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霧矢正樹

描き溜めつつ投稿していきます。

一話一話が短いかもしれませんが、温かい目で見守ってください。

最初なので二話同時掲載します。

更新速度は一週間に一回を目途にがんばります。



 全ての授業が終わり俺は机に突っ伏した。

 勉強は苦手ではないが、授業を受けるのは疲れる。体力的にも、精神的にも。

 俺がしばらく机に突っ伏していると数人の友人が声を掛けてきた。


「よう、正樹。帰りにゲームショップ行かないか?」

「今日が発売の新作漁りしましょう!」

「今から楽しみだな~。あそこのメーカーはユーザーの事を実に良く分かってる」


 最初に話しかけてきたのが斎藤秀儀さいとうひでよし、次は高田葉一たかだよういち、最後に須藤巧すどうたくみだ。

 俺の名前は霧矢正樹きりやまさき、3人とは趣味友達だ。


 ぶっちゃけちゃうと所謂ヲタクグループというやつだ。

 さっき話していたのは今日発売のエロゲーの事である。


「俺も楽しみにしてたし早速買いに行こうか」


 俺たちは早速ゲームを買いにゲームショップに向かった。

 道中作品の話で盛り上がった。

 今回の作品は異世界ファンタジーRPGハーレム! なんとエロゲーでRPGをやるのだ。

 レベルを上げて領地を広げ、奴隷を買ってハーレムを作るという物らしい。

 ドラ〇エやファ〇ナルファンタジーに奴隷を買ってハーレムを作るとシステムが加わったと言った方が分かりやすいだろうか。


 色々話している内にお目当てのゲームショップに着いた。


「結構並んでるな」

「そうだね~」

「興奮してきた」


 3人が口々に言う。俺もワクワクしてきた。早くプレイしたいなぁと考えていると


「げっ!?」


 いきなり秀儀が変な声を上げた。


「どうした? 自分の顔でもみたのか?」


 冗談交じりに聞くと


「ヤバイ! 何故か委員長がいる!」

「「「は?」」」


 他二人の声と重なった。委員長が? 見間違いだろうと思い視線を秀儀が見ていた方向に移す。


「っ!?」


 居た! 間違いない、委員長だ! 

 見間違う事など出来ない程の美少女。

 髪は黒く腰まで伸ばしている。目は若干吊り目だが芯の通った目つきをしている。

 身長も女の子にしては高い方だろう。

 胸も制服の上からでも分かる位大きく、それでいて腰はキュッと締まっている。

 多くの男子のアイドルがそこに居た。

 

「何で委員長がこんな所にいるんだよ」

「俺が知る訳ねぇだろ! 取りあえず見つからないようにしてさっさと買ってずらかろうぜ」

「そうだな」


 何で委員長がこんな所に居るか全く分からない。このフロアにはエロゲーしか置いていないし、何より委員長は女子でリア充筆頭みたいな子だ。

 こんなヲタク趣味があるとは思えないが、もしかしたら密かにBLゲームとかやっているのかも。

 人は誰しも知られたくない秘密がある。それが委員長にとってBLゲームなのかもしれない。


 俺は一人でそう結論付けた。

 しばらくして俺たち全員が買い物を済ませそそくさと店を後にした。


「いったい委員長は何やってたんだろうな」


 秀儀が疑問を俺たちにぶつけてきた。


「ビックリしたよ~」

「全くだ」


 葉一と巧が感想を漏らす。


「もしかしたらよ、委員長も実は腐女子なんじゃないか?」

「え~?」

「リア充代表みたいな女子が?」


 秀儀も俺と同じ考えに至ったらしい。


「でもよ、普通の女子高生がエロゲコーナーに居るか?」

「う~ん」

「た、確かに」

「表向きリア充を装って実はBLが好きとかよく聞くじゃねぇか。きっと委員長も家ではBL三昧に違いないね!」

「なるほどね~」

「俺らと同類だったのか」


 やっぱりそういう結論になるよなー何て思っていると、秀儀がとんでもない事を言い出した。


「この事をクラスの奴らが知ったらどうなるかな? 委員長のやつきっと慌てるぜ? 今まで築いてきた物が一瞬で消えるからな。これで今までの仕返しが出来る」


 目を若干ギラつかせながら興奮気味になっているようだ。

 これはマズイな。確かに委員長にはいつも目の敵にされてきた。ゲームの話題で盛り上がっているときに『そういう話は余所でやって、キモイから』等と言われたり、カードゲームをしていた時は『身体ばかり大きくなってまるで逆コナ〇ね』と言った後カードを全部没収されそのまま生活指導の先生に渡す等をやってきた。


 だからといって委員長の秘密をクラスにバラすのは違うんじゃないか? 俺達と違って必死にひた隠しにしている事だ。誰にも知られたくないはず。

 もしそれが第三者の手によって暴かれ、クラスに広められたら……。

 俺なら自殺するな。


 仕方ない、ここは委員長を助けよう。


「そうと決めつけるのは早いんじゃないか?」

「どうしてそう思う? 状況的に見てもヲタクに違いないだろ?」


 まだ興奮しているのか秀儀は俺を睨む


「まず、今日のゲームの話を何時から教室でしていた?」

「大体三か月前くらいだな。それで?」

「そして今日、秀儀が『帰りにゲームショップ行かないか?』と言い、その後に葉一が『今日が発売の新作』と言っている。この会話を聞いていたとしたら?」

「おい、まさか委員長のやつ……」

「うん、見回りに来たんじゃないかな? この辺じゃゲームショップはあそこだけだから」

「マジかよ! あぶねぇー、見つからなくてよかったー!」

「見つかってたら何言われるか怖いね~」

「九死に一生という訳だな」


 三人とも納得したらしい。

 自分で言ってて思ったけど本当に見回りに来てただけかも。


「と、取りあえずさっさと帰ろうぜ? カワイイ奴隷ちゃんが待ってるしな」

「そうだね~、奴隷に色々させたいし」

「そうだった、早く帰ってご主人様プレイしなくては」


 ゲームの事を知らない人が聞いたら誤解されそうな会話だな。


「ならさっさと帰ろう。俺も早くプレイしたいし」

「じゃあ帰るか。俺達はこっちだからまた学校でな」

「じゃあね正樹」

「じゃあな。あまり張り切りすぎるなよ?」

「ああ、またな」


 と言って俺は三人とは違う方向に向かい歩き出した。

 十分ほど歩いた所で家に着いた。部屋に入り早速ゲームを起動させ、インストールしている間に軽くシャワーを浴びる。

 パソコンの前に戻ると丁度インストールが終わったらしい。今日が金曜なので土日はゲーム三昧だ。


「よし、始めるか」


 と、独り言ちてゲーム画面のスタートをクリックした。



 結果からいうとクソゲーだった――――

この度は読んでいただき有難うございます。

感想やメッセージ等貰えると嬉しいです。

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