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偉大なる同志書記長の転生先はシベリア⁈  作者: BIG・MASYU
第一章 Revival of Communism編
8/23

第六戦 働かざる者食うべからず

前回のあらすじ

私たちはどう生きるか?

コペ○くん


 人生を無事に生き抜いていくためには衣食住がなによりも大切だ。それらを手に入れるためには、経済を潤滑に回すために生まれた「お金」というものが必要であることは言うまでもない。

 だから、人は労働者や資本家となってそれによって生まれた労働価値を「お金」に変換する。

 まぁ、労働者が生み出す「お金」が増えれば増えるほど当然の如く資本家の所有する財産が増えていき、次第に資本家と労働者の持つ資本の差が途方もないほどに広がっていって労働者が虐げられるように……途中で話題を変えるのはよしておこう。

 とにかく、私は衣食住を手に入れるために働かなければならない。だが、私が今のところ頼れる人間はプラウダだけであるから、無闇に現代社会にでるのは危険極まりない。もう一度、私のカリスマ性を駆使して政界に進出するという手もあるが、金も地位も人脈も皆無だから恐らく無理だろう。ならば、プラウダに職を紹介してもらうというのはどうだろうか?これが今の1番の良策だと思われるな。


「プラウダ、君はどのような職業を生業としているんだ?」

 プラウダは気まずそうな顔をしつつ、私に目を合わせないように答えてきた。

「あの〜スターリンさんにはなんて言ったらいいのかな?ま、まぁ僕は…YouTuberなんですよね」


 ーーーー?ユ、ユーチューバー?


 私は戸惑いながらも考えた。「ユーチューバー」という職業がどういうものかを。だが、頭をいくらこねくり回しても答えにたどり着かなかった。そうなればきっと、私がいない間に生まれた新手の職業だろう。


「プラウダ、それは一体どういった職業なんだ?」

「え、あぁ、それならまずはネットというものから説明しなくちゃね。」







 どうやら私がいない間に人類の技術というのは大幅に進歩したみたいだ。

 プラウダから色付きテレビとタイプライターが合体したものはパソコンというコンピュータであるという事を聞いた時は、私は少し怪訝な表情を浮かべた。

 なぜなら、1950年当時のコンピュータと言えば、部屋いっぱいの大きさの機械に数人の技師がついて作動するようなものなのに、性能は数の計算が出来る程度だったからだ。

 だから、いくら技術が進歩したとは言え、こんな小さな機械で労働を行えるとは思わなかった。だが、プラウダとパソコンの操作の練習をしていくにつれ、私は現代の人類の技術に驚かざるを得なかった。何せ、この「グーグル」というものをクリックし、自分の知りたい事を入力するだけでその情報が出てくるのだからな!

 休むことのない知識の宝物庫と言っても過言ではない。

 さらに、このグーグルという機能は小学生でも扱えるものだから、パソコン自体の機能はもっと凄いらしい。

 そういえば、1950年代にもコンピュータを研究していた機関があったな。名前はなんと言ったかな?たしか…「連邦クラブ」と言ったかな?まぁ、その疑問はさておき、ユーチューバーというのは、グーグルのサービスの「ユーチューブ」というサイトに動画を投稿して、収益を稼ぐ仕事らしい。利益の出し方は、自分が投稿した動画で企業の宣伝をすればいいだけだ。宣伝をしただけで利益を出せるということは、現代の人間にとってユーチューブが必要不可欠なものになったからなのだろう。


 私はプラウダにどのような動画を投稿しているのか聞いてみた。

「君はどういった動画を投稿しているのかね?」プラウダは、この質問にも答えにくそうだった。「あのですね、ゲ、ゲームのプレイを実況する動画を作ってまして」


 ゲームだと? チェスとかのことか?あんなものをどう実況するというんだ。例え、上手く実況ができたとしても一体どこの誰が視聴するんだ?

 だが、彼の信奉者(チャンネル登録者)は20万人を超えているみたいだが、もしかしたら私のいない間にゲームの形態も変わってしまったのだろうか?


「そうだ!」

 プラウダが食い気味に話しかけてきた。

「僕は顔を出しながらゲームを実況してるんですけど、スターリンさんもYouTubeに参加しませんか?僕のチャンネルにいきなり、かつての書記長に似た人が現れたら、馬鹿受け間違いないです!しかも、あなたのそのかしこまった喋り方はロシアのYouTube界には全くないですから、ニューウェーブになりますよ!」

 プラウダは純粋無垢な目をキラキラさせながら言った。

「プラウダ、君のその提案は嬉しいが、私はチェスをしている姿を聴衆に届ける気は無いから断らせていただく。それと、書記長に似た人とはどういうことだ?私は書記長本人だ!」

「チェスってなんの話ですか?あ、そっかゲームも知らないのか。あとで、僕のもう一個のパソコンで教えてあげます」

 プラウダは私をなだめるように語りかけた。

「それとですね、書記長に似た人って言った理由は、共産主義的な活動は賛否両論なんで、スターリンさんを『本物のスターリン書記長です』って紹介するとちょっとヤバいんです」

「それでは無理だ。私はユーチューブには参加しない」


 当たり前だ、自分を自分では無いと否定されてまでユーチューブをする意味はない。第一、共産主義的な活動のどこが悪いのだろうか?この世界で最も重要な活動と言ったとしても過言ではないだろうに。


「でも働かなければならないんじゃないですか?厳しい言い方になりますけど、僕がスターリンさんの分まで生活費を稼ぐのは今のところ無理ですよ」


 たしかにそうだ。そうなのだ。私は働かなければならない。

 ーーーーーふむ、プラウダの話を聞いた限りユーチューブは宣伝に使えそうだな、ならばそれを政治利用するのはどうだろうか?

 今はプラウダの言う通りに従うが、いずれは自分の伝えたいことを動画にしようか。共産主義的な活動が嫌われていると言っていたが、気にする必要はない。世間を資本主義という病から治療すればいいだけだ。


「よろしい、プラウダ。私もユーチューブに参加しよう」

「本当ですか?考え直してくれてありがとうございます!なら明日からスターリンさんは……」


 ーーーーーということで、話し合いの末、とりあえず明日の夜の生放送に出演することになった。すると、それまでかなりの時間ができたので、プラウダと過酷な戦場に赴くことにした。参戦要請をしたのは

「PUBG」という組織だ。


作者のぼやき

スターリンの物真似がYouTubeデビューしても、一部界隈にしかウケなさそう

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