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追放後の悪役?

自然に囲まれた山のなか~♪

普通な少女が一人~♪一人♪


ここにー人はいないー♪人なんていないー♪

孤独ー♪孤独なのさ~♪


少女は明日も一人~♪何時までも一人ー♪

山の中~♪

ルールル♪…………ルー………。


よ、ヨー○♪ヨー○♪ヨ○ッヒ♪ヨ○ヒッ♪

ヨ○ヒッヒヒ♪HEY!HEYHEY!……へい……


………へい…


…へい……うん……


はぁ作詞の才能がないと辛いですねー。

最後らへんのはパク、アウトに近いですし。これでも二時間考えた第1395個目の自作の唄なのにね。この低クオリティー。


いえでも最初の頃の一日考えて山だ~山だ~山だ~山だ~以下同文と比べたら、進化と言って良いぐらい成長しましたけどね。

某電子モンスターアニメの進化なら卵から幼年期にまで進化してます。うんまあ、幼年期だとまだ戦えませんか。その内に究極体の歌を……特に作りたくはありませんね。


最近歌を作るのにも飽きてきました。

それに少しだけ人が恋しい。


目から涙が出ちゃうだって女の子、ではなくこの人里から離れた山に住んでもう二年ですもん。


ネタが古いですか?


と言うか、出だしから意味が解らないですね。



此処はパンナコッタ国ビピルク村近くの小高い山。

この山でただ一人で暮らす16才の平凡な女の子が私。

名はシャノン。


自然に囲まれた山の中で一人で住んでいて平凡な少女、平凡は"ちょっと"だけ嘘ですね。前世がありすし、サバイバーな女子ですし。


前世については……まぁこれは大した事じゃないですね。探せば職業夢を追いかける夢想家(自宅警備員)並にいるでしょうきっと。前世が男とかもどうでもいいですね。


それよりサバイバー、某ゴールドレジェンド番組の、一ヶ月無人島生活より凄い所で生活していると言えば凄さが解るでしょう。


他の言い方だとリアルなターザ○?


ゴリラに育てられたりはしてませんけどね。それに服は文明的なモノです。露出サービスなんて有りませんよ。R表記なんて要りません。家もお城または要塞みたいな感じ。タ○ザン要素とか無いですか。


家と言えば、他の私がほんの少し平凡じゃないと言えるのに自家製の家があります。自信をもって其処らの大工さんが建てた家よりも良い家と言います。


前世、今世合わせても犬小屋すら造った事の無いど建築の素人です。前世の図工の成績は2です。10段階評価で。

何故か粘土で作った猫がキマイラと呼ばれた私ですし、普通に建築なんてしたら良くても斜塔な家が出来るでしょうね。


しかし私の建てた家は!

山の上に城のように聳え立つ無駄に大きい家は!


頑丈さはサイコロプス100人乗っても大丈夫!

中身の機能は魔王のダンジョン!

外観はアニメ絵を書いた痛車ならぬ痛家、絵はとんでもなく豪華!別世界には著作権など有りませんので遊園地のネズミでも描き放題です!家を見るとモザイクで見えるのは気のせいでしょう!


こんな素晴らしい(実際に住むのは遠慮したい感がある)家を建てられるのは私しかいませんよ。なんです。他の人の建てない理由は利便性とか羞恥心とか道徳的な理由ではありませんよ。

 

技術ですよ。技術的な問題。

細い腕をポンポンと叩きます。


建築の技術というか魔法的な面の技術の問題です、この家は魔法を使い建築したんですよね。


魔法を使えば精密機械や大型機械を使って建築するぐらいの違いです。もっと分かりやすく言えば、料理を石の道具だけで作るのとレトルト製品をレンジでチンするくらいの技術差です。


魔法という道具が無ければマイホーム級の建物建築は不可能です。魔法すごいですよね。マジカル建築パワーで作られた家です。


だったら魔法を使えば他の人にも建てれる? 


無理です。少なくともここら辺だと魔法は貴族しか使えませんから。貴族が建築なんてするわけがないです。


あ、何で山でサバイバル(?)な生活をしてる様な私が、貴族ぐらいにしか使えない魔法を使えるかと言うと、


実は…私はですね。元貴族の御令嬢です。 

どうですか前世があるよりは衝撃的な事実でしょう。



二年前までは隣国のベイグルパン国で、国王に次ぐ権力の有るカルピィス公爵家の貴族令嬢だったんですよ。日本で言えば東京都知事のお嬢さんより偉い立場です。

なんでそんな偉い公爵令嬢だった私が何で少し野生化して山暮らしをしてるかと言うとですね。


私が二年前に公爵一族から除名、追放されたからです。追放なので今の私には名字が有りません。


追放された理由は自分が何かしたとかではありませんよ。

実は前科何犯の極悪人、とかではないです。ないですよ?本当にないです。何も悪いことなんてしてません。ええ、私は無実を主張します。


なにもしてないのに追放の原因、私が10才の頃に婚約した第二王子なクズもとい婚約者殿のお陰さまでした。


婚約は自分の意思とかないです。知らないうちに家同士が勝手に決めたことだったんです。完全な政略結婚です。だいたい好きなの女の子ですし(え)


私が初めて婚約者と会ったのは今から二、三年前、ちょうど婚約から三年経ってからでした。

初めて出会ったのは私が13の頃。貴族が入る学院の玄関でバッタリです。ロマンの欠片もありませんね。

無くていいですが。むしろ一目でも会いたくなかったですね。



しかし……学院で初めてお会いした婚約者。


お会いした時に…………心が熱くなりました。


心が……苦しくなりました。


あんな気持ちは今世では初めてでした。


ブロンドに輝く綺麗な髪、ふてぶてしくも甘いマスク、某赤い彗○の声優みたいな声、高い身長。


婚約者さんは年若いのにこれまで見た誰よりも………イケメン。

ええ私は一目婚約者の事を見て無関心から……



…ええ、そうです。




台所に良く出る黒い害虫レベルで大嫌いになりましたね!!


見ただけで鳥肌がたちましたね!

思い出しただけでも鳥肌が。


前世のテレビで出てきた人気No.1ホストを見たときと同じ気分でした。何だよこのキモいイケメン様は( ゜д゜)、;'.・と内心で唾を吐く思い。


私の前世は経験どころか女性との対話経験が母親だけって言えるモテない男ですよ? そんなのが色気漂うアイドル級のキモいイケメン様に出会えばどうなります。ええ、当然思いますね。


モテそうな顔面を潰したいと。

魂から受けつない。

イケメンは人類の敵。

股間に五寸釘打ちたい。


まぁ見ただけの感想では、こんなに柔らかなモノでした。


しかし、ええ初対面で吐かれた次の『お前が私の婚約者か。……ふん、 タイプではないな。少しは楽しみにしてたんだがこんなのが婚約者とはガッカリだな』という台詞までは。

その他にも女避けには使えるとか、お前とは政略結婚だ。お前の事は好きじゃないとか、俺に近付くなとか他とにも色々言われましたね。 言われたのを纏めると俺はお前が嫌い。だけど俺に惚れてるお前を女避けの盾としては使ってやる有り難く思えです。

これが初対面の婚約者さんに言われた言葉です。



この時心の中では。


はぁあああ!?誰がぁ好きっつた!!!此方も好きじゃねぇよクソ自惚れイケメンが!!初対面だろ!!一目惚れでもしたと思ってんのか!!女はイケメン様な俺様に夢中w女なんて食い放題ww

とか思ってんのか!!その股間の愚息をモギとってやんぞ!!!それか顔面を擦り下ろしてやろうぁ!、アアン?


こんな感じ。


ええですが、あの時の私は淑女でしたからね。

顔面整形と去勢は実行に移さずもげろと心の中で連呼するだけで済ませました。思い出すと、いっそ あの時に、もいどけばよかったですね。何を?元男に言わせないでほしいです。


それで婚約者様は出会って数分で印象が大嫌いから怨殺対象にランクUPでした。王子の姿が踏み潰されて白い液体が出た黒い害虫に見えるようになりました。害虫との初対面からの学院生活、私はゴミむs、婚約者さんを避け続けました。嫌でしたし何より婚約破棄されると期待して。


避けて生活した学院生活三ヶ月。

婚約破棄はなかったですが関わることもなく学院生活は其れなりに平和でした。ボッチでしたが。


なのに女避けと政略結婚だと言った筈のあの王族の婚約者さんが、学院生活三ヶ月で人目の多い学院でとある男爵令嬢と浮気したそう。それも疑惑でなく確定扱いですよ。

学院ですから家政婦が見た並の事が無くても目撃者は出ますが、私に婚約者の浮気を教えに来る人が100名近く。教師まで居ましたよ。100人、400人ぐらいの学院ですよ?学院生の四分の一近くから浮気報告される次期国王様。


堂々とし過ぎでしょう?


まぁ私は建前的に浮気止めろやと書いた手紙だけは出しました。このまま婚約破棄とか有り難いので適当に、ただ此方に面倒も来るのでそれとなく浮気報告が何度もあるせめて隠れてしてくださいと書いて、なのに堂々とした浮気止めないアホ。



浮気報告から九ヶ月後、学院生活一年。

浮気報告に来る人が居なくなりもう完全に忘れてました。婚約者さまごと。


なのに?


婚約者さまが私が浮気相手さんに嫌がらせしてた事にして責められました。それも態々目立つ二年生の進級式にいきなり壇上に呼び出されてです。全校生徒の前で見に覚えの全く無い嫌がらせを追及されました。


被害者はこの時初めて顔を見た浮気相手さん。

髪の毛ふんわりピンク、名はルルベルさん。


容疑者はいえ犯人役は私。


追及者は浮気してた癖に軽蔑した様なゴキブ、婚約者様。それと何故か関係無い学友さん、全員イケメンで有名貴族子息五人。私の中では去勢したいリストトップクラスの人達。

なぜかこの六人に苛めを追及されました。当事者の婚約者殿とルルベルさんはともかく他の四人、なんでいたか不明。


あの時は混乱しました。宇宙人の言葉を聞いてる感覚で。


えーボッチだったのに突然衆目に立たされ、覚えの無い私の嫌がらせの数々をですね学院生が全員が集まってる所で延々と虐めについて責められたんですよ。


因みに苛めの証拠?有ったのは浮気相手さんの証言のみ。

婚約者さんを信じる理由?第二王子+無関係な学友曰く浮気相手さん、ルルベルさんは心の綺麗な天使だから嘘をつかない。なんか周りの反応がシラーとした感じになりましたね。


私が否定しなかった?しましたよ。けど私の釈明は信用0だそうです。信用0な理由、私が権力を振り回す傲慢で金遣いが荒い性悪令嬢だからだそうです。


なんですそれ?


当時の私は毎月銀貨三枚(三千円)までしかお金は使いませんでした。 貰ってた額はもっとありますが、そもそも使う場面も殆ど無かったのですよ。友達居ませんでしたし。権力を振り回す?……なんですか私の座った場所の半径二メートルぐらい誰も居なくなるのが権力ですか?


それにしても進級式みたいな公の場で私一人を責めてる人達の方が性悪と責められるとは。それと権力を使って集会を利用して嫌がらせの追及なんてしてる人に権力を振り回すとか言われた。


思い出しても酷いですよね。何の証拠もなく一人の一方的な本人の証言と心証だけで、全校生徒の前で多対1で責められたんですよ。


理解できません。なにより理解できないのが!!私が婚約者(ゴミ)さんを奪われたからって嫉妬してると思われた事です。アレには殺意の波動が沸きましたね。


もし微粒子ぐらいの確率で浮気に怒ったなら、責めるのはルルベルさんでなく婚約者さまにしますよ。攻めて婚約者さまの顔面か股間を再起不能にしますよ(断言)



それから第二王子との婚約解消は勿論、トントン拍子に学院追放+公爵家追放+国外追放の追放三連コンボです。


実家の公爵家、兄弟や親を含めて、王族と関係の悪くなったからか私と迷いなく縁を切ったんですよね。追放にも反対しませんでした。というよりさっさと追い出そうとしました。婚約者はともかく家族には愛情があると信じてたので軽い人間不審に成りました。


こんな理不尽が元貴族令嬢が此処にいる原因。



ホントに私は嫌がらせなんてしてません。


婚約者さまルルベルさんが貰ってくれるのに嫌がらせをする理由が全く有りません。もし婚約解消を頼まれたら満面の笑みで即効で認めますよ。 パーティ開きますよね。


そもそも本当に苛めとかあったんでしょうか?今でも時々思うんですけど、もしかしてあの日起きたのはド腐れの全部自作自演?


浮気してた王子が婚約解消するのに苛めを捏造して私に婚約解消の責任を全ておっかぶせた?そうじゃなければ苛めの犯人を間違った間抜け?


どっちにしろ次期国王候補があんなので国は大丈夫でしょうか。

確かあれでも第二王子は次期国王の最有力候補だった様な。第一王子とか他は何れだけ酷いのか。


今ごろどうなってるでしょうね?


まぁ追放された私にはどうなろうと関係無いです。


元々色々堅苦しかった貴族生活に執着は無かったですし。

それに生活にしても一人でのびのび生きていけるぐらいの力ができてましたので大して苦労もなかったですし。断言しますが貴族令嬢としての生活よりは今の生活の方が好きです。


客観的見たら負け惜しみでしょうか?


まぁ二年前の事です。今更気にすることじゃないですね。と言うかなんで思い出したのか。


「それじゃあいってきますね」 


「グオオ」


今日も玄関先に居るペットのミーちゃんにお出掛けの挨拶をしてから、食料確保に熊さん狩りに出掛けます。家には大喰らいがいますので毎日の日課です。


護身用の武器を背中に背負います。

淑女の護身用の拙い斧です。


二メートル程の。







今日はいい天気。


気分も良いですし…童心に返ってスキップ移動でもしましょうか。

スキップで移動なんて若い内にしか出来ないですしやるなら今のうちです。今でもキツいとかは気にしないです。


狩の前に面白い情報がないか聞きに数ヵ月振りに人里に向かってます。1分足らずのスキップで山を降りてビピルク村に入りました。


カンカンカンカンカン!!!


「お、オーガ様が御光臨されたぞぉおお!!!」


村でオーガが見付かったと警鐘が鳴らされてます。

オーガ魔物としては高位な魔物なそうです。


村人さん達は家のなかに避難してます。

私は逃げないのか?逃げません。


いやだってオーガ居ませんもんね。


実は村に近付く度にオーガが見付かったと警鐘が鳴らされたのを聞くんですけどね、不思議な事に一度もオーガに有った事がありません。


なんなんでしょうね。何時も思うんですけどオーガは何処に?

それに何故オーガに様付け?此処の村人さんは親切に何でも教えてくれるのに此れだけは答えてくれませんし。


む、 


こんな村に騎士?


オーガ退治に派遣されたのかなと思えば違いますね。あの人達が着てるの……私が居たベーグルパン国の騎士鎧ですよね。何で隣国の村に?普通居るわけないですね。


コスプレ?


まぁもし本物でももう私には関係無いですし、騎士さんの横をただの通行人Aの様にさりげなくスキップで通り過ぎましょうか。


さりげなく、さりげなく


「ぶぁ!?土煙!なにかとんでもない速度で通り過ぎた!?」 


「あれは!!そ!そこのお嬢さんお待ちください!」


「どうした……アレは!」


「あの髪の色はそうだ!」


「くっ追い掛けるぞ!…お待ちください! お、お待ちくださぃい!!!まてえええええ!!な、なんで相手に全く追い付かない!!!」


「おかしいだろ!何でスキップで俺達が走るのより早いんだ!」


騎士擬きさん追ってきてる?けどおっそい。本物の騎士じゃないですね。幾らなんでも女の子のスキップに追い付かない騎士さんなんて居る筈有りませんし


「というか何だよあの背負ってる巨人の斧は!?俺達よりデカイぞ!何であんな鉄の塊を背負ってスキップが出来るんだ!」


何を言ってるんでしょうね。此れぐらい普通なのに。  


「は!アンソンが先にいます!」


「よし!アンソン!止めるんだ!」


「え、は、はい!お待ちくださ[ドグォン!!]グギアアア!!」


あ、いきなり目の前に通せんぼする人が出てきてぶつかってしまいました。


ドガァン!


「「「アンソォンンン!!」」」


通せんぼしたアンソォンンンさんって人が家に突き刺さった。


「な、なんて事だ」


「アンソオオン!!無事かぁ!!」


「ひでぇぇよ」


えっ?私が悪いんですか?

いきなり目の前に出てきたのはアンソォンンンさんって人ですよ?


なのに全員私を責める目?


こ、これは当たり屋。 


悪いのあちらですよね。なのに私が悪いという事にして因縁をつけるきですか!車もない世界なのに当たり屋が居るとは思いませんでした。それかナンパ?俺達騎士なんだぜ姉ちゃんお茶しないとか?どれでも関わりたくない人達ですね。


撒きますか。


少し早めに走ります。


ドン!!!


「なんだ今の音に衝撃は!?」


「!?お嬢様は!?」


「「消えたぁ!??」」




ズンズンズン


逃げた後に普通に狩に行きまして獲物を背負い帰宅してます。


ふふふ♪今日は当たり屋さんに因縁付けられ掛けて嫌な日だと思ったんですけど、なんと熊さんの代わりに美味しい赤い鱗のあるトカゲさんが刈れました。美味しいですし大きい。ミーちゃん喜んでくれるでしょう。 


「グオオォオオオオオオ!!!!!」


ミーちゃんの声?


吠えるとか珍しい。それに随分と楽しそうな声ですね。アレは遊んでる時の声です。


ん?家の前でミーちゃんが誰かがいます。此処に人が来るとか初めてですね。誰だと思えば、兵士姿の人達、あれ、当たり屋さん達?因縁を付けに…………いえ楽しそうに遊んでますね?


「足を狙え!はっ!?気を付けろ!!」


「グオオオオオオ!!!」


「ぐああ!!」


人の家の犬と勝手に遊ぶのはやめてほしいです。 野良犬と思われてる?首輪はしてますのに


「アンソォンンン!!」


あーアンソォンンンさんって人がミーちゃんの口の中に入ってます。


「チクショウ!!何でフェンリルがこんな所に!!」


「まさか!お嬢様を襲うのにアレが寄越したのか!」  


「なに!??」


「そうでもないとあんな化物が居る理由は説明がつかんだろう!!」


「そ、それはそうか!それより!どうします隊長!俺達だけじゃ絶対に勝てないですよ!」


「副隊長お前はどう判断する」


「撤退を進言します。此のままだと無駄死にです」


「其れはそうだが……此処で逃げる訳にいかんだろ!!

国のためには絶対に連れ帰らなければいけないんだ!お嬢様の無事が確認出来るまでは逃げる訳にはいかない!!」


「それは…………そうですが!しかし!しかし」


「…スマナイ。全員命を俺にくれ!」


「く、酷い隊長だ。」


「いいですよ。騎士の意地を犬コロに見せてやりましょう!」


「それに騎士として仲間を見捨てる訳にはいきませんしね!」


「お前ら……行くぞ!」


「「「おおおおお!!」」」


話が長い。熱演しすぎでしょう


ミーちゃん、大きいだけの犬なんですけどね。なんですかフェンリルって。ミーちゃんは雑種ですよ。アンソォオンさんを喰わえたミーちゃんが尻尾をブンブンさせて楽しそうですね。


「グゥオオオ!!」


「ぐあああ!!?」


ミーちゃんノリノリで吠える。

ミーちゃんとても楽しそうですね。

もっと遊んでくれるのって尻尾をブンブン振ってますね。

口に入ってるアンソォォンさんごとブンブンと。


「ま、まだまだ!!全員!気張れ!」


「「「オオオオオ!!行くぞぉ!」」」


それにしてもスゴい迫真のゴッコ遊びですね。


ミーちゃん、大きさは5メートルはありますけど、私のパンチ一発で気絶するぐらいひ弱な子ですよ。本気なら大人の騎士擬きさんが勝てるでしょう。其処まで弱いとか無いですよね。

見た目だけなら本物の騎士さんが巨大な敵に立ち向かってる様に見えてカッコいいんですけどね。


それより人の家の犬で何をしてるのか。


「グオオオオオオ!!!」


ミーちゃんが楽しそうですしまぁいいですか

吹き飛ばされたり踏まれたり、踏まれたり踏まれたり。味m、舐められたり。


ミーちゃん弱くてもあの巨体ですからね。 遊ぶのは大変でしょう。なのにあの人達はボロボロになりながらあんなに一生懸命ミーちゃんと遊んでくれてます。お茶ぐらい用意しますか。


「みんな、さよな……」  


「「アンソォンンン!!」」


あっアンソォンンンさんがミーちゃんの口の中に完全に入り込んだ。


ゴッコ遊びでよく口の中に入れますね。


お仲間がアンソォンンンさんの仇を討ってやるとか盛り上がってます。アンソォンンンさんミーちゃんの膨らんだ頬袋に入ってるの見えますけど。


その間にお湯を沸かして、小さな袋に茶葉を用意。茶葉を入れた袋をお湯を入れて蓋をする、お茶は完了。


まだ終わりそうにないですし次は食事の準備をーー。


「グハハァァ!!」


って、誰か飛んできました。


「ぐうっ……ってお嬢様!?何でそんな所に!?危ないから逃げ!?ど、ドラゴン!!?」


斧にくくりつけたトカゲの死体に驚いてます? 

それにしてもフェンリルの次はドラゴン、私にも狩れるただの大きいトカゲですよ。そこら辺の鳥はフェニックスですか(笑)


「気にしなくても良いですよ。オジサン達はミーちゃんと遊んでても大丈夫です」


「お、オジサン」


「隊長気にすんの其処じゃねぇよ!?」


なにか向こうに居た人の一人がこっちにきた。


「ああ、ああそうだな!急いで聞きたいんだが!ミーちゃんってあそこのフェンリル……ですか!?」

 

「はい、はいミーちゃんはフェンリルですね」

 

「棒読み!?」


「…ふぇフェンリルじゃないミーちゃんはお嬢様にとってなんですか?」


「ペットですよ?」


「「嘘つくなぁぁ!!」」


嘘でないですし。首輪とか見えるでしょう。


「グオオオ!!」

 

あ、此方にミーちゃんが


「ひ!!きた!!」


「ミーちゃん今はお話ししてるんで。お座り」


「はぁ!?お座り!?誇り高いフェンリルがそんな事を言ったら!「がう」はぁぁぁ嘘だろぉお!?ふ、フェンリルがお座りしただと!?」


なんですか本当に、ミーちゃんは大きいだけの黒い犬なんですけどね。 あーたしかフェンリルは漆黒の毛並みで山のように大きな身体で国も滅ぼせるとかでしたか。黒い毛で大きいからフェンリル扱いでしたか。


「お、お座り……してる。ほんきでペット……ペット」


「ペットでなくても……お嬢さんの敵ではなさそうだろ」


「え!えぇーー…ってことは!俺たちの戦いはなんだったんだ!?」


「意味がなかったんだろ!」


「そ、そんな!な、ならあ、アンソォォンの奴は!無駄し」


「あ、ミーちゃんそろそろアンソォンンンさんを口からペッして」


「「え?」」


「がぅ」ぺっ!


頬袋に入れられてたアンソォンンンさんがゴロゴロと転がりでた。


「あ、アンソォンンン!!動いてる!大丈夫か!!…………これはヒデェ」


う、確かに酷いネバネバ。男のネバネバ姿はひどい。


放置されて此方に人が集まってきた。

視線がなにか嫌ですね。トカゲをみてる?


「あの、そ、そちらの…た…体長が10㍍を越えてる立派など、ドラゴンの…………死骸は何処から ?」 


この人もドラゴンと言いますか。


「このトカゲですか。何処からって二つとなりの山から熊の代わりに狩ってきました」  


「「「熊のかわりがどうしてそれになるんだよ!?」」」


「いや!そもそも熊を狩るのもおかしい!」


「フェンリルをペットにしてるのも可笑しいだろ」


「騎士の俺達でも登るだけで死ぬと思うような山に普通に生活してる時点でアレだろう」


なにか酷いことを言われてる気が。


そう言えば……村の人達も同じことを言ったことがあるような。


「オジサン達、騎士の仮装してるのに村の人達と同じ様なリアクションはどうなんです?」


「いやいやいや!!誰でも同じ反応するわ!!」


「い…いやそれより!俺達が騎士の仮装って言いませんでした!俺達れっきとしたベーグルパン国の騎士ですよ!」


「えっ?本物?じゃあミーちゃんと遊んでたんでなく、まさか本気で戦ってたんです」


「…あ遊び、遊びって思われてたのか」


「ああそうか。フェンリルと戦って誰も死んでないの可笑しいよな。少なくともフェンリルとしては遊びだったんだろ」


「は、はは、命がけだったのに」


全員orzなポーズを


それしても、何か用事でも有るんですかね。





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