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偽装彼女

「それにしても冬のオフシーズンはテンション下がるー試合ないし…ついでにこの前の試合は負けるし」



悠がため息をついて落ち込んでいた。そんなに落ち込まなくてもいいのに…でも気持ちは凄く分かる。男の時に女の子に投げ負けてたら悔しるに違いない。



「相変わらず負けず嫌いだね。悠は」

思わず思った事が口から出た。その言葉に綾が少し苦笑いしていた。



「秋も相当負けず嫌いだと思うよ?桐谷君に負けてないぐらいの」

……否定出来ないのが痛い所だ。



うん?楓が何か言いたそうにしている…どうしたんだろう?


「楓?どうかした?」


「あっ秋。クリスマス。クリスマスパーティしない?」

楓が少し緊張してる感じでクリスマスパーティを誘ってきた。そんなに私相手に緊張しなくてもいいのに。


クリスマスかぁ…野球以外の思い出が出て来ない…


思えば私の15年間、クリスマスも野球漬けだった気がする。何度も幼馴染やクラスメイトにクリスマスパーティを誘われた事あるけど野球するからって断ったけ…寂しいクリスマス過ごしてると自覚と共に楽しみたいという気持ちが出てきた。


「よし!楓。楽しいクリスマスにしよう!」


「うん。綾も参加するでしょ?」


「…うん」

よし!初めてのクリスマスは女の子2人と楽しめるのか。リア充だな〜いや今女だから違うか…


でも綾少し迷った感じでどうしたんだろう。彼氏いるかは知らないけど彼氏と過ごす予定とか家族と既に予定があるのに気を遣わせたとかじゃないよな…


「綾?どうしたの?何かあるなら言って!友達なんだし正直に言って」


少し綾は迷った感じだったがやっと口を開いた。


「実はストーカーされてるの」


「ストーカー!?」

思わず大きな声が出てしまった。小声で続きを話す。


「どんな相手か分かってるの?」


「それが…私の従姉妹なの」

従兄弟!?従兄弟で好きになられたりするのか…珍しいパターンだな。そんな事今はどうでもいいか。



「で、その従兄弟の背が高くてキツく言いにくいとか?」


「いや、私より背が低い。女の子だし…甘えん坊でワガママ。キツく言っても泣いてすぐ甘えてきたり。その内行動がエスカレートとしてきて、遂にストーカーまで。」


「女!?…なるほど。どうしたらいいだろ…そうだ!彼氏のフリしてもらうとかは?悠とか石田君とかに!」


「それが私、何故か従姉妹に百合認定されてるのよ。だから彼氏のフリしてもらったんだけど絶対嘘だって信じてもらえないの」

それは中々大変そうだ…これ詰みじゃないか…


「だから!秋!お願い!私の彼女のフリして。ボーイッシュな感じで!私がめちゃ甘えるから!それなら多分大丈夫なはず」


…でも普通に考えたら私元男なんだし凄く適任のはず。ボーイッシュって…たぶん男っぽい女の子って意味だから余裕余裕。それに綾ぐらいの綺麗な女の子とデートなんて人生で一度くらい経験しておかないと損だし!


「いいよ!友達の願いだからね!」

ビシッと決める。


「何か気合い入ってるね…ありがとう。後視線を感じる…」


その時、楓や悠の視線が綾に突き刺さっていたのは言うまでもない








★★★★






時は経って放課後。綾を迎えに来ている人物がいた。従姉妹で名前は織田咲ちゃんである。


茶髪のロングで背が150無いぐらいだろう。中等部の3年生らしく制服も似合ってる。可愛らしい感じでモテそうだ。もしかしたら春香も知ってるかも知れないな。



「綾ー!この人友達?」

早速タメ口で話しかけてくる。何かこの人苦手だな…綾。頑張れ


「違うよー」

すぐに目を輝かせる咲ちゃん。この後なにを言うかも知らずに…


「じゃあ一緒に「友達じゃなくて私の彼女だから」


「え…?」


「だから彼女よ。ねえー秋!一いつもみたいに早く手を繋ごうよー!!」

そう言って私の手と繋いだ。結構緊張するけど何とか不自然じゃないように。最初の打ち合わせ通りに!セリフ言わないと


「あっ綾?今日は手じゃなくて、腕を組も?」


「うん!秋!」

そう言って腕を組んだ。ここまで完璧な演技に、小学校の頃の演劇で大根役者と言われたもうあの頃の私じゃないんだと少し感動。


「ああ…」

咲ちゃんの残念そうな声が漏れる。少し罪悪感を覚えるが綾の為だ。


「じゃあそういう事だから咲!また今度ね!」

足早に綾が去ろうと歩き始めるた。


「待って!!本当にほーんとにそういう関係なの?」

咲ちゃんが確信を持ったような顔で聞いてきた。


「…勿論そうよ!」

綾が相変わらず強気に肯定する。しかし咲ちゃんは自信がありそうだ。何でだろう…


「…だって隣の方って高橋秋さんですよね?最近高等部で有名な」


「そうだけどそれがどうかしたの?」


「 だったら高橋秋さんに彼女なんていないことを証言する人物を呼ぶから待ってて下さい!」


「…ふーん。呼べるもんなら呼んで見てみなさいよ」


一瞬綾と眼を合わせたがここは自信があるように見せるしかない。

それに私に彼女とか居る分かる人間が居るとは思えない。ましてや咲ちゃんの交友関係は中等部が主だし、関わりが少ないし、親しい人間にも私にはいない。だからまずハッタリの筈だ。




この時勝利を確信する秋だったが思わぬ人物の登場により、さらに修羅場に巻き込まれることになる…




更新遅れてすみません!


予想はつくと思いますけど、誰か皆さん分かってますか?(笑)

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