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GHOST FRiLL  作者: 白木 ねね
1/2

心霊現象

ちょっとファンタジー、ちょっとオカルティック。

ギャグコメディみたいにできたらいいなと思いつつ、ちまちま書いていきます。

完全更新不定期ですが、お付き合いいただけたら幸いです。


.




__突然だが、君は幽霊といった類のものを信じる人だろうか。






俺は信じる人だ。



否、信じるように"なった"人だ。

昔は1ミリもそんな物信じてなくて、それこそ子供の頃の肝試しなんか先頭に立ってコースを回ったほどの怖いもの知らずだった。いや、驚かされた時には班1番のスピードで元来た方へダッシュしていたが。

小4で50m8秒台の俊足は伊達じゃない。




俺がその類のものを信じるようになったきっかけは、簡単に言ってしまえば身の回りに起こる心霊現象である。



謎の視線、

謎の気配、

誰もいないはずの部屋からする物音、

極めつけは最近起こるようになってきたポルターガイスト。



視線や気配なんてよくあるものだし、なんて最初は気の所為だと思って過ごしていたが、物音がしてきた時点で急に怖くなり始めた。



幽霊だとか、生霊だとか。

学生時代の友人にオカルト好きがいたせいで、その手の話をよく聞いていたからかもしれない。当時は右から左へ受け流していたものの、深夜の物音がした時にそいつのことをふと思い出したのが悪かった。

当時されたオカルト話まで思い出してしまったのだ。

それも若者の男に手を出すタイプの地縛霊の話を。



こんな感じに割としっかり幽霊の存在を信じ始めた日々。

ある日、目の前にあったコップがひとりでに浮いた。


そして、ついでに空で一周まわった。ショーかよ。


これは、夕食のために一人暮らしの俺が1人分だけ出した食器だった。

一人暮らし、1人分だけと言う時点で分かるかもしれないが、俺に料理を作ってくれるような彼女はいない。悲しいかな、長らくずっとである。新しくできる気配もない。幽霊の気配はあるのにな。


これは完全にポルターガイストだ。

そう、これが割としっかり信じていた俺が幽霊を完全に信じた瞬間だった。




かといって、幽霊に心当たりがある訳では無い。



この家は引っ越したばかりという訳ではなく、俺が2年前から住んでいるところだ。俺は上京したての時からずっとここに住んでいる。家賃も手頃だし、駅もそれなりに近いし、けっこう住み心地が良くて気に入っている。

それで、2年前から今の今まで音沙汰がなかったのなら家に取り憑いていた霊という可能性は低いだろう。


じゃあ、俺自身に取り憑いている霊となるが、人の恨みを買った覚えはないし、礼儀作法を重んじる剣道を嗜んでいる身としてそれは断言出来るだろう。


同じ道場に通っていた友人には「お前のソレは剣道とは関係ないとこにあると思うけどな」と苦笑されたけど。まあそれは置いておくとして。



そんな感じで幽霊の正体が丸っきり分からなかった俺は、思い切って専門家に頼ることにした。



でも、専門家への直接的な伝手がある訳ではないから全てが手探り状態。


まあ手探りながらも、とりあえずオカルト好きの友人に事のあらましを話して「一番信頼できる幽霊退治屋を紹介してくれ」と頼み込んだ。



そして、そいつに聞いたのが『GHOST FRiLL』という幽霊退治屋だ。



俺としては初めて聞く名前だが、"そういう"界隈では今一番ホットな幽霊退治屋らしい。

何でも、『どんな幽霊や悪魔でも綺麗な人形が退治してくれる』んだとか。



人形?

そもそも人形ってどれだよ、ドール人形か?

あれが動き出すとかそれこそ怪奇現象じゃないのか、俺がこの前見た1周まわるコップなんか比じゃないくらい怖そうだけど。

顔立ち整いすぎてる人間だと思ってたら、よく見たら球関節で動いてた、とかも怖い。

悪魔祓いの主こそが祓われるべき存在だった!みたいなラノベ的展開は望んでないんだが、まじで大丈夫だよな?




(不安に)思うことは山ほどあるが、そんなこと思っていても事態は解決しない。

俺は藁にもすがる思いでそこに連絡することにした。



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