5話 大変な1日
・・・・・・・・・今・・・・・何ていった?自分・・・・・?
あたし・・・菊来紅葉。今日の学校での出来事をふと思い出す。私はその時赤くなって何にも考えられなくなって・・・。
午前だけ授業だったので私の3年生になって始めての学校生活の1日が終わった・・・。
そして今・・・ベットで横になっている。夜でもないのに。
帰ってきてベットにダイブした。もやもやした気持ちを抑えたくて。
顔が....熱い。
はっきり言ってあたしは大げさだと思う。
心の片隅でちょっと思った事を今、こんなに動揺してるなんて....
李玖ちゃん、今日のあたしの事変に思ったよね・・・?
菊来はがばっとベットから起き上がると自分の頬を強く叩いた。
「うん....スッキリした!大丈夫!」菊来は無理にそう自分を励ました。頬がじりじりと赤くなっていた。そして立ち上がる。
「李玖ちゃんに会いに行こう!」
*
水野李玖は学校の帰り道をとぼとぼ歩く。もうすぐ家だ。
・・・・・それにしても....大変な一日だった・・・・。
一ノ宮に告白されるわ、菊来さんが俺に抱きついててくるやら・・・・疲れた。
家に着いた。後はこの扉を開けて入るだけ・・・・。
李玖は玄関のドアノブをゆっくりとした動作で持った。するとその瞬間、ドアが勝手に勢いよく開いた。李玖は思っても見なかった事に一瞬驚いたが、すぐにドアが自分の顔にぶつかり尻餅をついてこけた。おでこが痛い。
「・・・・・・・なんだ?」
俺はおでこをさすりながらドアを見上げた。
・・・・・・・・・ぅわ。
ドアの向こうには一ノ宮和が立っていたのだった。
「大丈夫?」と、言い俺に手を差し伸べてくる。俺はその手を振り払い、「お前!なんでいるんだここに!ここは俺んちだぞ!」と指指す。
「あー女の子は俺って言っちゃ駄目だよ・・・せっかくの美貌が台無しさ」一ノ宮はギザったらしく、前髪をうっとおしそうにかきあげる。
「スルーすんなよっ!つーかなんでココにいる!」
俺が軽くヒステリーをおこしていると(全部コイツのせい)、母さんが一ノ宮の後ろからひょこっと出てきた。
「あら?知り合いだって言ってから・・・入れたんだけど・・・・」
「知り合いじゃない!全然知らねえ!こんな人!」俺は頭をブンブン横に振り、激しく否定した。
「知り合いじゃないかー。あんなこと、こんなことした仲なのにさ」
「あら・・・・そうゆう関係だったのね....李玖ったらこんなカッコイイ彼氏つくって・・・お母さん嬉しいわ」右手を頬に当てて感動する母さん。
「違うっ!あんなこと、こんなことってなんだ!知ら・・・・・」
「さ・部屋に行こうか。り・く」語尾にハートマークがつくようなとろんとした甘い声。こんだけ美形がいうときまる・・・・じゃなくて!
「勝手に呼び捨てすんなー!ってか離せこの手!」俺の腕をつかまれた一ノ宮の手を振り払おうとした。
だが、
強くて振り払えない。男の力って強い。前まで男だったくせに自分の力がいまいましほど弱い。
「さー後ま任せてお母様。李玖は照れてるだけですから」
「分かったわ!後は任せるわね一ノ宮クン!」
「はい!」と、手を取り合う。
「何気に仲良くなってるんじゃねえー!それより離せ一ノ宮っ!」
俺の抵抗はむなしく、ずるずると部屋まで引っ張られていった。
俺の部屋のドアノブに手をかけ、開ける。そして俺を強引に部屋に入れる。
「ぉいっ!何考えてるんだ!」
「ふふふ・・・やっと二人っきりになれたね...」
目を細めて笑う一ノ宮。男のくせにまつ毛が長い。しかも髪はなんかしてるのかサラサラ。・・・・・じゃなくてっ!
逃げなければっ!
俺は床を匍匐前進し、ドアを目指した。
ズリズリと床を這う。そして目の前のドアノブに手をかけようとしたその瞬間・・・・
一ノ宮の2本足が目の前に現れる。
「どこへ行く気だい?李玖?・・・逃がさないよ」にこりと笑う一ノ宮。その笑顔は恐ろしくねえるのは俺だけだろうか.....?
「さーさっ!てっとりばやくやっちゃいましょっ!」
「何をっ!」
「秘密」それだけ呟くと床に伏せていた俺にのしかかる。
「なっ・・・」
「可愛い」一ノ宮は、そのまま顔を近くに持っていく。近い。
「止めろー!離せー!何する気だオイ!」
「んーとねー。キス?」
「うげ!止めろそれだけは絶対に!」
「じゃ・付き合ってよ」
「ふざけるな!」
「ふざけてない」どことなく真剣な一ノ宮。俺は必死で抵抗。でも逃げられない。
その時。
ガチャリ....部屋のドアが開いた。
そして誰?と、思ってドアを見ると・・・・・・・・
「・・・・・・り・・・くちゃん?」菊来さんだ。目を見開いて驚いている。その声にいつもの明るい声ではなくおどおどとした口調だった。
一話と3話を超修正しました。気になる方は申し訳ありませんが、もう一度読んで下さいwにこさん>アドバイス有り難うございましたw&ネット小説の人気投票に参加しています!投票していただけると励みになります。(月1回)