偽装彼女 2
勝利を確信した秋と綾だったが10分後に秋をよく知る人物が来た。
「お姉ちゃんー!!会いたかったよー!!」
いきなり抱きつかれた。この時点で分かると思うが妹の春香だ。相変わらずのハイテンション…
話が進まないのでとにかく引き離す。
「そういえば私なんで呼ばれたの?咲ちゃん?」
春香が思いだしたかのように咲ちゃんに聞いた。しまった…春香が中学3年だから咲ちゃんと同級生なのか。
「それが…私の大好きな綾と貴方の姉が付き合ってるらしいの。本当なの?」
マズイ…春香、空気読んでくれ…
「お姉ちゃんいつから目覚めたの!?女の子に目覚めたなら私に言ってくれたらいいのにー!」
「違って!私は「何が違うの?」
「………いや何も違わない!私は綾が…綾がすっ好き!」
恥ずかしいし、何でこんな事に…
「そうよ!私達愛し合ってるんだから。ねっ!秋?」
勢いに乗った綾がさらに追い打ちをかける。もうやめてくれ…
「うっうん!勿論。」
「うぅ……本当?…綾?」
今にも泣きそうな咲ちゃん。心が痛む…。こういうのは本気の気持ちでちゃんと答えた方がいいんじゃ…綾には悪いけど。仕方ない。
春香に少し目で合図する。やれやれとでも言いたそうな表情で春香が口を開いた。
「あれ?お姉ちゃんってそういえば昨日聞いた時誰とも付き合って無いって言ってたよね?あれー?おかしいなー!もしかして綾先輩嘘付いたんじゃ…」
流石春香。私の目だけで気持ちを理解してくれるのは昔から春香だけだ。
「綾…これ以上は流石に…」
申し訳なさそうに綾に言った。自分から春香に合図しといてあれだけど咲ちゃんが可哀想だ。
「あー!もう分かった分かった。咲!私は誰とも付き合ってないから安心しなさい。ただ、男の子が好きだからこれからも付き合う事はないからね。」
「うん。でも嬉しい。」
何とか2人は和解したみたいだ。邪魔?するのも悪いし帰ろーと
「春香ー?帰ろー」
「うん。お姉ちゃん帰ろ!」
そう言って帰り始めた。
「それにしてもよく目の合図だけで分かったな。昔から察しがいいとは思ってたけど流石だな。春香は」
「お姉ちゃん男の口調出てるよ?まあいいけどさ。 私は人の心がよく分かるんだよ!人の心って言ってもお姉ちゃん限定だけど」
「何それ凄すぎでしょ…口調はしっかり気を付けます」
「何の口調に気を付けるんだ?秋」
え?なんでこんな所に悠が…それにしてもマズイ。何とか誤魔化さないと…
「たまに男っぽい口調出るんだよ。野球やってて男勝りなせいで。春香にはもっと女の子らしくって良く言われるの」
「何だ…そんな事か。学校ではそんな事ないのに素だと出るのか?勉強、スポーツ万能のお前にしては意外な悩み?だな。」
そう言って目線を逸らしている私の顔を覗きこんだ。何かバレないかのドキドキと恥ずかしさで顔が熱い…でも何で悠も顔が赤いんだろう…?
「おい!桐谷!走メニュー中だぞ!話してないで速く走れ!」
「はい!すぐ戻ります。うんじゃあまたな。」
「うん。またね。」
悠を見送り一息つく。本当に緊張した〜。
「……お姉ちゃん。」
いつにも増して真剣な表情の春香に私の安心感はすぐになくなりまた緊張感へと変わった。なんだろうか…さっき何か私は致命的なミスでもした?いやしてないはず…それとも何かあるのか?緊張する…
「私と……結婚しよう」
「いや。しないから」
「えー!?なんでー?お姉ちゃん!さっきの空白の時間は感動し過ぎて言葉が出なかった時間でしょー!照れ隠ししなくていいからね」
「何も照れ隠ししてない!真剣な顔するからこっちもへ?ってなって考えれなかっただけだから!春香は当分無視するからね!」
「酷いよ!お姉ちゃん!じゃあ仲直しよう!そうだ。一緒にお風呂なんてどうだろう「速く帰ろーっと」
「まずは背中を流し合って…前も//別に流しあってもいいんだよ?//ってお姉ちゃん先行きすぎー!待ってよー」
相変わらずの春香に安心しながら帰る秋だった。
しかし、内心は春香の珍しい真剣な表情がこんな事だったなんて、拍子抜け過ぎるとも思う不安も抱えつつ1日を終えた。
好きなキャラとかいたら是非教えて下さい!




