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偉大なる同志書記長の転生先はシベリア⁈  作者: BIG・MASYU
第一章 Revival of Communism編
10/23

第八戦 若者からは称賛 大人からは批判

前回のあらすじ

生放送したらめっちゃウケたし、スターリンも楽しかった

あと、なんか変な奴が出てきた

 私とプラウダのコンビは爆発的に売れ、ロシア中で有名となった。日本では私の罵声を奇妙な音楽にのせて遊ぶ動画が生まれていた(MOD動画)。私も視聴してみたが、よく意味がわからなかった。だが、思わずくすりと笑ったのも事実だ。私は生放送だけではなくプラウダの普段の動画にまで活動の幅を広げ、人気を博していった……かに思われた

 そう、今日までは






「おはよう!ってもう昼ですよ。こんなに寝ていたら健康によくないですよ、スターリンさん」

 ベッドから起き上がってリビングに来たばかりの私に向かってプラウダはそう言った。

「ふわぁ、自分の健康状態は自分が一番理解しているから問題はない」

 私は欠伸しながらそう言い、おもむろにソファに座った。


 大体、私は疲れているんだ。人生で初めての生放送を経験してニ週間が経ったが、この二週間は全てプラウダの動画制作に費やされた。それにしても、書類の山と向き合ってきた人生とは一転して、パソコンのモニターと向き合う人生になるとは誰が予想しただろうか。しかし、これほどまでに疲れても、かつて、黒海沿岸にあった私の別荘に居ればすぐに体調が回復するだろうな。


「そういえばですね、スターリンさん」

 プラウダが突然話しかけてきた。

「実は、あなたの事を扱ったテレビが放送されるんです。たしか…もうそろそろだった気がします、で、どうですか?一緒に見ません?」


 ふむ、たしかに今のメディアが私の事をどう受け止めているかは気になることだ。 プラウダの信奉者は私を暖かく迎えてくれた……一部を除けばだがな。まあ、見てみる価値は十二分にあるだろう。

 期待はしないがな。


「よかろう」

 私はプラウダの方を見て答えた。「わかりました」とプラウダは言い、テレビのリモコンのボタンを押してチャンネルを変え始めた。

「あ、もう始まってますね」


 画面に司会者と思われる人間と、太った女、スマートな男、年配の男の三人のコメンテーターが映った。

 数分番組を見ていたが、どうやらこの番組では、一週間の内にロシアの中で起きた出来事をピックアップして議論する番組らしい。

 なるほど、それならば私の事が扱われてもおかしくはない。

 そんなことを思っていると私の顔が画面に映った。


「始まりましたね」

 プラウダが一言呟いた。


「さあ、今週1のネットニュースは、皆さんご存知の、お騒がせYouTuber、ヨシフ・スターリンと名乗る男です」

 司会者が言った。

「さて、このヨシフ・スターリンと名乗る男は、二週間前にプラウダTVといYouTubeのチャンネルの生放送に突然に現れて以来、過激なゲームプレイと言動で若者達の人気を集めているようだ。つい最近のことだからあまり情報はないが、ダリアどう思う?」

 司会者が太った女を指差した。

「ありえません」

 ダリアは開口一番そう言った。

「2000万人ですよ、60年前の本当のスターリンは2000万人も殺害したんですよ、冗談のタネにはとてもじゃないけどなりまs」

「その通りだ、ダリアさん」

 年配の男が食い気味に言ったここの連中には協調性というものがないのだろうか?

「どうしたんだい、マクシム」

 司会者が年配の男に聞いた。

「彼の行為は違法行為だと言っても過言じゃない。死者に対しての冒涜だ」

「そうですわ、大体、彼の動画は若者のノリのおかげで高評価が多いものの、善悪の判断がしっかりとつく人もいるから低評価も多いんですわ」

「へえー、そうなんだ。そうだ、ヴィルヘム、さっきから喋ってないけど君はどう思ってる?」

 司会者はスマートそうな男に聞いた。

「彼に対しては悪口しかでてこないから喋りたくなかったんだけどね、僕の考えを言うと非常に不愉快だ。彼の顔なんて二度と見たくない。彼はこの国をソビエト連邦に戻したいのかな?」

 ヴィルヘムは終始真顔で発言した。

「私はそうだと思うが、まずは彼の考えを聞いてみるべきだとも思うね」

 マクシムが言った。

「あー怖いわ」

 ダリアはそう言いながら、わざとらしく腕を震わせた。

「OKOK、なんだか会場が重い雰囲気になってきたからちょっと早すぎるけど話題を変えよう♪」

 司会者がそう言って私の事とは別の議論が始まった。


「なんだか…すいません。こんな放送とは聞いてなくて…怒ってません?」

 プラウダが申し訳なさそうに聞いてきた。

 実を言うと私はそこまで怒っていない。なぜなら、メディアは国家によって統制されていなければ息を吐くように嘘をつく、という事を私は知っているからだ。だが、ここまで貶されて何も思わなかったわけではない。

「案ずるなプラウダ、私は怒ってない」

 私は落ち着き払って言った。

「そ、そうですかぁ〜」

 プラウダの安堵の表情を浮かべた。だが、それは私の言葉によって一気に変わる。

「だがしかし、我々は奴らの言葉での宣戦布告に言葉で応戦する」

「え?」

「プラウダ、カメラと私の軍服を用意しろ」

「え?え?えぇぇ?」

作者のぼやき

小説の客観的な感想が欲しいですねぇ

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