へ?
はっ…オレあの後倒れてどうなったんだっけ…病院のベットか。どれくらい経ったんだ?
疑問に思い、周りを見渡す。カレンダーを見つけ確認すると決勝戦から一週間が経っている。
はぁ〜体力戻すのに大変そうだな…春の選抜大会に向けて、練習を積み重ねなきゃならねえのに何やってんだか…身体の調子は良さそうだし速く退院を……え?
あれ?腕細くないか?確かにオレ投手にしては細かったけどそれでも細過ぎる。握力もかなり落ちてるみたいだ。肩幅も狭くなってるみたいだしこれは流石におかしい…
夢?夢なのか?冷静になって頬っぺたをつねる…うん。痛いな。ベタだなコレ!ってそんな事考えてる場合じゃない落ち着け…こういう時は好きな食べ物でも思い浮かべよう。玉子豆腐!あの柔らかさ大好きなんだよな〜あー食べたくなって来た。その時。
ドンと音がなった。病室のドアを開けた音だ。お母さんと妹の春香に医者が入ってきた。玉子豆腐の差し入れだったらいいのに…じゃない!この身体の細い原因教えてもらわないと!
「母さん!何でオレこんなに細いの?」
あれ?声も高くなってる?緊張してるからか?いや声質自体が変わってる。もしかしてコレも病気のせい?
「まあまあ。秋斗落ち着いて!記憶は大丈夫なの?」
「試合に負けてミーティングに行こうとしたら倒れた。合ってるだろ?」
「うん!合ってる!良かったー母さん安心したわ。」
「じゃなくて!何でオレこんなに細いんだよ!病気のせいなのか?」
「ええそうよ。とにかく落ち着いて。」
「分かった」
軽く息を吸う。よし落ち着いた。
「じゃあ今から鏡を見せるけど興奮したらダメだよ?病み上がりなんだから。」
「分かってるって。速く見せてくれ。」
「とにかく落ち着いて見てね。」
母さんの執拗な確認に少しイラっとする。オレだって激痩せとかある程度覚悟ぐらいできてる。でもそれぐらい確認する事はよっぽど変なんだろう…確かに少し怖い。オレは目を瞑り息を落ち着かせて覚悟決めて目を開けた。
向けられていた鏡に写っていたのは美少女だった…
「へ?」
オレは思わず間抜けな声を出してしまっていた。