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第137話 3連休!


 ジュリアさんと毎日のように今後のことを話していると、あっという間に土曜になった。

 今日から3連休であり、非常に楽しい3日間が始まる。

 初日の今日は新居の内見であり、ジュリアさんが朝からウチに来ていた。


「サクヤ様も行きます?」

「我は良い。何度も言うが、おぬしらで決めよ。我のことは神棚と思え」


 自己主張の強い神棚だな……


「タマヒメ様はどうされます?」

「私はそもそも浅井の神よ。たまに遊びには来るけど、岩見のあんたらの新居に関与しない。2人で好きに決めると良いわ」


 たまに?

 毎日、顔を見るんだが……


「ノルン様は何かあります?」


 今日も朝からゲームをしているノルン様にも聞く。

 なお、また新しいゲーム機がウチに加わった。


「テレビがあればいいです。もうちょっと大きいテレビが良いですけどね」

「ジュリアさんの家にあるテレビはもう少し、大きいですね。それをリビングに置く予定です」

「ならば、何もありません。ところで、なんでこの私が悪魔の子って言われないといけないんですかね?」


 勇者のるんがなんか牢獄に捕らえられている。


「そういう話では? すみませんが、最近のゲームはわかりません」


 あとで俺もやろ。


「そうですか……本当にご結婚されるんですね。では、祝福を与えましょう」

「もうもらってますけど……」


 指輪をもらっている。


「それはただの飾りです。ハルト、ジュリア、右手を出しなさい」


 ノルン様がまったくこちらを見ずに言う。


「えーっと……」

「こうです?」


 俺とジュリアさんがノルン様に向けて、右手を差し出した。

 すると、ノルン様がコントローラーを置き、振り向くと、俺達の右手を重ねた。

 そして、俺達の手を覆うように被せる、


「浮気は厳禁。離縁したら不幸に……」


 えー……


「呪いみたいですね」

「神の祝福は呪いのようなものです。それだけ効力があるのです」

「へ、へー……」


 なんか怖いな。

 別れる気も浮気する気もないけど。


「あなた達は空気感が同じで相性が良いです。それに他人を思いやれる人間なので普通にしていれば幸せを掴めるでしょう」

「ど、どうも……」

「ありがとうございます……」


 なんか恥ずかしい。


「この世界には親ガチャ、子ガチャというしょうもない言葉があります。ですが、実際、家族というのは選べません。ですが、唯一、選べる家族が伴侶です。自分が選んだ相手を不幸にしてはいけませんし、その伴侶で不幸になってはいけません。良いですね?」 


 さすがはノルン様。

 良いことを言う。


「わかりました」

「そのように致します」

「よろしい。あなた方に子供ができた際は私が名前を付けてあげましょう」


 ありがたいんだが……

 この人、ノルンソードって名前を付けた人なんだよな……


「ありがとうございます……」

「すごく嬉しいです!」


 あ、DQ……良い名前になるだろうな。


 俺達はノルン様からありがたいお言葉をもらうと、家を出て、車に乗り込む。


「あっつ……」


 今日は晴天であり、すでに気温は30°を超えている。

 そのせいで車内の温度がものすごいことになっていた。


「まだ宣言はされてませんが、もう梅雨も明けていると思いますね」


 俺もそう思う。

 まあ、梅雨明け宣言は後から明けてましたって言うからな。


 エンジンをかけ、エアコンをマックスにし、不動産屋に向かう。

 そして、不動産屋にやってくると、駐車場に車を止め、中に入った。


「いらっしゃいませー。ご予約のお客様ですか?」


 女性の店員が応対してくれる。


「はい。予約していた浅井です」


 ジュリアさんが答えた。


「かしこまりました。どうぞこちらに」


 店員さんが勧めてくれたのでカウンターにつく。


「俺、数年前もここだったよ」

「私もです。というか、この店員さんだったと思います」


 俺もそんな気がする。


「お待たせしました。こちらの物件の内見でよろしかったですか?」


 店員さんが書類と間取り図を持って、対面に座った。


「はい」

「御二人で住むということでよろしいでしょうか?」

「はい。結婚するんです」


 ジュリアさんが笑顔で答える。


「それはおめでとうございます。御二人の新たな門出のお手伝いができるように精一杯努めさせていただきます。こちらの物件の他にも内見を希望する物件はありますか?」

「えーっと、これも見たいですね」


 ジュリアさんがスマホを取り出し、操作しながら店員さんに見せた。

 この前見た2DKだ。

 新築はまだできていないので仕方がない。


「かしこまりました。では、早速参りましょうか。車を出しましょうか?」

「いえ、場所もわかりますし、自分達の車で行きます」


 店員さんがいると、車内であれやこれやの話ができないからな。


「かしこまりました。では、まずはこちらの物件に参りましょう」


 俺達は店を出ると、それぞれの車に乗り込み、1LDKのアパートに向かう。


「実はさ、今から行くアパートなんだけど、サクヤ様とタマヒメ様が事前に見に行ったらしいよ」


 昨日、そう聞いた。


「そうなんですか?」

「暇だから行ってみたんだって」

「へー……何ておっしゃられてました?」

「さすがに中までは入ってないらしいけど、外から見る限りでは悪い気も感じないし、閑静な住宅街で良いんじゃないか、だって」


 神様だから悪い気とかわかるらしい。

 まあ、3神もいれば悪い気も消し飛びそうな気もするけどね。


「なるほど。それは良いことを聞きましたね。ありがたい限りです」


 ホントにねー。

 しかし、どうやって行ったんだろう?


お読み頂き、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
そこまで気づいたら後をつけられてることに思い至らんかね?ノルン様は別にしても。 にしてもノルン様……ちっとも祝福になってない気がするんだが、見えない加護とかくれたんだろか?でなけゃホントにただの呪いだ…
神様が悪い気があるとかいったらシャレにならねえですよね
本当はお節介焼きたい神様's
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