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夫婦2

なんだかんだいって、仲良しです。





 マリアンヌは思わず考え込んでしまった。


(異世界転生して大家族の母になるのはさすがに想定外だわ)


 心の中で苦笑する。

 王子様と結婚するとか、王子の母になるとか。そういう感じは女の子の夢的な部分で想像したことが全くないとは言わない。女の子は誰だって一度くらいお姫様な自分を想像してみるものだ。

 だが、大家族の母になることを想像する女の子はどれくらいいるだろう。子供はたくさん欲しいの――という女の子はいるとしても、おそらくそのたくさんは3人くらいだ。


「6人は不可能ではないのでしょうが、いろいろ難しいのでは?」


 真面目な顔でラインハルトに問う。

 そんな反応が返ってくるとは思わなかったラインハルトはさすがに驚いた。


「え?」


 戸惑う顔をする。


「ん?」


 そんなラインハルトをマリアンヌも不思議そうに見た。

 2人できょとんとした顔で見つめ合う。


「ふっ」


 ラインハルトは噴出した。


「では、人数に関しては応相談と言うことで」


 そんな結論を勝手に出す。


(ん? それって子作りには同意したって意味?)


 マリアンヌは慌てた。

 そんなマリアンヌの胸をラインハルトの手が悪戯に揉む。


「ひゃっ」


 マリアンヌの口から変な声が漏れた。いきなり胸を揉まれてびっくりする。


「いきなり、何するんですか?」


 マリアンヌはラインハルトの手を掴んで、止めた。軽く睨む。

 ラインハルトはクスクスと笑った。


「この状況で、考え込む方がどうかしているのでは?」


 マリアンヌに突っ込む。

 自分がベッドの上で組み敷かれていることをマリアンヌは思い出した。


「……」


 何も言い返せない。

 それを了承と受け取ったのか、ラインハルトは続けようとする。マリアンヌの胸に触れた。


「……こういう、意見が合わない問題を身体で解決するようなこと、良くないんですよ」


 マリアンヌは口を尖らす。


「久しぶりに再会した夫婦が愛を確かめあうことがいけないのですか?」


 ラインハルトは切ない顔をした。

 それは演技だとわかっているのに、顔立ちが綺麗な分、そんな表情をされると後ろめたさを感じる。


(美形ってずるい)


 マリアンヌは心の中で愚痴った。


「マリアンヌは私に会えなくて、寂しくなかったのですか? 私はずっと寂しかったですよ」


 切々とラインハルトは訴える。


「寂しかったです」


 マリアンヌは答えた。

 本当はいろいろあって寂しがる余裕もなかったが、それを正直に口にするほど空気が読めなくはない。


「じゃあ今は、寂しさを埋めあいましょう。身も心も」


 爽やかな王子様スマイルをラインハルトは浮かべる。


「……わかりました」


 マリアンヌは納得した。


「今日は流されますけど、後でちゃんと話し合いますよ」


 宣言する。


「いくらでも」


 ラインハルトは微笑んだ。話し合いの最中はマリアンヌを独占できる。

 ラインハルトはマリアンヌの顎を掴み、顔を寄せた。

 綺麗な顔が近づいてくるのを見て、マリアンヌは目を閉じる。唇に少し固めの感触が触れ、舌が歯列を割って口の中に入り込んできた。


(難しいことを考えるのは、後にしよう)


 マリアンヌは思考を止める。

 温もりと快感に身を任せることにした。








全年齢なのでいちゃいちゃは詳しくは書けません。^^;

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