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第123話 見つけた!


 海を楽しんだ俺達は昼になり、海から上がると、順番にシャワーを浴びた。

 そして、最後に俺がシャワーを浴び、着替えると、リビングに戻り、皆で昼食のカップラーメンを食べる。


「あー、この身体に悪そうな塩分が身体に沁みるのー」

「うん、美味しい」

「私も食べたことがありますけど、その時より全然美味しいですね」


 海であれだけはしゃいだ後だし、昼食は簡単なカップラーメンにしたのだが、めちゃくちゃ美味い。

 ただ、ちょっと眠くなってきた。


「よし、釣りに行くわよ!」

「どっちが大きいのを釣れるか勝負じゃな」


 神様は元気だなー。


「ジュリアさんは大丈夫?」

「ええ。楽しみです」


 ジュリアさんもやれるらしい。


「じゃあ、行こうか。俺はちょっとエサを買ってくるよ」

「わかりました。片付けをして、準備しておきます」

「お願い」


 食事を終えたので別荘を出ると、東の大通りにある店でエサのミミズみたいなのを購入した。

 そして、別荘に戻ると、防波堤の方に3人の姿が見えたので向かう。


「どうしましたー?」


 3人は防波堤から下の海を覗いていた。


「いや、魚がおるなと思ってな」


 サクヤ様がそう言うので下を覗いてみると、確かに魚が泳いでいた。


「釣れますかねー?」

「どうじゃろ? やってみ?」

「わかりました」


 置いてある釣竿を拾うと、針にミミズを付ける。

 そして、ちょっとだけ投げると、ぽちゃんと海に落ち、黄色い浮きが浮いた。


「あれが沈んだら引くんですよね?」


 ジュリアさんが聞いてくる。


「そうそう。まあ、気長にやろうか。エサは付けられる?」


 ミミズだけど。


「大丈夫です」


 ジュリアさんもエサのミミズを針につけた。


「ねえねえ、浮きが見えないけどー」

「引いておらんか?」


 タマヒメ様とサクヤ様がそう言って、服を引っ張ってきたので海の方を見ると、確かにさっきまであった浮きがない。


「えい!」


 竿を引くと、ググッという感覚と共に竿がしなった。


「釣れとるじゃないかー!」

「早く上げなさいよ!」


 2人の神様がバンバンと叩いてくる。


「今、上げますから」


 リールを巻いていくと、水面がきらりと光った。


「おー……」


 ジュリアさんが水面を覗き込み、声をあげる。


「上げるよー」


 そう言って釣り上げると、20センチくらいのアジみたいな魚がついていた。


「おー、魚じゃ」

「まあまあじゃないの」


 そのまま2人のもとに魚を持っていくと、タマヒメ様が針から魚を外し、サクヤ様とサイズを計り始めた。


「食べられるかな?」


 見たことがない魚だったのでジュリアさんに確認する。


「市場で見た魚ですし、大丈夫だと思います」


 まあ、毒があってもノルン様の美しさと同じくらいに完璧と評判のワクチンがあるから大丈夫か。

 何しろ、フグも大丈夫らしいし。


「22センチじゃな」

「これを超えればいいわけね」

「そういうことじゃの」


 2人の神様は釣竿を取ると、針にエサを付け、海に投げた。


「ジュリアさんもやってみなよ」

「はい。やってみます」


 釣った魚を持ってきたクーラーボックスの中に入れると、3人の釣り風景を眺める。

 すると、3人が同時に竿を引いた。


「「来た! 23センチ!」」


 仲良し。


「巻けばいいんですかね?」

「うん、巻いてー」


 3人がリールを巻いていくと、魚を釣り上げる。

 サクヤ様とジュリアさんは俺が釣った魚と同じだったが、タマヒメ様はまた知らない魚だった。


「何これ?」


 タマヒメ様が首を傾げる。


「知らん。とりあえず、クーラーに入れとけ」

「その前にサイズを計るわ」

「チッ」


 まあ、どう見てもサクヤ様が釣った魚よりも大きいもんね。


「28センチ。もう私の勝ちじゃない?」

「まだ始まったばかりじゃろ」


 2人の神様は魚をクーラーボックスに入れ、釣りを再開した。

 ジュリアさんも釣った魚をクーラーボックスに入れる。


「この調子だと結構釣れそうですね」

「今日で食べられない分は冷凍かな? 手分けして保存しようよ」

「そうしましょうか。地味に魚って高いですし、ありがたいです」


 確かに高いねー。

 ウチはおかげで豚肉と鶏肉ばっかりだわ。


 俺とジュリアさんも釣りを再開し、その後も何匹も釣り、楽しんでいった。

 よくわからない魚も釣れたが、とりあえず、釣った魚は全部クーラーボックスに入れていく。


「釣れるかー?」


 水平線を眺めながら浮きを見ていると、声がしたので振り向く。

 すると、ディーネさんが立っていた。


「あれ? どうしたんです?」

「巡回という名のサボり」


 あ、そう……


「ちょうどいいところに来てくれました、ちょっと魚のことを聞いてもいいですか?」

「おー! 聞け! 聞け! 仕事だ!」


 ジュリアさんが聞くと、ディーネさんが嬉しそうな顔になる。

 どう見てもサボりの口実を見つけた顔だ。


「この魚を釣ったんですけど、食べられますかね?」


 ジュリアさんがクーラーボックスを開けた。


「おっ! 釣れてんじゃん! 全部食べられるぞー。こっちの魚は焼くか油で揚げると美味い。こっちは煮込みだな。そんでもって、これは何にでもできる」


 詳しいな。

 さすがは水の巫女。


「へー……じゃあ、唐揚げと煮付けにしようかな……」

「よくわからんけど、いいんじゃね? なんでも聞けよー。私は今、お客様が毒魚に当たらないように見張る仕事をしているんだ」


 サボる口実を見つけたんだって聞こえた。


お読み頂き、ありがとうございます。

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タマヒメ様がウッキウキて嬉しいわ〜 そして巫女様ブレないな。すきw
ノルンワクチン羨ましぃ…
もはやノルン様に洗脳されてない?
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