少年期6 成長
本当は一話3000文字ぐらいにしたいんですが、そんなに書くと腱鞘炎が…もとい文章書いてるあいだに飽きてきちゃうんですよね。こればっかりは慣れとかなんでしょうね。
勢いだけで書いてる弊害もあるかもしれないですが…。
「常世全ての者に平等なる祝福を 治癒」
なめらかな祝詞が紡がれ、ユーリの体の傷が癒えていく。
「中々の拾い物じゃないか。ユーリといったか」
「はい。旦那様」
ルーメリスは床に寝かされた少年に目を向ける。右の眉の上には深い刀傷が生々しく残っているが、先ほど魔物との戦闘によってこしらえた左腕を中心とした負傷はアヤカによって治癒されていた。
「この歳で下級二位の魔術を使いこなすか…鍛えればそれなりに面白くなりそうだ。しばらくは…そうだな…ベイルのところで鍛えさせるのもいいだろ」
「人間嫌いのベイル様が了承するでしょうか…?」
「ダメならダメで構わんよ。奴隷は何人でもいるからね」
そういうとルーメリスは他に興味が移ったのかその部屋から立ち去った。
俺が目を覚ますととなりにはメイド奴隷のアヤカが立っていた。
「いっ…あれ?痛くない。」
「怪我の方はこちらで手当させていただきました。」
「あ、ありがとうございま…す。」
「いえ、奴隷は主人の持ち物に当たります。故に直すのは当然の義務です」
やはりアヤカはどこかドライな印象の中に優しさがあるような気がする。これがツンデレのツン状態か…。違うか…。
「テストの方はどう…なりました?」
「不合格ということでユーリさんは破棄することに決まりました」
「え!?」
「嘘です。合格です」
アヤカは少しも表情を変えずに嘘をついてくる。試験を失敗していたら、怪我を治すことなく処分すればいいだけの話なので少し考えれば分かることだったのだろう。
にしても心臓に悪い嘘ばかりつく人だ。
「ですが、戦闘奴隷として当家の奴隷として拳闘会に出店するにはまだまだ実力が足らないというのが現状です。幸いにも旦那様が気に入ってくださったので、しばらく実力の方をつける為の修行をしていただきます。」
「しゅぎょう…」
「ユーリさんは奴隷解放が御望みと旦那様に伝えたところ、ならば力が必要だろうととある方の下で鍛えてもらえるよう便宜を図ってくださいました。」
なんだか優しいご主人様のようだ。加えて修行の場所、師匠までつけてくれるなんて…。あまりにも話がうますぎて騙されているのではないかと思ってしまう。
しかし俺を騙すメリットなんて彼らにはないのだ。奴隷の命は軽い。また買えばいいだけの話だ。
俺は騙されるなら騙されていればいい。欲しいのは力なんだ。貰えるものは貰えばいい。盗めるものは盗めばいい。
「ぜひ、お願いします」
俺はしばらくの間修行に出ることになった。
感想・評価おねがいします!豆腐メンタルで耐えます!