられ、たまらず使い魔を呼んだ。
「間に合え!!」
マサキが挟んだ足でカレンを投げ飛ばし、マサキと入れ替わってうつ伏せになったカレンの関節を決めた。
「なっ!!いや!!いやー!!
カレンは、頭の下にはマサキの股間があって、足も決められ、大股をおっぴろげている。俗にゆう恥ずかし固めである。
『ひかり、すまないが、そこの娘の股に腕を突っ込んで気を吸ってくれ。』
「嫌です。それにまだ動けません。」
ひかりは即答した。
「変態!!放しなさいよ!!、やめないと殺す!!ぎゃぁーーーーーーー」
骨が折れる技ではないが、かなりの屈辱感のある技をかけられて悲鳴を上げている。
「おい、ギブか?筋がイかれるぞ。」
「ぎゃぁーーーーーー、ふんがーーーーーーーー」
カレンは痛みに耐えていた。鳥たちへの命令も忘れ、抗っていた。
フギンとムニンは、主人の危機を救いたいが、下手に手出しできないので様子を見ている。
化け物相手なら躊躇なく襲い掛かるが、人間相手なので攻撃を禁じられている。
カレンも使い魔も人間相手だったので、油断していたし、考慮に入れてなかったため、固縛される事態になった。
『我が金糸では、開いている体腔から気を消費できない。論理回路は動力ほど消費しない。さて気を逃がす場所は、おおあれにしよう。』
金糸が延びていく、その先には気を吸われた稲葉が倒れていた。
「な?やめて、ねえ、それは、それだけは勘弁して、なんでもするから、ねえ、ねえってば……」
カレンの願いむなしく、饕餮の金糸がカレンの穴という穴に侵入していく。ブレークダウンにより気の流れを遮断しているので、気を吸い取られはしない。
「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
声にならない声が出る。
『では、ぽちっとな。』
饕餮がFET(電界効果トランジスタ)のようにスイッチを開けた。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
カレンが叫び声をあげる。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
稲葉に精が注がれ、干からびていた体に精気が戻った。
逆にカレンがぐったりとして、息も絶え絶えとしていた。
「はあ……はあ……」
胸が大きく揺らしながら息をしている。
マサキは恥ずかし固めを解きカレンを後ろから抱きかかえ拘束するように座った。とひかりが歩いてきて、マサキの前に立つと。
「パァン」
ひかりはマサキを平手打ちした。
「あんたは、久美子ちゃんに何してたの!?それにこの娘にも恥ずかしい恰好させて、あんた女の子をなんだと思っているの!?」
マサキは頬に手をあてぽかんとしている。
「スケベ!!、変態!!、女の敵!!」
「いや、待てよ。結果的にこうなっただけで、やましい事なんて思ってない!」
「どうだか?とうてっちゃんを通じて、いやらしい気持ちが伝わってきたわ。ほんといやらしい。」
「でも、俺は耐えた。俺には好きな人がいるんだ。」
「わかってるわ。わかってるから言ってんじゃない。しょうがないって事も、ずるいってことも……」
「そんな痴話げんかより、私を何とかしてくれませんかね。」
カレンは抵抗する力もなく、二人の喧嘩の真ん中で困っていた。
『金板の巫女に危害を加える気はない。お前もそうなのだろう。敵意は感じられん。』
「それは、饕餮の金板は我々が守護するもので、回収したいから、破壊しに来たんじゃないから。」
『我らとて、同じく無用な争いはしなくない。少々厄介な事態になっていて、それが収拾するまではこ奴らから離れる事は叶わん。』
「事態とはなんですか?そこの尸の事ですか?」
『厳密には、白金の事態を解決する過程で、その娘を尸解させる。そのために我が本体を探さねばならない。先ずは鏡を通信機を手に入れる。』
「修行もしていない一般人に尸解なんて……鏡と云っても古代鏡で壊れていないものを探す方が難しいのに……」
『確かに機能を保っていないかもしれない。修復も考えねばならんな』
「話が勝手に進んでいるんですが、鏡がどんなもので、しかも直すって、聞いてないんだけど……」
マサキは鏡を探すとは聞いたが、直すとは聞いていないと、不満在りと口を挟んだ。
『現状では不明確な情報を伝えると混乱する。それに必要とあれば学んでもらう。』
「なにを勝手な……」
『条件のクリアは覚悟の上だと認識している。』
「そらそうだが……」
「鏡は本宮にも聞いてみます。修理はお姉ができるかも。」
『玄武はすでに白金の虜だが。』
「理系の大学に行ってるお姉は、白虎の巫女で金気が得意だから」
「じゃあ、俺たちに味方してくれるのか?」
「敵じゃないし。饕餮が戻ってくればいいし。」
『では、共に奴を屠り、我が真の力を取り戻す手助けをしてくれないか?』
「それは、本宮に聞いてみないと。」
『では連絡を待とう。』
「じゃあ、とりあえずこの状態をなんとかして」
カレンはマサキに抱き着かれて、おっぱいが強調された格好になっていた。
「あ、ごめん。」
マサキがカレンを離すと、もう、素早くカレンが離れ、ひかりにひっついた。
「うひっ、わあ、やめ、私はそんな趣味ないって。」
「ああ、気持ち悪い。男ってごつごつして可愛くない。それに引き換え女の人は気持ちいい。」
「えー?俺も混ぜて……いや、ひかりが嫌がってるじゃないか……」
「東條君はちょっと……」
「え?」
『早く後始末しないと、人に知られるぞ。せっかく記憶を改竄しているというのに、元も子もない。』
浜は正常とは言わないが、事件が無かったかのように化け物の痕跡が消された。鳥たちのおかげである。