表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/24

特訓開始!② 改稿済み

成体の仮想スクィーバーの攻撃を何とか全て躱ししながら隙を見て攻撃を当てて時間を掛けて倒した。幼体のスクィーバーとは違い最低でも2回最大は5回攻撃を当てなければ成体一匹は倒せなかった。

・・・小休憩を挟みながらとは言え軽5体のスクィーバーと戦い俺の体力は限界に達していた。


「ゼェ…もう…!もう無理っす…セフィーさん…!ゼェ…」


「バテるの早いわよ!さっき休憩したばかりじゃないっ!」


「いや…成体のコイツ…ゼェ…速さおかしいって…!ゼェ…ゼェ…」


「いいから特訓よ!特訓!」


「は!!そういえば昨日言ったレストランに15時限定のスイーツ盛り合わせがあったような…!」


「な、なんだって!?」

仁王立ちしていたせフィーが持っていた剣を投げ捨てツカツカと俺に近寄った。


「それ、本当でしょうね?」

セフィーが俺に顔を近づけ目を見開きながら言う


「お、おう、昼飯食ってる時にセフィーはパフェのページに夢中だったけどもう一枚のメニュー表に書いてあったぞ…。」


「そうゆうことは早く言いなさい!ほら!休憩終わり!リク!魔瓶(マジックポット)の蓋開けて!」


セフィーは甘党なのだ。ほっ…特別メニュー確認しといて良かった・・・。


「アニーはどうする?」

「そりゃあ、行くに決まってるだろ!」


そう、このパーティー…俺以外全員甘党なのである。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

本日二度目の休憩時間が終わり、再び冒険者ギルドの地下に俺とアニーとセフィーの三人が集まった。


「さあ!次の仮想戦闘の相手はメタルコングだよ!」


セフィーは俺の目の前に立ちパンパンと手を叩いた。きっと特訓開始の合図だろう。何故かセフィーの顔を見るに楽しそうなのが気になるけどきっと満腹になって幸せモードになってるだけだ。うん、まさか俺をしごくのを楽しんでるわけではない…と思う。


「メタルコングか…」


あっちでは“最強“になってたから気にして無かったけどアニーの斧筋破壊(アイアンブレイク)を出力最大で喰らわしてやっとダメージを喰らうぐらい肉体が頑丈なゴリラだっけ。


「さあ、仮想空間を展開するわよ!」ごはん食べて魔力も回復した事だし、次の仮想モンスターは連続生成にしましょう!」


俺は、マジかよ…といった表情をセフィーに向けた。


「な、何体連続で生成するつもり?」


「100体くらい?」


「マあ!?!?!?!?」


「冗談、今日は10体にしましょう。というか、創造魔法を使った後に回復魔法使えるのは私の魔力値じゃ無茶をしても50体が限界だから」


「そ、そうなんだ…」



「文句ある?」


「い…いやっ!全然!」


そうか…無茶したら50体も…くれぐれも無茶しないで欲しい!出来れば一生!


「まあ?魔力ドリンクをがぶ飲みして魔力を循環させれば可能っちゃ可能だけど…いまお腹いっぱいだし。ちょっときついかな」


腹いっぱいじゃなけりゃやるつもりだったんかーい!!


「じゃあ、はじめるわよ。構えて」


「押忍!」


俺は剣の柄を握りしめ構える。

部屋に仮想空間の道場が展開されると、紫の腹部に銀色の鋼の肉体を持ち顔面は黒色のゴリラが姿を現した。


仮魔霧(イマジックミスト)を取り込み俺はレベルを上げる。


「久々だな。メタルゴリラ見るの」


アニーは腕を組みながら懐かしむように言った。


「俺にも今度トレーニングで使わせてくれよセフィー?」



「今のアンタには物足りないでしょう?まだマモノノ森入ってすぐに住んでた魔物じゃない」


「そりゃそうか………」


そんなやりとりをしている。二人を横目に俺はメタルゴリラの様子を伺っている。


メタルゴリラは地面に腰を下ろしたかと思うと大きな欠伸をした


「ん?」


紫の腹をポリポリかいた後にそのまま横たわり

眠ってしまった。


「あの…これどうゆうこと?」


「あ、ごめん。満腹なメタルゴリラを創造しちゃった…。私がお腹いっぱいになったばっかりだから」


何やってんスカ。セフィーさん…。いや、でもこれはラッキーかも?


「てことは、1戦目は不戦勝ってことでいいかな?」


「なわけないでしょ。威嚇するなり、斬るなり、殴るなりして無理矢理ソイツ起こして戦いな」


ほれ、行った!行った!と言う風にセフィーは俺に向かってシッシッと手を払っている。


「そこをなんとか不戦勝に・・・」


シッシッシッシッ…


これは起こして戦うしかないか…と、1戦目不戦勝を諦めた俺は恐る恐る近づく、メタルゴリラはうつ伏せになりながらイビキをかいて寝ている。いびきをかく


俺は剣をメタルゴリラの背中に振り下ろした。


「ガッッッ!!!!!」


直後に声を上げたのはメタルゴリラでは無く俺だ。あまりにもの硬さに刃を背中に打ち付けた瞬間全身に電撃の様な衝撃が走った。


「いやいやいや、硬すぎ!硬すぎ!」


鋼で覆われていない腹の部分は隠れてるし、これ本当に起こせるのか?」


俺は二撃目を次は腕に向かって下ろした。


「グゥ!!!!!!」

一撃目と同じ電撃が走るような感覚が刃を打ち付けた瞬間に全身に走った。


俺は三撃目をメタルゴリラの頭に向かって振り下ろした。


「ズッッッッ!!!!!」


二撃目と同じ電撃が走るような感覚が刃を打ち付けた瞬間に全身に走った。いや、正しくはもう感覚すら痺れすぎて薄れている。


ただ、二撃目と最後まで同じにはならなかった。

一瞬目を覚ましたメタルゴリラが俺に向かってバンチを放ったのだ。


攻撃のスピードはスクィーパーと比べたらトロかった。

反応が間に合った俺は防御の姿勢を取れたのだが、メタルゴリラのパンチはあまりにも重い一撃で受け止めきれずに俺はそのまま後方にふっ飛ばされた。


「ガハッ!!!!!」


仮想空間の端に俺は背中を強く打ち付けた。


そのまま持たれ込むように地面に倒れた俺は直ぐ様両手を使い上体を背面反りに近い姿勢でゴリラの方を見ると再びイビキをかいて寝てしまっている。


口から血の味がする…。もし直撃を防げずにあのパンチをモロに食らっていたらタダじゃ済まなかったかも。


動きには対応できるから、次あのパンチが来たら交わしてカウンターをキメるとしよう。


「いてて…うぅ…これが一戦目ってマジかよ。。。」


「ほらほら、同じ種力値(ステータス)のコイツがあと9体待ってるんだから!さっさと倒さないと進まないよ〜!」


「わかってるよ!そんなことこっちは!!」


遠くから文句を言ってくるセフィーに対して俺はキレ気味に返した。


でもこのままじゃ進まないのは本当だ。セフィーの魔力切れを待つのも有りだが現実的ではない。

きっと時間稼ぎしてるのに気づいて今の特訓よりひどい目に合わされるに決まっている。


今日何度目かの観念をした俺は立ち上がると、地面に落ちた剣を拾って振り翳すとメタルゴリラに向かって一直線に走った。


「このやろおおお!!起きろおおお!!!」


寝ているメタルゴリラの背中に一撃を喰らわした。

また電撃が走るような感覚が柄を持つ手から全身に伝播する。


だが、次の瞬間。

ゾクゾクゾクゾクッッッと悪寒が走った。

その原因は今の一撃で起きたメタルゴリラが

放っている魔圧によるモノだったのだ。


「怖い。。。帰りたい…」


メタルゴリラが発する圧に押されて俺は思わず涙目になってしまっている。


明確に俺を敵と察知したのかメタルゴリラは起きると俺に向かって


「ウグオオオオオ!!!!!!!」  


と吠えた。魔圧と重なった咆哮の恐ろしさは多分集合前にトイレに言ってなければ俺は確実に漏らしていたであろう。


「無理無理無理」


…と俺は泣きながらセフィーの方を見て首を横に振るがセフィーも同じように「だめ」と首を横に振った。


メタルゴリラが立つ方向に視線を戻すとそこにはメタルゴリラの姿は無かった。


一瞬にして地面を蹴り目の前の俺に向かって飛びかかって来たのだ。


しかも速い!!


俺は後ろに避けた。メタルゴリラのパンチが地面に当たり仮想の地面にヒビが入る。


だがメタルゴリラは直ぐ様もう片方の腕で俺に殴り掛かってきた。


これは避けれない、だけど受けたらタダじゃ済まない…魔圧により威力もさっきとは別格になってるだろうし。


だったら、攻撃をぶつけてしまえばいいじゃないか。


って、バカか俺は!!何考えてんだ!防ぎきれない程重い攻撃なのに俺の攻撃で跳ね返せるわけがないだろ!!という咄嗟の思いつきに対する反論が俺の頭の中で生まれるより先に俺はメタルゴリラのパンチに向かって横薙ぎ払い攻撃を喰らわしていた。


剣とパンチがぶつかった衝撃により俺とメタルゴリラは同時に後方に弾き飛ばされた。

俺は足を踏ん張りブレーキをかけて勢いを止め仮想空間の端にぶつかる直前に踏ん張り停止した。


メタルゴリラの方を見ると俺と同じように端にぶつかるより先に足で踏ん張っていたのか地面がゴリラの足二つ分平行に抉れていた。


「ウホッウホッウグオオオオ!!!」


メタルゴリラは吠えながら両手で自身の胸を叩き出した。その直後メタルゴリラの体から青色のオーラが吹き出した。


メタルゴリラが俺を真っ直ぐ視認すると、ゆっくり歩いてくる。

今度こそ俺を殴り殺してやると言ってるかのように凄まじい殺気を纏いながら。


俺は状況を整理する、動きは速くないから避けるしかない、俺の防御力値では魔圧により強化されたパンチをノーダメで防ぎきるのは難しいだろう。


だけど、避けるだけじゃこの特訓は終わらない。


この剣で倒さなきゃいけないんだ!だが、あの強固な鋼の皮膚に覆われた身体に一撃を入れられた所でダメージを通せそうにもないし…。


メタルゴリラが地を蹴り俺に飛び掛かる。


拳を握り締め俺の顔目掛けてパンチを喰らわしてきた。

その瞬間俺には見えた、

ゴリラの拳を覆っている鋼の皮膚が剣で斬られたかのような形で傷ついているのが。

向かってくるメタルゴリラの拳をしゃがんで躱し、ゴリラの拳は仮想空間の端にぶち当たった。


俺が頭上を見るとゴリラがしゃがんでる俺の方に顔を下げた。


視線が合ったその時俺はゴリラが二撃目を入れようとしているのが目つきでわかった


ガガッ!!! 


ゴリラが壁に減り込んだ拳をひっこ抜く


俺は二撃目に備えて躱す準備をしている。


頭上からゴリラが拳を凄い勢いで振り下ろした。


俺はその拳をしゃがんだ状態から足をバネにして横に飛んで躱した。


だが、二撃目は拳だけでは終わらなかった。


横に躱した俺を逃さないとばかりに続けて蹴りも飛んできたのだ。


地面から飛んだままだった俺はゴリラの蹴りを宙に浮いたまま更に横に体を仰け反らせる事で直撃は躱せたがゴリラの足を覆っているオーラが俺の脇腹を掠った。


ただ掠っただけなのに脇腹を抉られたかのような衝撃が伝わった。ズザーーーーッ。地面に着地すると俺はゴリラの方に目を向け、そして思い出す

ゴリラの拳の鋼の皮膚が割れていた事を…


「ま、まぐれかもしんないけど…」


目を閉じて俺は剣の柄を握る腕に力を籠める。


スーーーッ。口から大きく息を吸ぅ。殺気が迫ってくるのが目を閉じていても感じ取れた。

俺は迫りくる殺気に目掛けて渾身の力を込めて剣を振った。


ズガバァァッッ!!!!


目を開くと俺が振った剣の刃が俺に殴りかかっていたゴリラの拳を縦に腕と肩ごと斬り落としていた。


「やった!!」


だが、致命打にはならなかった。腕が縦に抉り斬られ驚きの表情はしたがまだ消滅はしていない。


「だーと、思ったよ!」


俺は一撃入れた直後の剣の刃の向きが上になるように持ち替える。ゴリラがもう片方の腕で殴ろうと腕を振り翳した瞬間


「だけど、こっちならどうだ!!」


紫色のゴリラの腹に目掛けて斬り上げの一撃を喰らわした。


「ウッホオオオオオ!!!!!」


メタルゴリラは絶叫した。鋼に覆われていない腹に斬撃が当たって刃で裂かれた腹から血が吹き出す。拳を振り翳したままメタルゴリラは白目を向いて前に倒れた。


だが、これは連戦の仮想戦闘。一体目のメタルゴリラが倒れた矢先に二体目のメタルゴリラが空間の中心に姿を表した。


二体目のメタルゴリラは腹から血を流し横たわる一体目に気づくと周りを見渡し俺に気づくと攻撃の姿勢を構えた。


一体目と違い明確に敵と認識された様だ。メタルゴリラは同じメタルゴリラが負傷していると周囲に襲った敵がいないか確認する本能がある。敵の姿に気づくと襲うか逃げるか…どちらかの行動を取るがこのメタルゴリラは“襲う“を取ったようだ。


メタルゴリラは俺に向かって走り出すと数メートル前の地点で飛び上がり拳を振りかざし俺の頭に向かってパンチの一撃をくり出した!


「最初の奴もこうだと良かったんだけどな〜」


言うと俺は上体を下げてゴリラの拳を躱すと目の前のガラ空きな腹部に向かって剣を突き刺した。

突き刺した剣を抜くと続け様一文字斬りを紫の腹部に追い打ちで食らわした。


「ウボァ!!!!」


メタルゴリラは吐血すると腹から流血しながら落下し2体目もリタイアとなり再び3体目が空間の中心に姿を現した。


「突破口が見えたらこっちのもんだもんね!最初はどうなるかと思ったけど!」


3体目から8体目に掛けて同じ戦法でメタルゴリラを斬り倒した。中には一体目と同じで腹を地に向けたまま昼寝してしまう個体もいたが何とか叩き起こしてから斬り倒して行った。


だが、8体目は戦闘中も一項に弱点の腹を見せない。


「これじゃあダメージ与えられないよ・・・。それなら・・・!」


腹の次に防御が柔らかそうな顔面を斬ろうとするも届くこと無く刃を捕まれ投げ飛ばされてしまう。腹を警戒していて生き物として一番の弱点である頭が近くにある顔を警戒しないはずもないのだから、当然っちゃ当然だけど。


「顔もダメ、腹もダメ、どうやって隙を作りゃ良いんだ」


それに腹に向かってカウンターを決める為にメタルゴリラ達の攻撃を躱し続けていたから体力もだいぶ消耗している。


「おーい勇者くーんもうバテたの〜?」


セフィーが俺に向かって野次を飛ばす。


それに構わずメタルゴリラは倒れたままの俺に向かって飛び込んで両足同時蹴りをくり出した。俺は咄嗟に転がり致命打は躱したが衝撃により数メートル飛ばされた。


「うるさいなあ!今頑張ってるんだから!」


立ち上がるとメタルゴリラは俺に向かって箸って駆けると連続パンチをくり出した。


「ウホホホホホホホホホホホ!!!!!!」


「わわわわわわわわわわ!!!!!!!」


俺は何とか連続パンチを躱し続ける。


「リクさあ、何で腹と顔しか狙わないの?」


「はあ?弱点がそこしかないからだろ!」


「確かに弱点はその2つだけどメタルの所も斬ろうと思えば斬れるよ。」


「えっ?」


俺が躱すのを一瞬だけ止めた瞬間、俺の顔横に連続パンチの一撃が命中した


「ぶばぁ!!!!」


俺は50メートルぐらい殴り飛ばされた。


「いててて…」


「ほーらぁ避けるのやめるから〜」


「サフィーが変なこというからでしょう!!」


起き上がるとセフィーは俺の目の前に立っていた。


「はやっ・・・!相変わらずスピードもエグいな。あそこから一瞬で俺の所まで移動するなんて」


「そりゃあね。あの最強の勇者様と旅を共にしたんだからね!」


「こんな状況で嫌味言わないでよ…」


「じゃあ、バテてないでとっとと残り2体倒しちゃいなさいよ。」


「弱点両方守られて倒せないんだって…」


「だからメタルの所も斬れるって」


「それはセフィーが…。!?」


今の俺より遥かにぶっ壊れ性能だからでしょ。と言おうとした寸前に背後からセフィーを襲おうとメタルゴリラが向かって来ているのが目に入った。


「セフィー!後ろ!!!」 


メタルゴリラがセフィーの背後から両拳で殴り殺す寸前


「こう斬るんだよ」


セフィーはくるっと後ろに振り返ると頭に向ってきていた両拳を一瞬にして斬り落とした。


「ウホ?」


「ふんっ!!!」


斬られた両拳が地に落下する前という一瞬の間に斬ったのか落ちる寸前にメタルゴリラの首が宙に浮いていた。


「あ、やべ。倒しちゃった…!トドメはリクにやらせようと思ってたんだけど。つい首まで跳ねちゃった」


「す、すげぇ・・・あんな硬いメタル皮なのに・・・!」


「リク、最後の一体はちゃんとリクにトドメを指してもらうよ」


「あぁ、わかったよ。出来れば最後の一体もお前にやってほしかったんだけどな」


「それじゃあ意味ないじゃない。せっかくお手本みせたのに」


「お、お手本?いやいや、早すぎて何がなんだかわからなかったんだけど?」


「あれくらい目で追いなさいよ」


「あんなの勇者見習い如きの眼力じゃ見えないって…」


「いーや、追える筈よ。リクが気づいてないだけ」


「んなこと言われても・・・」


「わかった!一撃だけ、もう一度お手本見せてあげるから」


セフィーは柄を持つ力に少し力を入れたかと思うと、メタルゴリラに向かって走った。


「相手の防御が硬い時はね!」


走ってる途中で地面を蹴ってセフィーは飛躍した。


「こうやって柄から魔力を刃に送って…」  


片手に握った剣を振りかざすと…。


「力を一点に集中させて一気に斬る…!!」


「【一糸超壊(ナノブレイク)】」


メタルゴリラの腕を右肩ごと斬り落とした。


「ウホォ゙オオ!!!ウグゥゥゥ…!」


激痛により声を上げながら斬られた右腕の断面を抑えながら倒れ9体目の個体も倒れた。


「はい、これがお手本」


「出来るかぁ!セフィーの魔力が高いだけだろ!?こんなの!!」


「いえ、近衛騎士団の基礎中の基礎。魔力値100から出来る技だよ。魔力を刃に上手く送るコツを掴むにはセンスはいるけどね」


「魔力値100?それって人間の大人の基礎魔力値より少し高いくらいだっけか?」


「そう、だから、もともと訓練して普通の大人より少しは強くなってる勇者見習いのリクなら出来る技術ってこと」


「無茶言うなよ…」


「ほら、来たよ〜〜」


蹲っていた筈のリクが立ち上がりセフィーに向かって片腕を振りかざして殴り掛かった。


飛び上がり避けるとセフィーの方に向かっていた拳は地面に命中した。地面にはヒビが入りボゴォッ!と拳ごとめり込んだ。


「もう私は一撃も入れないから。あとは自分で倒しなさいよね」


「わかってるけど、まさかさっきのを今やれと言わないよね?」


「え?そうだけどー?」


「そうだけど〜?…じゃないんだよ!!」


「ほら、殴られちゃうよ〜」


「え?」


10体目のメタルゴリラが仮想空間の中心に出現した。この個体が最後の敵個体だ。俺に気づくと一目散に襲い掛かって来た。


「うわわわわわ!!!!」


俺の顔面目掛けてメタルゴリラの拳が一直線に向かってきたからこそ、殺気を速めに感じ取れたからか、気づいたらメタルゴリラの拳が目の前に迫ってきた瞬間のギリギリ避けて顔を擦るぐらいのダメージで済んだ。いや、擦っただけでも頬の皮膚抉られた所がかなり痛いんだが・・・?


「あ、気づいてたと思うけど、連戦が進むにつれてゴリラの■智力■攻撃力■敏捷力の何れかが前の最初の個体より上がってるから」


き、気づいてねーし!!そうゆうのは先に言いなさいな!!


「最後の個体は…見た感じ敏捷値が高く生成されたね。今までのメタルゴリラで一番動き、素早いでしょ?」


うん!急にめちゃめちゃスピーディーになって驚いてるよ!この素早さ…本当に俺にとって適正レベルなのか?なんて疑問を抱くくらい!あっ・・・でも、セフィーなら…やりかねないか…?


「生成してる本人でもどの個体の何の値が高いのかわからないの?」


「んー?そこはランダム生成だからね?それと、基本レベルは30で全個体設定してるけど低確率で一体だけレベル50の個体が出るかも!」


「とにかく全部早く言えやあああ!!!」

そして、そうでしょうねえええ!!!


「まぁ、でも見た感じ結構レベル上がってるみたいだし、正直レベル30じゃ修行としては物足りないと思ったんだよね〜。でも、リクそれ言ったら逃げるつもりだったでしょ?」


いや、バレてたんかい!!!


「でも、それはちゃんとレベルチェックをしてからの方が・・・」


「修行で判断した方が手っ取り早いと思って。あ、うしろ」


「・・・え?…グアッ!!!」


背中に物凄い衝撃が走り俺は前方にふっ飛ばされていた。何か障害物にぶつかった俺は地面に倒れ、障害物と衝突した額をいてて…と摩り上体を起き上がり咳き込みながら後ろを振り向くと。


俺が、今まさに蹴り飛ばしたメタルゴリラが目の前に立っていた。

お知らせ


タイトルを変更させて頂きました。

今後は新タイトルで執筆させて頂きます。

宜しければコメント頂けると嬉しいです

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ