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第141話 休みは良いねー


 ギルドでの用事を終え、別荘に戻った俺達は昼食を食べた後、海で遊ぶことにした。

 水着に着替え、プライベートビーチに行くと、サクヤ様やタマヒメ様の要望通りに波を起こしてあげたりしながら海を楽しんでいく。

 俺とジュリアさんも海に入って泳いだりもしたし、他にも砂浜で俺の氷魔法とジュリアさんの土魔法で合作のピサの斜塔なんかを作って遊んだ。


 俺達は夕方になるまで遊び、海から上がり、風呂に入る。

 夕食は外で魚介類を食べ、別荘に戻った。

 そして、この日も軽くお酒を飲みながら漫画やライトノベルを読みながらまったりと過ごしていく。


「サクヤ様、魔導帝国をどう思いました?」


 漫画を置き、サクヤ様に聞いてみる。


「まあ、人間らしい国じゃなと思ったな。我的にはそこまで悪くないと感じる」


 意外にも印象は悪くないらしい。


「要は魔法使いが偉いって考えでしょ。ぶっちゃけ、私達は何も言えないのよ。そういう家の神だし、実際、あの地域では偉かったからね」


 タマヒメ様もサクヤ様と同意見らしい。

 なお、タマヒメ様には夕食の時に昼間のことを伝えてある。


「俺達もか……」

「そうですね。まあ、現代では何も偉くないですし、むしろ、色々と制限されていますけど」


 ジュリアさんの家は偉いけど、それは魔法使いじゃなくて、政治だからなー。


「ジュリアさんはどう思った?」

「深く関わらなければ問題ないかなと思いました。ここや火の国と違って巫女様もいませんし、観光をメインで考えればいいと思います。ただ、やはりカーティスさんに話を聞きましょう。あの人が一番詳しいでしょうし」

「それもそうだね。まあ、来週か」

「健診もありますよ。日曜日です」


 電話したらそういうことになった。

 今回はちゃんと村田さんもいるらしい。


「明日はどうするの?」


 タマヒメ様が聞いてくる。


「明日は家のことをした後、新居の話し合いですね。家具の配置だったりありますから」

「なるほどねー。一番楽しい時期ね。じっくり話し合って決めなさい」

「そうします」


 俺達は今後の予定を話し合い、お酒を楽しむと、就寝した。

 そして翌日、朝からテラスで海を眺めながらジュリアさんと新居のことを話し合う。


「テーブルはハルトさんの家のやつが良いと思います。ウチのは小さいですし、ハルトさんの家のやつはコタツじゃないですか」


 ウチは昔から冬に大活躍するコタツだ。


「椅子のやつじゃなくていい?」

「私も実家は畳の和室で床に座る生活でしたし、そちらがいいです」

「じゃあ、そうしよっか。家電は基本的にジュリアさんのでいいよね?」


 新しいもん。


「ええ。それで良いと思います」


 ジュリアさんが頷いた。


「――おー、いた、いた」


 声がしたので左の方を見てみると、カバンと小袋を持ったディーネさんがいた。


「おはようございます。どうしました?」

「ちょっとなー。いやー、いい天気だわ。でも、来週は雨だぞー」


 そうなのか。


「来週はフロック王国の王都ですね」

「あ、そうなんか。あっちはわからんわ」


 つれていけばわかるのかな?

 天気予報の仕組みがわからないからどうなんだろう?


「その小袋とカバンは何です?」


 ジュリアさんが聞く。


「あー、これな。まずだけど、この前の依頼料だ」


 ディーネさんが小袋を渡してきたので受け取った。


「依頼料って?」


 何だろ?


「無人島の祈りに付き合ってくれたじゃん。護衛の仕事の依頼料だよ」


 あれってお金出るんだ……

 船で遊んでただけな気がするが……


「いや、何もしてないんですけど……」

「というか、魔石をもらいましたけど……」


 確かに。


「あれはあれ、これはこれ。気にせずに受け取れよー。たいした額じゃないし」


 そう言われたので小袋の中身を見てみると、金貨3枚だった。


「ありがとうございます」

「気にするなー。おかげでリヴァイアサンに愛された巫女ということで格が上がった気がする」


 気がするだけだな。


「それでそのカバンは?」

「あー、なんかここに来る途中で冒険者ギルドの海賊に会ったんだけど、これを持ってたから受け取ってついでに持ってきた。魚だってさ」


 あー、配達依頼か。

 海賊ってことはキャプテンだな。


「わざわざすみませんね。王都に持っていくんですよ」

「ウチの魚は人気だからな。海流の影響で脂の乗った良い魚が獲れるんだよ」


 実際、美味かったしな。


「ディーネさん、魔導帝国に行ったことがあるって言ってましたけど、待遇に差とかありました?」


 ジュリアさんがディーネさんに聞く。


「差? あー、あそこはそういうところだからな。多分、プライベートで行けば、そういうのもあるんだろうけど、私は巫女だからなー。お付きの者も合わせて、巫女様一行だから特にないな。というか、外国からの正式な使者だからそういうことは関係ないぞ」


 あ、それもそうか。

 外交問題になる。


「それもそうですね……」

「まあ、気にしないで良いと思うぞ。嫌だったらすぐに帰ればいいしなー。というか、あの剣があれば向こうも変なことはしてこないな」


 剣?


「あれですか?」


 ジュリアさんが立てかけてあるノルン様ソードを見る。


「女神様の紋章が入ってるから女神様の使者だ。変なことをして、女神様から不興を買いたくないから普通に歓迎してくれると思うぞ」


 あ、そうなんだ。


「なるほど……」

「そういうわけだから気楽に行きな。じゃあ、私は帰る。これから客が来るから会わないといけないんだ」

「ええ。ありがとうございました」

「んー。じゃあなー」


 ディーネさんは明るい笑顔でそう言い、帰っていった。


お読み頂き、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
まぁ国同士の使節団相手に待遇の差をつけようとするほどキマってはいないわな。
聖剣と言うか神剣だからなぁ…権威的にはもうオーバーキルでしょ。後はハルト氏の魔力の大きさだけでもかなりショッキングなのでは?
そりゃ自分とこの唯一神の加護持ちに喧嘩売りたい奴はいないw
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