16話 お買い物日和!<4>
俺は天宮さんの少し前の言葉をふと思い出す。
『私の事皆分かりきってない事たくさんあるわよ〜』と。
天宮さんは俺の目の前に顔を近づけ、にやりと笑った。
「気をつけてね〜。あんまり可愛いと襲っちゃうかもしれないわ」
「・・・・っ//////」
俺はからかわられているのか本気なのか分からない天宮さんの思わぬ発言に顔がボッと火がついた様に赤くなる。
*
あたし、菊来紅葉。
この前はあたしばかり出てて主人公っぽくない?とかなんとか思ってたけど最近超出番が少ないと思う!とくに9話〜12話!全然出番無いじゃない!
あ・それはさておき、今の状況を説明しまーす。
今、何故か天宮さんと李玖が良いムード。二人は何か顔を近づけて話している。
・・・・・・・・・・ムカ。
何だか知らないけどさっきからムカムカする・・・・。どうしたんだろ、あたし。
トイレ行ってこようかな〜とか思ってたら、李玖が顔を真っ赤にしてた!
ずんずん李玖と天宮さんの間に割り込み、すばやく話題を変える。
「ね、ポップコーンでも買わない?」
すると李玖がホッとした顔で賛成。「ん、賛成」
でも天宮さんは不機嫌そう。ジロッとあたしを見てる。思わず睨み返してやったら天宮さんも睨み返してきた。
漫画とかだったら絶対あたしの目と天宮さん目に電気みたいのが伝ってて、背景にはバチバチバチとか出てるな。きっと。
先に天宮さんから視線を離した。一瞬の出来事だったけど何分も経ってた様な気がした。
そんな場を落ち着かせるかの様に李玖が口を開いた。「俺が皆の分買ってくるよ何がいい?」
あたしは李玖に気遣いされたのがなんだか恥ずかしくて、首をぶんぶん横に激しく振った。
「ぃいよいいよ!あたしが買ってくる!買いたいモノばんばん言って!!」と、財布をごそごそバックから取り出す。
「あ、あぁ・・・。どしたの?急に無理しなくても」
「なんでもない!」
「・・・・・・そう」
「じゃあ私はキャラメルポップコーンとコカ・コーラで」
「俺も。一ノ宮も多分同じのにしといて」
「わ、分かった・・・」
あたしはレジに向かって軽く走りだした。レジに着いた途端レジのお姉さんがニッコリ。
「いらっしゃいませ。ご注文は何に致しますか?」
え、えーっと多分李玖達はキャラメルポップコーンとコカ・コーラだったよね。
「キャラメルポップコーン(S)とコカ・コーラ(S)それぞれ3つずつ。えと、それとキャラメルポップコーン(L)と祖味のポップコーン(L)、コカ・コーラ(L)、ドーナッツにフェイク一番大きいの下さい。それぞれ1つずつで」
レジのお姉さんはレジのボタンをピッピッと押しながら喋る。
「キャラメルポップコーン(S)とコカ・コーラ(S)それぞれ3つずつ。えと、それとキャラメルポップコーン(L)と祖味のポップコーン(L)、コカ・コーラ(L)、ドーナッツにフェイク(L)ですね。それぞれ1つずつで」
「はい」
「シェイクは何味でしょうか?」
「えと、いちご味で」
「分かりました。少々お待ち下さい」
ピッ、とボタンを押してレジの後の方へと向かうお姉さん。そしてカゴにジュースやらポップコーンやらを詰めてまた帰ってきた。
そしてお金をお姉さんに出し、食べ物を貰って李玖達の元へ。それと同時に一ノ宮が券を貰って帰ってきた。
「もうすぐ始まるね。もう行く?」一ノ宮さんが腕時計をちらりと見て皆に微笑み、あたし達は頷く。
そしてあたし達は歩き出した。一ノ宮さんはなんだか嬉しそう。そして天宮さんは真っ青。李玖はいつもと変わらないかも。
あたしは歩きながらいろいろ考えていた。
数日前の事、とかね。
一ノ宮さんがマックで奢ってくれた時の事。
『李玖の事好きだよね?菊来って』
何気無い一言だったけどあたしはその一言で結構悩んでいた。
好き・・・・・・・・・?
李玖の事・・・・・・・・・・・?
そう考えると頬が熱くなる。実のことを言うと、李玖に初めて出会った時もこうだった。
新学期の時の李玖の後姿を見て......ビッと電流が走った感じがした。
どくん
同時に頬が何だか熱くなる。
仲良くなりたくて。話しかけた。
『あ・水野さんって2組だよね〜アタシもなんだ!一緒に行かない?』と。
更新が遅くなりました;天宮さんの言う通りですねw(苦笑
それとなかなか話が進みません・・・・××もう<4>までいっちゃいました; 買い物日和!編、長過ぎだー......;;;&ネット小説の人気投票に参加しています。投票していただけると励みになります。(月1回)