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葉川志季vs桐谷悠



「お姉ちゃんー!久し振りに一緒に登校しよ!ラブレター事件の件で最近朝早くお姉ちゃん登校してたから、春香寂しかっただよ?」



朝から相変わらずテンション高い…流石に朝からこのテンションはキツイが心配させたのは事実だから仕方ないか…


「いいよー。その代わり早く準備してよ。遅かったら置いてくから」


「お姉ちゃん?私心配したんだよ?本当に。」

春香の威圧に一瞬ゾッとする。強豪の4番並みにある意味威圧感あるぞ…


「分かった分かった!待っとくよ。でも遅刻するから出来る限り早くして」


「はーい!」






「じゃあ行ってきまーす」

ったく本当に朝から疲れが溜まるなーって…昨日ボールを当てた人物がいる…


「何で葉川が…」


「何嫌そうにしてんだよ!中学の時仲良かったじゃないか」

笑顔で話す葉川に多少イラつきを覚える。昨日の事は忘れたとは言わせない…


「葉川先輩!お姉ちゃん嫌がってるじゃないですか!」

流石春香。人の気持ちをよく理解するいい妹に育ったな…お姉ちゃん嬉しいよ。


「お姉ちゃんは私と一緒に登校デートしたいんです。邪魔されたくないんですよ!」

……訂正。何故こうなってしまった妹…


「そうなのか?」

葉川真面目な顔して聞いてくる。のわけあるか!


「私は1人で登校しようかなーなんて」

めんどくさい2人から逃げたい…


「「それはない」」


「だよねー」

こういう時だけ被るなよ。何なんだこの2人は。


「じゃあもう3人で登校したらいいでしよ。それが1番手っ取り早いしこのままだと遅刻するし」


「えぇー!?私と登校する約束は?」

春香が心底落ち込んだ感じで言ってきた。春香には申し訳ないけど今日は勘弁してほしい。


「明日一緒に登校しよ?2人っきりでね?」


「うん!!」

こうでも言わないと本当に落ち着かないからなー。でも扱いには慣れてきた。ちょろいな…


「手を繋いでね!」


「勿論!……え?……まっまた今度ね」


やっぱりまだまだ手強い。






「ふうーやっと着いた。」

教室に入って少しため息をついた。


「秋?どうかした?」

楓が心配そうに見つめてくる。楓は本当に癒しだ。可愛い。大丈夫だよっと頭を撫でる。男の時なら絶対惚れてたなー



とまあ楓の癒しを受けつつ授業が始まった。









「昼休みだぁー!」

悠がはしゃいでる。あいつは相変わらずテンション高い。まあいいけど。


いつものように楓と綾と一緒に机を合わせて弁当を食べる。食堂もあるけど3人とも弁当派だからだ。この時間が1番の至福の時間だ。




「おーい!秋いるか?」

いきなりドアを開けて入ってきた奴がいた。葉川か…


「どうしたの?葉川…君」

平静を装い返事する。


「一緒に飯食べよう!」

今、普通に飯食べてるじゃん。バカなのか。こいつは…


「もう食べてるからゴメンね」


「マジかっ…じゃあ明日一緒に食べよう。後、食べ終わったら昨日と同じ場所に来てくれ!」


「毎日綾と楓と食べてるから無理だよ。まあ場所にはちゃんと行くからそれでいいでしょ?」


「それなら大丈夫だ。じゃあ待ってるぞ」


そう言って立ち去ろうとする葉川。てかさっきから教室シーンとしてるんだけど何でこんなにシーンとしてるんだ…

何故だろう…クラスの一部から怒りが出てるんだが…


「おーい葉川君だっけ?秋とどういう関係なのかなー?」

悠が変な口調で言ってる。少しぷっと吹き出したら綾に叩かれた。あっシリアスなとこですかココ。


「ああ。幼馴染であり彼氏かな」


「「ええええぇぇぇぇ!!!!」」


クラスメンバーがやたらと騒いでる…いやこいつ嘘付いてるだけなのに何でこんなに騒いでるんだ?


「って事で桐谷君!これからも秋と1人の友人として仲良くしてくれ」


「どうせ嘘だろ?それに秋は野球が上手いやつが好きって言ってたから間違いなく葉川君は無いと思うけどなー!!!」


「そーだな。秋は野球が上手い奴が好きだ。けど俺、桐谷君より上手い自信あるよ?」


どんどんエスカレートしてる…ってか高校でエースやってる悠と葉川じゃ話にならないでしょ。中学時代ならともかく。


「いいぜ!なら3打席勝負でどうだ?」


「いいよいいよー!何なら1打席でも良かったのに。」

なんか勝負が決まったみたいだ。いやいやバカでしょ本当に。流石に止めよう。


「2人ともいい加減に「「秋は黙ってろよ」」……」

私は女の子が好きなのに…結局楓の頭撫でながら見守る事にした。




昼休みにいきなり呼ばれたノリのいい野球部メンバー。流石に1年生だけだけど。この人達が守備に付いてる。レギュラーに比べたら守備は落ちるけどそれでも悠からしたら十分か。


「じゃあ肩も出来たし始めるぞ?」


「あぁ。始めよう」



「プレイ!」


1球目、悠はストレートから入った。少し舐めてるのかいつもより遅い130くらいの球だ。とはいえ、何ヶ月も野球から離れていた葉川が打てるボールじゃない。これは勝負あったかな。


しかし予想と反して鋭いスイングでいきなり球を捉えた。


「なっ!?」

思わず悠が声をだした。


打球はギリギリ切れてのフェンス越え。野球部の連中が1番驚いている。

周りのギャラリーは一気に騒ぎ出した。葉川、イケメンだし悠は男女問わず人気あるしそりゃ騒ぐわけだ。


にしても予想外。葉川は生粋のスラッガータイプとはいえ何でこんなに対応してるんだ?



「どうした?桐谷君!もう怖じ気ついちゃった?」


「ふーん。別に。少し舐めてたわ。流石にセーブしてやるわけには行かないよな。1打席目ストレートだけで抑えてやるよ」


「楽しみだねーそりゃラッキー」


流石に不利なんじゃ…周りがさっきの打球を見てからそういった雰囲気を醸し出している。



「これ何の騒ぎ?高橋さん」

後ろを振り返ると石田君がいた。


「悠と葉川の勝負。止めても聞かないから…」


「なるほど。大体は察した。」


「ほら2球目投げるよ?」


悠は既に振りかぶっていた。さっきよりフォームが違う?いつもより足に重心が低く、足に負担が掛かりそうなフォームだ。前の紅白戦の時とは違う?…いや思い出した。公式戦の時はこのフォームだった!



解き放たれたボールは葉川の空振りを奪う。さっきとは段違いのスピードとキレだ。でもなぜ紅白戦の時このフォーム使わなかった?


「おい!!悠!また怪我したいのか!これ以上はやめろ!」

石田君が珍しく声を荒げた。初めてだ。怒った石田君を見るのは…


「分かったよ。葉川!悪いけどまた今度な。」


「あぁ!また今度。」


周りからはため息がこぼれる。そりゃ空振りとって追い込んでたらそうなるか…盛り上がってたし。


取り敢えずあの二人にはお仕置きしないと、いけないなぁ!まずは



殴 ら せ ろ



勿論殴りはしませんでした。一発優しく叩いた私は周りに付き合ってるという誤解を解いたのでした。今回終わりー!







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