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少年期5 戦闘

俺の目の前には見たことのない魔物が三体。

サイをモデルにしたような緑色の魔物だ。中央の一匹は角の部分が赤く染まっているので他の二匹よりも強そうだ。


ここで自分の手札を確認しておこう。

ユーリ

人間族 男 5歳

魔法 火魔法 下級二位 水魔法 下級二位 土魔法 下級三位 風魔法 下級三位

剣術 なし


装備 ショートソード


かなり雑魚い。剣術に至っては父ユニウスに習いさえしなかったのだから当たり前だ。子供ながら毎日ランニングなどしていたが少し体力が増しているだけだ。その体力もこれまでの長旅で大分消耗している。

あまり満足に動けはしないだろう。

武器として使えそうなのは火魔法と水魔法の二種類か。最後に使ったときは精神状態がおかしかったからあまり覚えていなかったが普段より全然大きな火球が生まれていたように感じる。

そこにかけるしかないか…。


魔物が勢いをつけている。土の地面を踏みしめて力を貯めているようだ。


俺は素人考えだが腰を落としてショートソードは脇に構える。子どもの力で剣を振ったところで魔物の皮を貫けるとは思えない。ならばここぞという場面で突きを行うときに使うべきだろう。



「グラぁあああああああああああ」


叫び声にも取れるモノを魔物は吐いた。車が飛び込んでくるかのようなスピードで俺に飛び込んでくる。俺は引き絞った左手を前にだし、

火弾ファイアーボール!!」

様子見の為そこそこの魔力を込めた火弾だったが、これまで見たことのない力強さを持っていた。

バスケットボール大の火弾は魔物の鼻かしらに当たると顔の部分を激しく焼く。絶命には至らないが、かなり苦しんでいるようだ。

この調子ならいけるかもしれない!そう思った矢先、角の部分が赤く染まったのと残りの一匹の魔物が同時に襲ってきた。

ファンタジーものだとリーダーっぽいやつは最後の一匹になるまで待っててくれるもんなのだけれどもな!


再び左手に魔力を集め、火弾に変換する。

「くらえ!火弾ファイアーボール

リーダーっぽい魔物に向けて放つ!見事に命中した。これで残りは一匹!

と思いきや、ほとんどダメージがない姿で魔物が直進してきた。火弾が効いていない!まずいと思ったときには魔物に体当たりされていた。なんとかショートソードを魔物と体のあいだに挟んだが、俺のカラダは数メートル吹き飛ばされてしまう。

「がはっ…」

すぐに立ち上がらなきゃ、踏み潰される。


ブチいいいいいいいいいい


鈍い。そして肉の切れる音がする。突進してきた残りの魔物に左腕が噛まれた。

いでえええええ。まずい引きちぎられる。咄嗟に右手に持っていたショートソードを魔物の左目に突き刺す。

ずぶりと肉をえぐる感触。家畜を殺すときと同じ、命を奪う時の感触だ。目から入った剣はそのまま魔物の脳みそまで貫き、血を噴出させる。

止めに左腕に魔力を集め、火弾に変換する。頭部を燃やし尽くし、なんとか体制を整える。

息が上がる。

左腕からは血が止まらない。

このままでは死ぬ。

体が思い。

あとは角の赤いやつだけだ。俺の状況を見て少し距離をとって様子を見ている。

俺は死にたくない…俺は死ねない。いや、おれは

「死なない!!」


足を前へ。前進する。残った体力を振り絞り駆け出す。

愚直にまっすぐと。

魔物は獲物がやってきたと迎えるように突進してくる。

俺は急ブレーキをしてその場に止まる。地面にショートソードを突き刺し魔物の突進を受ける。

魔物がショートソードに正面からぶつかる。まるごと食べようと襲いかかてくる。

水球ウォーターボール

ショートソードで支えているところも含めて魔物の体すべてを水で覆う。

魔力で作った水球は魔力を注入しつづけることで浮かせることができる。ここからは我慢比べだ。

俺の水球が解けるか、魔物の息がどれだけ続くか。


風呂からお湯の線を抜いたかのように体から魔力が抜けていく。こんなに魔力があったのかと自分でも驚く程抜けていく。

今までは自分の魔力を上手く放出できなかったのが前回の一件から殻を割ったかの如くうまくいくようになったのだ。

だからといって無限に魔力があるわけじゃない。いつか限界がくる。それはすぐ目の前の未来だ。

魔力を使い切ったらどうなるのだろう。

子どもの時は気絶しただけだった。しかしあれは運が悪ければ死んでいたんだと怒られた。

そういえばあの時リリス母に拳骨くらったんだっけ。それを見てリニア姉は笑ってたな。

あれ?何考えてたんだっけ?


よく・・・わかんないや。

意識がブラックアウトしていった。

なんか毎回意識失ってね?

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