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スクリュー


一番の高浜を三振に打ち取った秋は2番大竹と対戦していた。


カウントはツーストライク、ノーボール。追い込んでいる。体力も女の子だし怪しい。だから遊び球はいらない。


投げた球は高浜を打ち取ったスライダー。大竹のバットは空を切った。三振だ。


よし!これで2人目。球数も少ない。これならイケる。


楓の方を見るとかなり驚いている様子だった。っていつの間にか放課後なのに1人で集まり始めてるし…でも後にはもう引き下がれないしやるしかない。



レギュラー陣が1.2番の三振を受けて、集まって話をしていた。情報交換かな?そう思っていると次のバッターが打席に入った。あれ?確かこいつは3番では無かった気が…もしかして打順を変えて来たのか?……って事はクリーンナップを7.8.9に回す作戦かよ。体力温存しないと厳しいな…特に石田は…



取り敢えず目の前の相手に集中する。この勝負で勝つための生命線はカーブとスライダーでどれだけスクリューを温存するかになる。女でストレートが投げれない以上はカーブとスライダーに頼るしかない。こんな状況でも翔平がいたら…今のキャッチャーは捕るだけだし…オマケに捕れてないと時もあるし…一年のキャッチャー酷いな。奈川では絶対にあり得ない。って集中!


3番には初球からスライダーを投げる。3球続けてスライダー。3番も三振に打ち取った。強気に攻める所は攻める。翔平に教わった所だ。


「すげえ…」

「今の所三振しかないじゃん。」

「あの子可愛いー!!」

など一部関係無いが色んな声が周りから出ていた。


4番、5番とカーブとスライダーのコンビネーションを上手く使ってまたも三振に打ち取った。後4人…


次は6番。このバッターもベンチからボール見てるとはいえ、バッターボックスでは見ていない。やはり、バッターボックスで見るのとは大違いだし初球から打たれる気はない。スライダーなら初見では打てないはず。


スライダーを投げた。思ったよりスイングが鋭い。バットにボールが当たるもバックネットに当たった。ファールだ。


まさか初球から当ててくるなんて…いや。もしかしてキレが落ちてるのか?確かに肩の疲労を感じる。アドレナリンが出過ぎて気づかなかったのか…この段階で疲労が出るのはマズイ…早めに打ち取らないと。気持ちが焦ってるのが分かる……マズイ…スクリューはまだ使えないし……。


ふと周りを見渡す。観衆が集まっていた。そうだ。オレは野球をこの瞬間を楽しみたい。


オレは迷わず次のボールを投げた。バッターは思いもしないボールの軌道に空振った。それもボールとは全然離れている。


高橋秋斗の伝家の宝刀。そして全国準優勝の立役者であるスクリューだ。



レギュラー陣はただ驚いていた。

「まさかまだ変化球隠しもってたのかよ!」


「それも、ただの変化球じゃない。かなりのキレで曲がっていたし、さっきから腕の振りがどの変化球でも変わらないから全くボールが予想出来ない…」


結局6番はスクリューで三振に倒れた。6者連続三振だ。迎えるはクリーンナップであり、3番で捕手の主将を務める紅林だ。


「中々やるな。可愛いお嬢さん!お手柔らかに頼むよ。」


「可愛いは余計ですよ。こちらこそお手柔らかにお願いします。」


この人は知ってる。県内屈指の名捕手だ。走攻守三拍子揃っており、主将として統率力も高い。プロも注目してると言われている。石田と共にこの学校では実力が飛び抜けている存在だ。


ここからは出し惜しみもない。本気の高橋秋斗を見せてやる。



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