第十章14 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第5試合】11/恋人チームの出逢いエピソード2
【龍馬】は【キトリー】と言うフランス人女性に、【エレオノーラ】は、【ドロフェイ】と言うロシア人男性に罠にはめられ、お互い殺し合うためにお互いを恋人の仇だと認識させられそうになっていたが、【龍馬】の方は、その企みを見抜いていた。
【龍馬】は、彼を殺そうと思って近づいてきた【エレオノーラ】と出逢い、しばらく旅を共にする事になった。
【エレオノーラ】は日本好きであり、世界中を旅して、最終目的地は日本であると言う嘘をつくために、【日本】の文化を徹底的に勉強した。
復讐のためとは言え、勉強した【ジャパニーズカルチャー】は魅力的であり、興味が沸いた。
だが、それはあくまでも【龍馬】を油断させるための【フェイク】だと思っていた。
【龍馬】を殺すチャンスを窺って旅を共にしていたが、【龍馬】の方は、旅先で、美人と見るやいなや、
「お姉さぁ~ん、お茶しない?」
から始まり、
「初めて逢った時から貴女に決めていました。
俺と付き合って下さい」
「君にデスティニーを感じるんだが、俺の気のせいだろうか?」
「君の瞳に乾杯、いや完敗だよ」
「出逢ってすぐだけど、君に惚れてしまった」
「愛していると言わせてくれ」
「君とどうしたら付き合える?」
「この衝動をどうにかして欲しい。
君が欲しくてたまらないんだ」
「君と出会ったのは俺の人生、最大の幸運だ」
「好きです・・・愛しています・・・
あぁ、この言葉では全くこの気持ちを表現した事にはならない」
「君は、女神様か?
一瞬、そう、思ってしまったよ」
等々、次から次へと歯の浮くような台詞をポンポン出してナンパしまくっていた。
その中にはベッドを共にする様な事もあって、はっきり言えば自由過ぎる恋愛をしているんだという印象だった。
【エレオノーラ】は呆れて、
「あ、あんたって・・・節操ないのね・・・
日本人ってもっと奥ゆかしいものだと思ってた」
と言うと、【龍馬】は、
「俺は来る者は拒まず、去る者は追わず主義なんでね。
君もベッドを共にしたかったらいつでも行ってくれ。
スペースは空けておくから」
と返した。
その頃からだろうか?
何となく、【エレオノーラ】にとっておもしろくなくなって来たのは。
彼女は復讐のために近づいているのに、ターゲットの方が楽しそうにやっているのがおもしろく無くなって来たのだ。
それが嫉妬という感情だと気付くのにはまだ少し時間がかかったが。
そして、そんな旅を続けていたが、ついに【龍馬】と【エレオノーラ】が見せ物として殺し合いをする事になった。




