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幼年期1 転生

ぱちり


そんな音がふさわしいぐらい爽やかな目覚めだった。

俺はまだ生きてる?見覚えのない真っ白な天井を見てここがどこなのか理解することはできなかった。


体を動かそうとしても中々動かない…くそうなんだこの体!腹になんかされたのが影響してるのか?首から上すら動かせない体は諦め、声を出し誰か助けを呼ぶしかないか。

見覚えのない部屋ってことは病院とかかもしくは誰か違う人の家…声を出せはこの現状を教えてくれるだろう。


「だぁ♪」


ん?

なんだ今の声は。赤ちゃんでもいるのか?

「だぁだぁ♪(誰かいるのか?)」


俺の声だった。

まじか…もしかして俺は赤ちゃんに転生してしまったのか。




転生。それを理解したのはもともとの世界でファンタジー小説やらをたくさん読んだからだろう。事故や天命で死んだ人物が異世界で前世の知識でチートしてハーレムを築くようなものが沢山あった。

いざ、自身の身に起きてみるとどうすればいいのか全然わからない。そもそも記憶をあさってみると自分のことも上手く思い出せない。名前、出身、何をしていたのか、死因…など。


わかるのは物の固有名詞だとか人間に関わらないモノがほとんどである。一種の記憶喪失であるのだが、転生している時点で記憶なんてないはずなのだから構わないのではないかと開き直った。


ただ心に大きく残っていたのは、「二度と死にたくない」という思いだった。



そんなこんなで赤ちゃん生活が始まった。

動けないので寝ていると、誰かが部屋に入ってくる。

母親のようだ。抱き上げられると金玉がひゅっとなるような感覚がくる。これは絶叫系のアトラクションに乗ったときと同じだ。赤ちゃんの体が小さいせいかすごく高く感じる。怖い。


「へrぃgぁjね;r」

おいおい、何語だよ。

どうも赤ちゃんの耳が発達してないせいなのか、言葉が通じてないのか母親が何を言ったのか聞き取れなかった。

母親の顔を見ると中々整った容姿をしていて、茶色い髪にキリッとした眼、慈愛の表情を浮かべ抱きしめてくれる。


おっぱいデ・カ・イ


そんなことしか思えなかったが、この人物が母親なのは間違いないだろう。言葉が通じないとまずいので、まずは言葉を覚えるとこをからだろう。

いろいろ考えていたら、いつの間にか部屋に小柄な女の子が立っていた。

母親のスカートの裾を握り締め、何事か話しかけている。きっと「おかーさん、おかーさん、私にも抱っこさせてよ」言ったのだろう。


俺の体を優しく女の子に渡す。まるで回転寿司のネタの気分だ。

まだ赤ちゃんの体を支えるには力が足らないのか、鷲掴みされるように脇を持たれる。痛い痛い痛いいい!!!


この女の子はどうやら俺の姉に当たるらしい。クリッとした目に母親とそっくりなこげ茶色の髪の毛、4、5歳といったところだろうか?


「vhぶげふえいばbのいえkkんmd」


言葉が通じないって辛い…

一刻も早く言葉を覚えようと心に誓った。


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