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静脈は地図を越えて(赤)
夜遅く、亜弥は慣れない異国の地で、恋人からのビデオ通話が途切れたスマートフォンを握りしめていた。画面の向こうの悠太も今、同じ空を見上げているはずだと想いを馳せるが、時差と物理的な距離が胸を締め付ける。
孤独を感じ、思わず手首に触れると、静かに、しかし力強く脈打つ自分の鼓動を感じた。ふと、以前悠太が言った「君と僕の血は、遠く離れていても同じリズムを刻んでいる」という言葉が脳裏を過った。
生きているこの瞬間を切り取り、天窓から空を見上げたままベッドで横になる。どうしても掴めない星屑に手を伸ばしゆっくりと瞳をとじていく。
悠太も今、静かに眠っているか、あるいは同じように自分の手首を触り、「静脈が地図を越えて」、自分のもとへ戻ってくる道を辿っているのかもしれない。




