15赤銅
『経絡に陽の気を巡らせ、体の浄化を行うのだ。陰の気を高めそれを心臓まで導く事で、陽の気へと変わる。そこでマサキ、先ほどの様に、その娘に抱き着け。』
「おい!?何がどうなったら、そうなる。大体恋人でもないのに、相手の気持ちも考えろよ。」
『その娘、先ほどから陰の内丹に気が相当溜まっておって、爆発寸前だ。よって少しのきっかけでマサキの思うがままだ』
「あの……東條…君?」
久美子はマサキが正座スタイルでボーっとしている姿をみて、久美子も正座スタイルから四つん這いになってマサキに迫り、顔が触れ合うくらいまで近づいて、ちょっと上目づかいでなんだか火照った頬と体で、マサキを見ていた。
マサキが久美子に目をやると、とても近い(私気になりますとか言う人くらい)。下に着ていたブラは外れ谷間が、というかマサキの胸から下腹部におっぱいが垂れている。さすが圧巻のメーター越え。
「山田さん!?どうしたの?」
「東條君、ちょっと気が抜けちゃった。」
久美子はマサキに倒れ込むように抱き着いた。体制的にマサキの胸に顔を埋め、久美子の胸がマサキの股間を埋めた。
「ちょ!?ちょっと?」
マサキの動揺とは裏腹に、久美子は幸せそうである。
『ちょうど良いではないか、無意識の内に丹田を回復できる。マサキも陰の気が高まり消耗した丹田の回復に都合が良かろう。それに他に意識を回されると、ネットワーク戦が進む前に気づかれてしまう。そのまま情欲のまま抱いてやれ』
「お前は何を言っているんだ?いや俺はいいんだよ俺は、でも山田さんがどうかな? 俺はさあ紳士だからさ。」
「東條君。私……もっと……触れたいの。その水着越しでなくて……誰もいない場所に行きたいの……」
その顔は全く嫌がっていなかった。抱き着いるだけでなく、久美子がくねくねしだした。
「いや、落ち着こう。」
マサキそう言いながらも二つの丘の間で我慢していた。刺激を与えられ体はとても正直だった。
『場所を移動されるのは困る。アンテナ代わりだからな。ひかりに気を送らねば、あの火の気に制御回路と波瑠の金糸回路が消滅して、肉体が滅ぶ。そのまま誤魔化せ。』
「無茶を言う。俺、ガマンが、やばい、やばい、やばい。」
「東條!!久美子ちゃんに何してんのよ!!私が動けないからって、ちゃんと見えてるんだからね!!」
ひかりの回線がつながっているということは、つまりマサキと久美子の心は筒抜けで、何浮気してんのさとかなり不機嫌な殺気を送って来ていた。」
「びっく!」
マサキはひかりの声にかなりビビるのと同時に、ガマンしていたフタの留め金が外れ、あふれてしまった。」
「うっヤバい。」
「あん?、こんなにいっぱい?」
久美子は先ほどまで触手になぶられていたが、マサキので上書きされ、さらになまめかしくなった。
「ちょっと!!何してんのよ!!あんたバカ!!」
「ごめん!!」
マサキは久美子を引っぺがそうとしたが、久美子ががっちり組み付いている。
「いいの。うふふ?」
久美子はさらに深くマサキの体に唇や舌をちろちろさせ、頬をすりすりしていた。
「ああもう!!後で躾してやるんだから!!」
『ひかり、イルカをそっちにやった。なんとか海に飛び込め』
「ちょっと、東條!!やめなさいよ。ぶっ殺すわよ!!」
『早くしないと、火の気で体がなくなるぞ。』
「そこで待ってなさいよ!!すぐに行ってやる!!」
ひかりがはいずりながらも海に飛び込んだ。カレンは浄化の火をイカダから浜に向けるため、桟橋を移動しかけていたので、もう少しで間に合わないところだった事は、今のひかりには思考キャパオーバーであった。
どざえもんのようにプカプカと浮かんでいるひかりをイルカが救い上げ、寸でのところで、ひかりのピンチは救われた。
「待ってなさいよ!!」
言葉とは裏腹に、体はマヒしていた。
そんな間にカレンの浄化は続いている。浜にいた人たちを火柱の渦が巻き込み、記憶と穢れを消していく。
「うふふ。いいにおい。」
マサキは久美子からの執拗な攻めから逃れようと、水辺まで必死に移動して何とか引き剥がそうとしていた。
「やっと着いた……とーうーじょーうー。」
ひかりがイルカの背かろうじて乗っかっている状態でマサキのいる浜にたどり着いた。イルカはひかりをマサキのそばにおろし、ひかりは水辺を産卵前の海ガメの様にはいずりながらマサキの背後を突いた。
「ひかり……まあまて、」
「ひかりちゃん。東條君のからだ、おいしいよ。ひかりちゃんも一緒にヤろ!?」
久美子がひかりの手を引っ張って、マサキの下半身にあてがう。
「うにうに」
「もう我慢できない!!」
マサキは色んな意味で、終わったと思った。マサキがぱたりと倒れると、今度は体の動かないひかりを久美子がマッサージをしている。
「やめて久美子ちゃん。わたしそんな趣味は……」
「ねえ、東條君……いえマサキ君と一緒に気持ちよくなろうよ。ぜったい後悔しないから。」
「何を言ってるの。悪い冗談……」
体が動かないので抵抗も出来ず、なすがままにされていた。
『好都合だな、共に気の循環を正常に戻す。』
女子二人がゆりゆりしている間に、饕餮は着々と作業を進めた。
マサキは、ああ、何もかもが尽き果てたと、プカプカ浮かんでいた。
『マサキ、来たぞ。』
「なに女同士で、エナジーチャージしてるの。不毛だわ。」
浜の浄化を済まして、カレンがひかりと久美子の目の前で腰に手を当て、呆れ顔で眺めていた。
「あ。ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
ひかりが顔をあげると、乳繰り合っている女を美少女がなんか蔑んだ目をしている。
ひかりは、もう風化して砂になりたいと思った。
マサキがゆっくりと腹ばいになり、ビーチフラッグでカレンに組み付こうと下半身に照準を合わせた。