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第069話 キャラ


 朝から賑わっている街並みを歩き、駅にやってくると、住居区に向かう。

 そして、住居区にある冒険者ギルドにやってきた。


「ここもそんなに大きくないですよね」


 建物の大きさ的には魔法ギルドと変わらない。


「観光地じゃからな」

「冒険者っぽい人も多くいますけど、大半が観光客っぽいですもんね」


 あれがあるからなー。


「よし、入ってみよう」


 扉を開け、中に入ると、受付は1つしかなく、他のお客さんもいなかった。


「いらっしゃーい」


 受付にいる金髪の若い女性が声をかけてきたので受付に向かう。


「こんにちはー」

「こんにちはー。受付担当のシンディーでーす。ご依頼ですかー? それともおすすめのスポットですかー?」


 観光案内もしてるのかな?


「あ、いや、色々とあるんですが、まずはフロック王国の王都からの荷物です」


 サクヤ様から荷物を受け取り、シンディーさんに渡す。


「えーっと、あ、ホントですねー。あちらのギルドから1週間くらいで着くって聞いたんですけど、本当でしたねー。さすがはドラゴンスレイヤーですー」


 ずっと前に着いてたけどね。


「頑張りました」

「すごいですー。ギルドカードをお願いしまーす」


 そう指示されたのでパーティー用の青いカードをカウンターに置いた。

 すると、シンディーさんはじーっと、ギルドカードを見る。


「ふむふむ……確かにハルトさんパーティーですねー。では、料金の金貨6枚になりまーす」


 シンディーさんが金貨をカウンターに置いた。


「ありがとうございます」


 やったぜ。

 金貨1枚がボーナスだ。


「それとなんですけど、ハルトさんはフロック王国の王都に戻られますかー?」

「ええ。観光が終わったら戻ります。とはいえ、この町には定期的に来るつもりです」


 こう言っておかないとね。

 観光や食事に来るし。


「ありがとうございまーす。それでなんですけど、フロック王国の王都に帰る際はお声がけしてもらえますかー? 逆にこちらからの荷物もあるんですよー」


 そっちもあるか……


「ええ。いいですよ」

「助かりまーす。では、その辺もまとめておきますねー」


 お金を貯めるにはこういうのも大切だな。


「それとは別に仕事をしたいんですけど、いいですか?」

「仕事ですかー? ドラゴンスレイヤーさんですし、大歓迎ですよー」

「実は魔法ギルドからルージュ石を採る仕事をするついでに討伐の仕事をするのがいいんじゃないかと言われたんですよ」

「あ、パパですねー」


 はい?


「パパとは?」

「魔法ギルドのハワードですよね? 私のパパなんですよー」


 似てない……


「そのパパってまともな――」

「ハルト、よく見ると、目元が似ておる」


 サクヤ様が諫めるように教えてくれる。


「あー……まあ」

「よく似てないって言われますー。ママに似たんですよー」


 へー……


「そうですか。それで仕事なんですけど……」

「討伐系でしたねー。ワイバーンをお願いしまーす」


 やっぱり一番はワイバーンか。


「遭遇できたら倒したいとは思っているんですけどね。でも、飛んでいる魔物はちょっと……」

「ですかー。でしたらベビードラゴンの討伐をお願いしまーす」

「ドラゴンですか?」


 そんなのもいるの?


「あ、ドラゴンと言っても竜種ではありませーん。分類的にはトカゲですー。ただ、肉食でちょっと強いんですよー。これが街道や修験道なんかに現れて襲ってくるんですー」

「トカゲですか……大きいんです?」


 俺の頭にはコモドオオトカゲが浮かんでいる。


「そんなに大きくはないですねー。犬くらいでしょうか? ただ群れることもあり、危険なんですよー」

「討伐の証明は?」

「魔石を持って帰ってくださーい。あ、魔法ギルドに所属しているなら魔石をそちらで売っても構いませーん。あくまでも見せていただければ討伐料が出ますー」


 へー……


「それって不正ができません? 倒してなくても魔石があればいいわけですし」


 魔石を使いまわすこともできる。


「あははー……ギルドを舐めないことです。そんな不正は許しませんし、すぐにバレます。そして、即除名し、軍に通報です」


 怖っ……

 さっきまでニコニコと間延びするしゃべり方だったのに……


「そういうことをするつもりはありませんが、確認です」

「皆さん、真面目で嬉しいですー。ベビードラゴンは観光客や住民を襲うのでなるべくいっぱい駆除してくださーい」


 トロッコに乗っていれば襲われないけど、歩く人もいるんだな。


「注意点とかあります? 火を吹くとか? トカゲかもしれませんが、ドラゴンと名が付いているわけですよね?」

「名前を付けたのは昔の人なんですよー。昔は何でもかんでもドラゴンでしたからねー。でも、あれはトカゲでーす。火も吹きませんしぃー、飛びませーん。注意点は山であることですねー。ベビードラゴンはちょこまかと動くんですが、足元を確認せずに追うと、落下ということもありまーす。また、ハルトさん達は魔法使いさんだと思うのですが、倒す際は注意でーす。せっかく倒したトカゲが落下したら討伐証明の魔石を回収できませんからー」


 なるほど。

 確かにそうだ。

 当然、イオナズ〇は使えないし、魔法を選ぶ必要があるな。


「わかりました。気を付けますね。では、ちょっと行ってみます」

「いってらっしゃーい。頑張ってくださーい」


 俺達は話を聞き終えたのでギルドを出た。


「我、あやつが好きになれんな。しゃべり方がムカつく」

「ちょっと間延びしてただけじゃないですか」

「ああいうキャラ付けをする女はロクな女じゃないぞ」

「こてこてののじゃロリ神様が何を言っているんですか……」


 タマヒメ様は普通にしゃべってたじゃん。


「………………」


 黙っちゃった……


お読み頂き、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
推しにクリーンヒットさせるの草
そこに突っ込んだら後は殺し合いだろうが…!
思ってても言わない優しさがあったはずなのに、これ見よがしに特大のブーメラン飛んできたら仕方ないよねw
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