弟子に聖水を与える優しいTS錬金術師
下品な作品になったことを報告しておきます。
穏やかな陽気に包まれる森の中、とある錬金術師のアトリエに突如爆発音が響き渡った。
「師匠!」
「先生!」
錬金術師の弟子2人は音の源が彼らの師の調薬部屋から聞こえてきたことを察すると、あっという間に部屋に飛び込んだ。
爆発の影響で荒れる室内に横たわるローブ姿の人物。
「まずい! 換気するから、師匠を寝室に!」
「分かった!」
弟子の1人、耳の長いエルフの少女カティが風の魔法を使って部屋を換気させると、狼のような耳と尻尾を揺らす少年デュークがローブの人物を手早く横抱きにし退散した。
カティは室内に危険がなくなったことを確認し、デュークの後を追って師の寝室へ駆け込んだのだ。
「な、なんじゃこりゃぁ!」
日も暮れようかとする頃、ようやくローブの人物が目を覚ますとカティに手渡された鏡を見て絶叫を上げた。
ローブの中には本来、隈の酷いボサボサ頭の冴えない男が映るはずだったのに、そこには隈も髪も酷いが目の冴えるような美女の姿があったのだ。
よく見れば男の頃の面影があるが、それを加味しても美女と言えるほどの顔が、いつもの汚いローブに収まっていた。
「はあ、先生。今度は何したんだ?」
呆れ顔でデュークが尋ねれば、錬金術師レンは顔を反らしながらボソリと呟いた。
「……が…くなる…りだ」
「…は?」
「っ、背が高くなる薬だっ!」
顔を真っ赤にして叫ぶレン。美女の美貌で、しかし年頃の乙女のような恥じらいを見せるその姿に弟子2人は静かに悶絶した。
レンは男の頃から背は低かった。幼少期の極貧生活で体が育たなかったことが原因だが、似たような境遇のデュークが頭1つ高いことを気にし始め、最近は体を大きくさせる為の薬を作ることに専念していたのだ。
「で、でも師匠! 今、とてもお美しいですよ!」
「ぐぅ、違う! 俺は女になりたかったんじゃねぇ!」
カティの言葉に憤慨するレン。
細い手で髪をぐしゃぐしゃとする姿に弟子2人は顔を見合わせて苦笑する。
「まあ、もう一回再現すれば戻れるでしょう?」
「そうなんだが……。配合率を記録する前だったんだ、また作るなら時間がかかる」
落ち着いたのか一転ローテンションになったレンは手を下ろし、目を潤ませながら床に視線を落とした。
その姿はひどく惨めに思えたが、弟子2人の目には何やら不穏な感情が芽生え始めていた。
乾いた笑いをあげるレンの姿。絶世の美女と化した家族のように慕うレンを包むローブははだけてしまい、真っ白な首筋と鎖骨、そしてなんとも目を惹く谷間が露出している。余った裾からちょこんと飛び出た指は愛らしく、無意識だろうかよく見ると所謂女の子座りをしているのが分かる。
そんな師の姿に弟子2人は、
(何だか今の師匠って……)
(女になった先生って……)
(( カ ワ イ イ ! ))
知性ある生物としての大事な何かを失った弟子2人の行動は早かった。カティが魔法で召喚した植物がレンの体を拘束していく。デュークは目にも留まらまぬ速さでレンのローブと服を引きちぎり裸にひん剥いた。
弟子2人の前に晒されるレンの肉体。女に変化したばかりのそれは、傷やシミ1つとしてない芸術品のようで、豊かに実ったたわわにキュッとしたくびれ、むっちりとした腰つきに弟子2人は目を奪われた。
「お、おい! 何をしてる!」
レンを縛る植物は体にまとわりつき、レンの肉体をより強調するかのごとく締め上げる。申し訳程度に葉っぱで隠される秘部を見て、カティは自分の仕事っぷりに胸を張った。
「ふふ、師匠。私、思ったんです……。カワイイならそれでいいじゃない! と」
「俺も同感です先生。男に戻るにしても、滅多にできない経験じゃないですか。……それに……」
「デューク……?」
レンににじりよるデューク。実はこのとき、彼はレンのある状態に非常に興奮しており、まるで発情期のごとく理性を飛ばしかけていた。
ではレンのある状態とは何か。
レンは調薬にのめり込むと寝食を忘れ没頭することがままあった。そうなれば当然風呂にも入ることはない。しかも、いつものローブは着っぱなしであるため、そのときのレンと言えば3日程も熟成された汗の匂いを放つのだ。
その匂いは強烈で狼の特性を持つ半獣人のデュークにとっては耐え難いものであった。しかしレンが男であったから理性を保つことができていたのだ。
「先生……、俺もう我慢できないんです……。こんなキッツい汗の匂い垂れ流されて、我慢なんてもう無理なんですっ!」
「うわあぁぁぁっ!」
瞬間デュークはレンに飛びついた。情けない悲鳴を上げながらどうする事もできないレンは、抵抗できずにデュークにありとあらゆる箇所に鼻を押し付けられ、嗅がれまくったのだ。
「すんっ、すんっ、くっ! おっほ、くっっさ!!」
普段の冷静沈着な姿からは到底想像できないがっつき具合でレンを貪るデューク。更には特に匂いのきつい脇を、ザラザラした舌でベロリと舐める始末。これにはレンも堪らず悲鳴をあげる。
「や、やめろぉっ! そんな、んひっ、とこ、お、舐めるなぁ!」
「れろっ、んっふが! あ、ああ、旨い。先生の汗ぇ…」
レンはデュークの様子に戦慄した。まさかこんな隠れ変態だったとは思わなかったレンは、一縷の望みをかけてカティに目を向けた。女であるカティなら幾分か冷静だろうと目を向ければ、そこにはどうやったか瞳にハートマークを浮かべるカティの姿があった。
「あ、ああぁ、カティ……。助けて……」
様子はおかしいが今のレンにはカティに頼るしか他はない。デュークの舌技によって、レンの体には妙な火照りも発生していた。
しかし、カティもふらりふらりとレンに近付くと、その股ぐらに顔を寄せる。
「カティ?」
「ふふ、ふふふ……。師匠のココからぁ、濃密な魔力を感じますぅ」
カティはまるで花の蜜に惹かれる蝶のように、レンのそこに吸い寄せられていた。エルフの特性を持つカティは、レンのあそこから濃密な魔力を蓄えた液体が分泌されているのに気付いたのだ。
「なっ! カティ! 待てって!」
しかしカティは止まらない。パチンと指を鳴らし何かしらの呪文を唱え始めた。すると途端にレンは激しい尿意に見舞われたのだ。突然のことに困惑するが、しかしカティが何をしようとするのか察してしまったレンは大声を上げた。
「ひゃっ?! カ、カティ……まさか、それはだめだ、やだ、やめろ……。やめてぇ!」
レンは精一杯我慢したが女の体は勝手が違った。決壊する、と感じた瞬間、カティが放出口に向けて口を開いているのを見たレンは、ただひたすらにやめてくれと懇願した。
「ひひょお、はふさんほひそうひてくらはいぃ!」
そして訪れた瞬間、特濃の魔力を伴って排出されたそれはすぐさまカティの口内へ飛び込み、カティは白目を剥きながらゴクリゴクリと喉を鳴らした。
調薬中なら用を足すのも我慢する錬金術師の鏡であるレンは、実に2日ほど溜め込んでいたそれを自らの愛弟子にぶちまけてしまったのだ。カティの口からは溢れてしまった黄金色の液体が飛び散る。その匂いとあまりに強い魔力の匂いに惹かれてか、デュークもそちらに顔を向け、あろうことか床に飛び散ったソレを舐め取り始めた。
「がぼっ、あぶぶぶ、ぐっ、ごふっ! ん、ごくっ、ごくっ」
「ぴちゃ、れろっ、はあっ、何だこれっ、うまっ」
レンにとっては地獄絵図。愛弟子2人のあられもない姿を見てもはや涙が止まらなかった。黄金聖水が止まった後も弟子2人はまるで足りないとばかりにレンに舌を這わせ、口を押し付けて吸い付いた。
「あは、あははは……」
流す涙すら一滴残らず舐めとられながら、レンは意識を遥か彼方へ飛ばしたのだった。