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マリアンヌサイドです。





朝、起き上がる前からマリアンヌは身体の異変に気付いていた。


(ヤバイ。この感覚は二日酔いだ)


 ジュースみたいな甘い味に騙されて、飲みすぎてしまったことを後悔する。

 生まれ変わってから、二日酔いになるのなんて初めてだ。前世でさえ、二日酔いは一度くらいしか経験していない。


(極上すぎる日本酒がまるで水みたいでするする飲めて、自分の許容量オーバーしたんだよね、あの時は)


 そんなことを思い出した。

 翌日、起き上がれないほど具合が悪くてさすがに懲りた。それ以降は、自分の許容量を超えないように気をつけている。水分を多めに取ったりして対策をしていた。


(この世界では許容量を越えるほど飲む機会なんてそもそもなかったから、すっかり忘れていたわ)


 反省する。

 そこにメアリの声が掛かった。


「マリアンヌ様。朝です」


 起床時間だと知らされる。


「……起きられない」


 マリアンヌは呟いた。

 その言葉を聞いて、メアリは青ざめる。

 何を想像したのかわかったので、マリアンヌは先に口を開いた。


「毒とかは盛られてはいないから」


 そう告げる。


「え?」


 メアリは戸惑う顔をした。


「ただの二日酔い。昨日、飲みすぎただけよ」


 マリアンヌはため息を吐く。


「もう少し、寝かせて」


 頼んだ。


「……わかりました」


 呆れた声が返ってくる。メアリがどんな顔をしているのか、見なくてもマリアンヌにはわかった。

 メアリはマリアンヌを放置して、アドリアンとオーレリアンを起こす。

 2人は素直に起きた。

 メアリは2人を着替えさせる。


「母様、どうかしたの?」


 ベッドに横になったままの母親を気にして、オーレリアンが尋ねた。


「母様?」


 アドリアンも心配そうに声をかける。


「大丈夫。ちょっとした二日酔い」


 マリアンヌは答えた。


「もう少ししたら起きられますから、大丈夫ですよ」


 メアリがフォローする。王子達に微笑んだ。

 マリアンヌは出発ギリギリまで休むつもりでいた。だが、そうはいかない事情が発生する。

 レッジャーノ公爵が面会を求めてきた。


「昨夜のことが耳に入ったんでしょうね」


 マリアンヌは納得する。知ったら、問い詰めに来ると思っていたので想定内だ。


「いかがなさいますか?」


 メアリは尋ねる。断ることも出来た。


「話しておかないといろいろ気にするでしょうね」


 マリアンヌはぼやく。公爵にはちょっと神経質なところがあった。おそらく、細かいことが気になるタイプだろう。ぐるぐるいろんなことを考える前に、会っておく方がいいと判断した。


「会います。用意するまで、少し時間がかかると伝えて」


 マリアンヌは答えた。そうっと身を起こす。

 幸い、吐き気はなかった。

 ただ、体調は良くない。だるいし、ちょっとくらくらした。

 メアリに手伝ってもらい、着替える。


「大丈夫ですか?」


 途中、心配そうに問われた。顔が青ざめているらしい。


「大丈夫」


 マリアンヌは頷いた。






 マリアンヌは公爵と会った。

 体調の優れない母親を心配して、両隣に子供達が付き添う。

 具合は良くないが、幸せな気分になった。愛されているなと実感する。

 公爵の用件は予想通りだった。昨夜のことを問い詰められる。

 それに答えながら、ふと、公爵の後ろにいるハワードを見た。


(巻き込まれたのね、可哀想)


 そんなことを考えていたら、目が合う。申し訳ない顔をされた。公爵に昨夜のことを伝えたのは、ハワードなのだろう。

 ハワードの立場なら、そうするのが当然だと思った。


(大丈夫、怒っていないわ)


 伝わったかどうかわからないが、そうアピールする。

 公爵の苦情をマリアンヌはさらりと受け流した。文句を言われるのには、ある意味、慣れている。

 ここで詳しい話をするつもりがないことを伝えると、公爵は引き下がった。

 少しでも休みたくて、マリアンヌは公爵に退室を求める。

 公爵は素直に帰って行った。


「出発まで、休むわ」


 メアリにそう伝える。

 ドレスのまま、マリアンヌはカウチに横になった。





飲み過ぎて後悔。>< 何事もほどほどに。

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― 新着の感想 ―
[良い点] こういう状況だったとは(笑) [一言] クリスマスイブの日の話に二日酔いd( ̄ v ̄) 作者さまも飲み過ぎませんように〜、メリークリスマス
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