閑話: 確認
原稿が一度消えました。><
マリアンヌは一応、本人の意思を確認しておこうと思った。
お茶の時間、アドリアンとオーレリアンにラインハルトとした話を教える。
オーレリアンは想定内という顔をしていたが、アドリアンは露骨に嫌な顔をした。
「面倒くさい」
そんなことを言う。
(わたしの息子だな)
マリアンヌはそう思った。
「まあでも、無視も出来ないでしょう?」
オーレリアンに聞く。
「そうですね。放置しておくと逆に厄介かと」
今までの前世を含めた人生経験から、オーレリアンは答えた。
「そうよね。無視されたら、印象悪いわよね」
やれやれという顔をマリアンヌはする。
「やっぱり、パーティを開いて一度に終わらせてしまうのがいいと思わない?」
マリアンヌは息子達に聞いた。
「……」
「……」
アドリアンとオーレリアンは互いに顔を見合わせる。
「それって、母様がパーティに出たくないだけじゃないの?」
アドリアンはすばり聞いた。
(バレている)
マリアンヌは心の中で呟く。
面倒なことを丸投げしたことに気づかれてしまった。
「それもあるけど、本人たちの意思を尊重したいという気持ちがあるのも本当よ」
言い訳する。
「あるんだ」
オーレリアンは笑った。
「まあ、実際にその意向を汲めるかどうかは別の問題だけど」
マリアンヌは苦く笑う。
王族の結婚は恋愛感情では決められない。一番大切なのは互いの利害だ。
メリットがある相手しか選べない。
マリアンヌとラインハルトは例外中の例外だ。
「自分の結婚相手を一度も見たことなく決められるというのもどうかと思うところがあるの」
マリアンヌは息子達を見つめた。
「母様はどんな人がいいの?」
アドリアンは興味深そうに聞く。母の選ぶ女性がどんな人なのか気になった。
「それなんだけとね……」
マリアンヌはなんとも微妙な顔をする。
「いろいろ考えたけど、誰でも嫌」
ため息を吐いた。
「?」
オーレリアンは不思議そうな顔をする。
「自分が手塩にかけて育てた息子を他の女に取られるなんて、普通に腹が立つ事に気づいたの。お嫁さんと仲良く出来ない姑の気持ちがよくわかるわ」
マリアンヌは真顔で答えた。
「嫌なら、選ばなきゃいいんじゃない?」
アドリアンは簡単に言う。
「そういう訳にはいかないから困っているのよ」
マリアンヌは首を横に振った。
「アドリアンが皇太子になるためには、結婚して息子を儲ける必要がある。いつかは相手を選んでもらわないと困るのよ」
ため息を吐く。
「いつかなら今じゃなくてもいいんじゃない?」
アドリアンは言った。今はその気がないのがよくわかる。12歳の子供だから、当然かもしれない。
「オーレリアンはどう思うの?」
マリアンヌはもう一人の息子を見た。
「私はアドリアンより先に結婚して、万が一息子が出来たらすごく厄介なことになるから、結婚はずっと先かいっそしないかのどちらかかな」
冷静にオーレリアンは答える。
「オーレリアンが結婚したら、相手の女をいびり倒す自信があるからしない方がいいよ」
アドリアンは怖いことを真顔で言った。
(まあ、そうでしょうね)
マリアンヌは納得してしまう。
アドリアンとオーレリアンの仲の良さを見ていると、十分ありえると思った。
アドリアンは案外、嫉妬深い。自分より大切な誰かをオーレリアンが作ることを許さないだろう。
「とりあえずパーティは開くつもりでいるけど、二人はそこにいるだけでいいわ。頑張らなくていい」
マリアンヌは微笑む。
「そういうことなら参加してもいいよ」
アドリアンは頷いた。
とりあえず閑話でUPしていますが新章で書こうか検討中です。




