第十章20 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第5試合】17/ハンタン勝負2
双方のチームがルールを理解した所で、勝負に用意する【作品】をそれぞれ選ぶ事になる。
【恋人チーム】は、
(04)【天美女楽園】/(【龍馬案美女図鑑】)、
美女だけの天国や楽園の様なところがあり、そこに居る世界各国の様々な設定の美女達を描いた図鑑。
をチョイス、【夫婦チーム】は、
(02)【他の存在の命を担保に生きていて、自分が殺されてもその別の誰かが代わりに死亡するタイプの命代行型の不老不死】/【エージェンシー・タイプ・アンデッド/(代行タイプアンデッド)】、
をチョイスした。
【夫婦チーム】はアンデッドを主体したその関係者を描いた【ノンフィクション】の【世界観】を題材として提出する事になる。
それぞれの【チーム】は、どちらかと言えば、【犯人役】と言うよりは、【探偵役】に特化した【キャラクター】を多めにチョイスしたようだ。
決着を付けるには【犯人役チーム】で【ミッション】を40回クリアすれば良いので、【犯人役】に適した【隠密能力】に特化した【キャラクター】を多く出した方が良さそうに思えるのだが、やはり、【探偵役】をしている時に、【犯人役】を捕まえるのに適している【探査/捜査能力】に特化した【キャラクター】を重視しないと敵の攻撃ターンの時に負けてしまうと判断して、両チームとも守備を中心に強化したチョイスをした様だ。
また、この両チームの特徴だが、他の試合の様に、相手を倒すと言うバトルをあまり好まない様だ。
【恋人チーム】のメンバーも【夫婦チーム】のメンバーも普段、殺伐とした命のやりとりを普段の生活に取り入れた人生を歩んでいるため、こういう勝負では、あまり命のやりとりを前に出した勝負は提案しないと言う特徴があった。
やはり、命のやりとりをしている者達にとっては、それを回避出来るならそれに越した事は無い。
【キャラクター】であっても勝負のために、悪戯に命を奪ったりする勝負は提案しなかった。
この後の勝負もやはり、敵を殺したり消滅させたりと言う勝負よりも、ゲーム性の高い勝負を提案する事が多かった。
それは、【恋人】と【夫婦】と言う事で、攻めると言う事よりも、守る事を重視しているのかも知れない。
話はそれたが、双方のチームは、【守備側/探偵側】になって居るときは何としても犯人を見つける事に力を注ぎ、【攻撃側/犯人側】になって居る時は、あわよくば40キャラ全員、【ミッション】クリア出来れば良いなくらいの気持ちでプレイしていた。
どちらのチームも勝つと言うよりは、ゲームを楽しむと言う事になっていたのである。
これも初戦と同様に、長い時間をかけた勝負となっている。
また、余りにも決着が付かないので双方のチームの合意の元、途中でルールを変更し、自分のチームの攻撃ターン(犯人側)の時、100キャラ中、10キャラまで変更ありと言うルールを追加した。
それでも決着が付かず、
守備ターン(探偵側)の時、100キャラ中、絶対に犯人ではないと断言できる10~を選択するなど、ルールの追加、変更を繰り返し、最終的に決着がつくまでに20日もかかった長期勝負となったのだった。




