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妹の為には時に厳しさが必要です

今回はゆったりとした回です。

気が付くと白い天井が見えた。周りを見渡すと楓と綾、それに妹の春香がいる。保健室のようだ。


「お姉ちゃん!!いきなり倒れたって聞いたから本当に心配したんだからね。」

そう言って春香は抱きついて来た。身体は大丈夫そうだ。春香の頭をそっと撫でた。昔を少し思い出す。よくこうして撫でたっけ…



はっ!!そういえば入部試験はどうなったんだ。


「入部試験は?」

楓と綾に聞いてみる。



「あの後、周りも凄い騒ぎでそれどころじゃなかったわよ。」

綾が答えてくれた。そうか。でも後悔はしてない。本来の目的は楓にピッチングを見せる事だから。それに最後は最高のストレートを投げれた自信がある。



「秋。ありがとう。私が高橋秋斗が好きって言ったから、高橋秋斗のピッチングを再現したんでしょ?本当にありがとう。」

良かった。って春香が睨んでる…後でシュークリームでも奢って機嫌を直して貰おう。そう思って時計を確認すると既に7時になっていた。



「もう7時!? 2人とも本当にありがとう。でも私はもう大丈夫だし、時間も遅いし、帰ろ。私は春香と帰るから。」


「そっそう?でも無理しないようにね。」

綾が心配そうにしているけど、あまり遅くまで付き合わせるのも申し訳ない。


「うん。2人ともありがとう。綾と楓も気を付けて帰ってね。」

バイバイと手を振った。2人ともバイバイと振りかえして帰る道が違うので別れた。



「で、お姉ちゃん。私本当に心配したんだからね。」

春香のこういう時は異常に怖い…


「それに、私が朝言った事覚えてる?」

朝言った事…?今日は色々あり過ぎて、何にも覚えてないぞ…?


「ごめん。今日は色々ありすぎて覚えてない。」


「なら改めて聞くね。お姉ちゃんって男の子と女の子どっちが好き?」


「そんなの女の子に決まってるだろー?心は男のままなわけだし。」


「じゃあ今の所好きな人いるの?例えば…楓さんとか綾さんとな特に楓さん。」


「はい?楓と綾はそんな仲じゃないって。ただの友達。」


「良かった〜!!じゃあ私と付き合って!!」


「頭は大丈夫か?春香。朝の事思い出したけどそんな事か。女と女だぞ?それに何より家族。」


「大丈夫だよ!お姉ちゃん。昔と違って女同士なら多少イチャついても姉妹だし、女同士だし周りから見ても問題ないよ!さあ付き合おう!今付き合おう!」

何だ春香の変なテンションは…正直対応に困るぞこれは…



「あっもしかして告白で困ってるとか?仕方ないなー。私から言うよ。秋!付き合って下さい!」

…無言でオレは春香にグランド外での伝家の宝刀…デコピンをした。あぅぅと痛がっている。黙っていれば可愛いんだけどな。



「もう家着いたから。この話は終わり。ただいまー!」


「むー。お姉ちゃん、私は諦めないからねー!ただいまー!」


速く頼むから諦めてくれとオレは切実に思うのだった。






あれから親に今日の事を報告するとかなり心配された。申し訳ない気持ちとこれからしっかりしないといけないという気持ちで一杯だった。



ふぅー。それで今は風呂だ。女の身体には慣れてきて、長風呂はマイブーム。やっぱり落ち着くよなー。日本人の和の心です。お風呂は。


「お姉ちゃん携帯鳴ってるよ。」


春香が大声で伝えてくれた。でもお風呂入ってるし後で掛け直したらいいかな。


「後で掛け直すからほっといて。」

ふうー少し邪魔されたけど至福だー。


「キコエナイヨー!!ドウシタライイノー?」

棒読みで春香が風呂場のドアを開けて顔を出した。


「あっお姉ちゃん!やっぱり身体綺麗「取り敢えず出てけ!!」

その場にあったシャンプーの容器を頭目掛けて投げた。


パンと春香の頭に見事に直撃し、春香は倒れた。…これからは春香には厳しく容赦無く…と心に決める私だった。




一日3回更新。書き溜めといて良かった〜

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