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特訓③そして実戦へ

「ウホアッ!!!!」


メタルゴリラは俺に向かって飛び掛り首に手を掛け締め上げようとしていた。


「ングゥッ!!」

メタルゴリラの剛力で首が締められてる俺は何とか腕を剥がそうと試みるけどぴくりとも動かない

「リク!このままじゃ絞め殺されるよ!リクの今の筋力じゃゴリラの手を剥がすことはできないから腕を切り落として!」

いや、そんなこと言われたって腕はメタル皮で覆われてるんだって・・・!


体内の酸素が薄くなり意識が朦朧としてゆく


「ウホホホホホハハァ!!ww」

「ググゥ・・・ッ!」

首を絞められ顔を真っ赤にしている俺を見て楽しく思ったメタルゴリラは笑いながら更に首を握る力を強めた。

きっと反応を楽しんでいるんだろう、だってコイツはいつでも俺の首を握り潰せる筈なんだから。


「ち、ちくしょぉ・・・!」


俺はダメ元で剣を握ると、俺の首を閉めている腕に向かって一撃を食らわせた。


一点にのみ魔力を集中させる感覚・・・!!


「ウホ?」


やっぱり、今の俺にはそんな強技・・・。


「ウホアアアア!!!!」


急にメタルゴリラが手を離した。俺は地面に膝を着き激しく咳き込みながらメタルゴリラの方に目を向ける。

「何で急に手を離した?」理由はすぐに分かった。

メタルゴリラは俺の首を握っていた片腕を抑えていた。

足元を見るとパラパラとメタル皮の破片が落っこちいる。


「その感覚よ!リク!」

「え?」

「今の感覚の精度をもっと上げる感じで!相手が狼狽えてる今のうちに!」


確かに追撃するのは今のうちかもしれない、メタルゴリラは片腕を抑えたままでさっきのようにすぐに飛び掛って来ない。だが、それも束の間腕を負傷した怒りの矛先が俺に向けられて、腕を抑えた姿で俺を睨みつける。


「簡単に言ってくれやがって!」

「さっきは死ぬ寸前だったから無我夢中で感覚はほとんど覚えてねえよ!!!」と、思いながらも。今は攻めるチャンスだよな!一点に力を集中させる感覚・・・!もう一度やってみるか!


俺は地を蹴り腕を抑えながら睨むメタルゴリラに全速力で接近すると、その勢いのまま振りかざした剣でメタルゴリラのメタル皮に覆われた横腹に向かって一撃を喰らわせた。


「このまま一点に力を集中させてぇ・・・!!」

「ウホホホオ!!!!」


激怒状態のメタルゴリラは俺の頭を殴り砕こうと腕を上げる


「ヒィ!?」


この腕が振り下ろされたら確実に死ぬ。


「おい、セフィーあれまずいんじゃ?」

「いいえ、もうちょっと待って。」

「で、でもよ・・・!」

「あ!ホラ!!」


「ウオオオオ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ!!!!!」


一糸壊(ナノブレイク)


バリリィィイイン!!!

剣の刃と接していたメタル皮が砕けるとスルスルと刃が通って行き横真っ二つにメタルゴリラを斬り裂いていた。上半身が地面に落ちると身体が霧になるように崩壊して行き倒れている残り9体のメタルゴリラも霧となり消えて行く。メタルゴリラ全てが消えた直後スクィーバーの時のようにレベルが上がる感覚が俺の体内で沸き上がった。


「お疲れ様」

「ほ、骨折れてるから…はやく治療して…くれ…」

「リク!?」

首を絞められ脳の酸素が薄くなり今にも気を失いそうな俺は最後の言葉を振り絞った後そのまま気絶した。


気づくと私服のセフィーが俺のそばに座っていた。

「リク…その…今日は頑張ってたからさ…ご褒美に好きな所触って良いよ…」

「え?な、なに!?いきなり怖いんですけど!?」

「私じゃダメか?」

「ダメとかじゃなくてって!らしくないっつーか!」

「私は本気でリクにご褒美をあげたいって思ってるんだけど?」

「マジで良いの!?前みたいに途中でやめにしない?」

「しないよ、ほら好きにして…」

「うおおお!!いただきまああああす!!!」

俺は甲冑の無い無防備なセフィーの胴に手を伸ばし触れた…!ん?なんか硬い…?思ってた感触と違うな…


「おい、おめぇどこ触ってんだ」

「はっ!!!!アニー!?!?」

気づくと俺はベンチ椅子の上で横になりながらアニーの屈強な上腕筋を触っていた。

「お!?もしや、筋力上げに興味があるのか!?」

「いや、そういう訳じゃ…。」

「どうせ如何わしい夢でも見てたんでしょう。」


扉が開く音がするとセフィーが入ってきた戦闘着を着用したままで、その彼女の後ろからルドがテトテトと着いてきていた。

「目が覚めたノコね!もう!心配したノコ!丁度部屋の前を通ったらアニーさんに担がれてボロボロなリクさんが出てきたノコだから!」


「ルドちゃんが自分の作業部屋には治癒薬あるからってこの部屋に連れてきてくれたってわけ。まぁ、治癒は結局私がやったんだけど横になる場所を作ってくれたのはルドちゃんよ。」


よく自分の状況を見ると身体の上には毛布が掛けられベンチ椅子にも柔らかい布が敷かれている。


「ありがとう。ルド。」

「そんな大したことないノコ〜それよりあんなボロボロになるまで特訓してたってコトは相当ハードな特訓だったんじゃないノコ?」


「はい、それはもう大層…。」

「ってことはレベルも…」

「いいえ、1レベルも上がってません。」

「え?」

「はい・・・」

「嘘ノコよね?」

「ほ、本当ス…。」


「ルドちゃん、リクがレベルを上げるにはこの魔瓶(マジックポット)に入ったエネルギーを魔物の魔霧(マジックミスト)と混ぜる必要があるの」


「混ぜないとダメノコか?」

「うん。ここに入ってるエネルギーは仮魔霧(イマジックミスト)と言って現実世界じゃ経験値として人に取り込めないんだけど現実の魔物の魔霧(マジックミスト)と混ぜれば取り込める様になるんだよ。」

「なんか周りくどいノコね」

「まぁ、あくまで見習いの特訓用だからある低度のレベルに言ったら実戦を続けた方が早いけどね。」


「という訳で、明日実戦ね。」

「え?もうっすか?」

「実際どれくらいレベルが上がるのか分かった方が良いでしょう?大丈夫リクに丁度良さそうな魔物さっき見つけたから!」


「ここの魔物ってあっちの世界の遥か上の強さじゃなかったっけ?」

「大丈夫サポートするから。じゃ、今日の特訓はこれでおしまい。あとは栄養取ってゆっくり休みなさい。」

「は、はぁ…」

「じゃあ私はこれで。ありがとうね。ルドちゃん」

「いえいえノコ!僕も受付に戻らないとだから一緒に失礼しますノコ…」

ルド「お二人ともゆっくりしていて良いノコよ。」

「あ!そういえばさっき教えてくれた飯屋さんのメニューでオススメってある?」

「オススメ、ノコ〜?」

会話しながら2人は部屋を後にした。


「実戦かぁ…」

「セフィーのことだから大丈夫だろ。そんな急に即死級の魔物と戦わせたりしないって」

「だと言いけど…」


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