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第097話 その集まりにジュリアも参加することになるんじゃろうか?


 王都の人気店である青船亭にやってくると、昼時なだけあって多くのお客さんがいたが、テーブル席が1つ空いており、なんとか座れたのでおすすめと書いてある魚介の煮込みパスタを頼む。

 すると、すぐにやってきたので皆で食べだした。


「美味しいわね……魚介の香りと味がすごい。ぐつぐつとやらも似たような料理だけど、全然違うわ」


 あっちは辛さがメインだしね。


「我が考案したんじゃぞ」


 サクヤ様がドヤ顔になる。


「これを?」

「うむ。この煮込み料理をパスタにかけたら美味いって思ったんじゃ」

「そりゃ美味しいでしょうよ。でも、それでか……煮込みパスタって書いてあるのにパスタを煮込んでないじゃんって思ったけど、煮込み料理がパスタのソースになってるわけね」


 煮込みはパスタではなく、魚介にかかっているのだ。


「とりあえず、出発の準備はできましたよね? 午後からはどうします?」


 ジュリアさんが聞いてくる。


「別荘に戻って、一休みかなー? それともゲームする?」

「ノルン様がゲームをしているでしょうし、今日は別荘でゆっくりしませんか?」

「そうしよっか。今回はそこまで遠くないし、明日の夜から出るよ。ジュリアさんはどうする?」

「私も行きます」


 また交互に運転かな?

 問題は国境越えだな。

 やっぱり前回と同じく有休かなー?


「タマヒメ様もご一緒します? 星が綺麗ですよ?」

「外は怖い」


 言うと思った……


 俺達はその後も食事を続けていき、魚介の煮込みパスタを食べ終えたので店を出た。

 そして、ジュリアさんとタマヒメ様に先に転移で別荘に戻ってもらい、俺とサクヤ様は東門から出て、少し歩く。


「こんなもんですかね?」


 1キロとは言わないが、500メートル以上は歩いたと思う。


「十分じゃろ。明日の夜はここから出発じゃな」

「はい。では、別荘に戻りましょう」

「うむ」


 俺達は転移で別荘に戻ると、この日は漫画を読んだり、昼間からお風呂に入ったりとゆっくりしながら過ごしていった。


 翌日の日曜日はそれぞれの家に帰り、家のことをしたり、買い物に行ったりと個人で過ごしていく。

 とはいえ、夕方になると、ジュリアさんから夕食の誘いが来たのでジュリアさんの部屋で御馳走になることにした。

 そして、夕食を食べ終え、出発までの間にジュリアさんの部屋で時間を潰していく。


「ハルトさん、この漫画がちょっとおすすめです。今日、本屋で買ってきたんですよ」


 ジュリアさんがテーブルの下に置いてあった漫画を渡してきた。


「新しいやつ?」

「はい。ネットで1話から追ってたやつなんですよ。すごく面白いです」

「へー……」


 ジュリアさんから受け取った漫画を読んでみる。

 ジャンルはやはりファンタジーだ。

 最初の掴みから面白く、どんどんとページをめくっていった。


「……一応、聞くけど、続きは?」

「webで課金ですかね? 2巻は半年後です」


 課金、課金、課金……

 世は大課金時代だな。


「待つか」

「それで良いと思います。経験者が言いますと、ちゃんと限度額を決めておかないとお金がいくらあっても足りなくなりますね」

「お金かー……異世界チャンネルでも作ってみる?」

「魔法でドラゴンを倒すんです? 組合がすぐに飛んできて垢BANですよ」


 だよねー。


「まあ、地道に働くか」

「そうですよ。2馬力で頑張りましょう」


 もうこのセリフからわかるよね。


「あ、そうだ。俺もwebで面白い漫画を見つけたよ」

「何てやつです?」

「これこれ」


 隣に腰かけているジュリアさんにスマホを見せる。


「ほー……見てみます」


 俺達は漫画トークに華を咲かせながら過ごしていき、時刻は9時を回った。


「サクヤ様、アニメを楽しんでいるところすみませんが、そろそろ行きましょう」


 サクヤ様はタマヒメ様とノートパソコンでサブスクのアニメを見ている。


「おう、そうじゃの。我は2周目だから別にかまわん」


 タマヒメ様と2周目を見ておられるからな。


「タマヒメ様、すみませんが、留守番をお願いします」


 ジュリアさんがタマヒメ様に声をかけた。


「わかったー……気を付けてね」


 タマヒメ様はパソコン画面をガン見だ。


「では、行くかの」

「ええ」


 俺達は玄関に行き、靴を履くと、転移で浅井の山にある倉庫に飛ぶ。

 そして、車に乗り込むと、昨日の昼に進んでおいた街道に飛んだ。


「王都はやっぱり明るいですね」


 ジュリアさんがそう言いながらバックミラーを調節する。

 今日はジュリアさんが運転するのだ。


「だねー。じゃあ、行こうか」

「はい。出発します」


 ジュリアさんがエンジンをかけ、ライトを点けると、車がゆっくりと動き出す。


「今回は国境の砦の人を起こしたくないね」

「ですね。どれくらいです?」

「距離的には60キロくらいかな?」


 ノルン様がくれた正確無比な地図を見る限り、そんなものだ。


「となると、1時間半くらいですね。1時間経ったらライトを小さい方にして、スピードを落としますね」


 それでも見えるだろうが、ハイビームよりマシだろう。


「それでいこうか。サクヤ様、見えます?」

「1時間経ったら言え。神眼で見てやろう」

「お願いします」


 俺達はジュリアさんの運転で進んでいく。


「多分、今日には国境に着くと思いますけど、国境越えはどうします?」


 ジュリアさんが聞いてくる。


「明日、風邪引こうと思っている」

「あ、なるほど。私はどうしようかな……」

「ジュリアさんは仕事に出なよ。1年目だし、有休もそんなにないでしょ。多分、ゴールデンウィークの感じから見ても盆や年末も休ませてもらえそうだし、ちょっと貯めた方が良いかも」

「あー、そうですね。そこは一族の集まりなんかかがあるのでどうしても休まないといけませんし」


 浅井さんは大きいからな。


「明日は国境を越えるだけだし、有休は大事に使いなよ」

「そうですね……では、明日はお願いします」


 前回と同じようにサクヤ様と行くか。


お読み頂き、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
風邪がひける会社が羨ましい~(;´д`)
イチャイチャしてる…!>2馬力で頑張りましょう
浅井の集まりはハルトとジュリアで話題で終わっちゃうな
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