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Strike!  作者: 蜂蜜@
19/21

18話 罠に掛かった兎

 遅い・・・。

 俺・・・一ノ宮和は妙にいらいらする気持ちを抑えながら席を立った。

 もう映画が終わったというのに・・・遅すぎる・・・。

「遅いね・・・李玖達」

 菊来も同じように席を立つ。

「・・・・そうだね」

 何かがおかしい・・・。

 光は相当の恐がりだ。それは分かる。

 だが本来の光だったら・・・絶対に見ないでおくと思う。

 ・・・・もしかして。

「・・・・菊来」

「ん?」

「どうして俺らがこのデパートにいるって分かった?」

「えーと・・・それはー・・・・」

「嘘は付かないでね」

「天宮さんが・・・言ってたから・・・」

「・・・!それ本当?」


 ってことは・・・・


「菊来」

「え?さっきからどしたの〜?」

「全部罠だよ。光のね」そして俺は小さく微笑んで見せた。


                                       *

 眠たい。かなり。


 俺が激しい眠気を戦いながら目をうっすらと開けた。


 ・・・・どうやら自分は眠っていた様だ。

真っ白な天井に向かって軽く伸びた。それと同時に瞼がまた落ちてきそうになる。


 それにしても。

「ここはドコなんだ・・・一体・・・」


 俺はゆっくりと蘇える記憶をフルスピードで思い出そうとする。

「確か・・・・天宮さんとベンチに座って・・・それで・・・」

 天宮さんから渡されたジュース飲んで・・・・・。


 ・・・・・・・。


 思い出した。あの時、睡眠薬入り・・・・・のジュースを飲んで倒れたんだ多分・・・いや絶対。

 俺は重い腰を持ち上げあたりを見回す。


・・・・・・・白い。周りじゅう全部白ずくしだ。

 白いベットに白いカーテン。白い床に白い壁。家具はタンスと本棚と机位・・・だな。

俺は自分の服装が変わっている事に気がつく。

「・・・・・これは....」

 白いモコモコ?いや、ドレスか?・・・・何で俺がこんな服を・・・って今は女だ。

ベットから降りるとドレスの淵がぶわっと広がる。うわー・・・妙にスカスカしてて気持ち悪い。

 その時カチャリと扉が開いた。

「あ、天宮さん・・・」

 そこには紺色の着物姿の天宮さん。にっこりと微笑んで俺を見ている。

「やっぱり似合うわねー。どう?ウエディングドレスは?」

「・・・・・は?」

「そのドレスの名前・・・知らないの?李玖ちゃん・・・」

「え・ハイ。この服って天宮さんの趣味じゃ・・・」

「えー違うわよぉ。その格好ウエディングドレスで分かんない?」

「もしかして・・・・」

「あは☆結婚しましょ?って事よー♪私はね・・・和みたいな慎重派でもないし、紅葉ちゃんみたいな鈍い子じゃないのよ〜☆欲しいモノはすぐ手に入れるのがモットーよw」

「は・・・・?」

 じり・・・・と近付いてくる天宮さん。俺は後ざすりをするが背中には壁。

どうしよう・・・・。

 俺が色々考えているとポチ、と指先にボタンの様なモノに触れた。すると壁がぐりんと勢いよく回り俺はそのまま一緒に回る。

 天地が・・・・ひっくり返る。

「うわぁぁぁあああ!!」

「李玖ちゃ・・・ま、いっか☆」


 プツン


 俺の記憶をそこでまた途切れる。それにしてもま・いっか・・・って(涙

                 

                 *



 天宮光あまみやひかる・・・つまり私はそのまま立ちすくんだまま腕を組む。

「良い考え思いついちゃったかも・・・」

 私はそういい残し部屋の壁に付いているレバーをぐっと引く。するとバカッと壁の一部が開きボタンがずらりと出てきた。

「後はこれを・・・」私は慣れた手付きでボタンをパチパチ押す。その内、ビーという音がした。

「これで完了っと・・・」

 そのまま向きを変えて私は部屋を出た。私の計算が正しければまた李玖ちゃんは気絶してるわね・・・脳震盪起こしてなきゃいいんだけど。

 30分後和達が来るわね・・・そしたらゲームの始まりよ。

 うまくコマを動かせたら・・・・どうなるかしら?

自分で思っていた通りに動く・・・・自分にはとても面白い事だと感じてしまい思わず頬が緩んだ。


もうヤル気が無くなって全部消そうかと思ってしまいましたw(笑

だけど頑張って仕上げたいと思います。頑張ります!

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