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2軍投手はスライダーとカーブを投げる

作者: 孤独

タイトル詐欺だが、野球の話ではない。

例え話だ。野球という体を動かすスポーツと考えず、野球ゲームというスティック操作をするもんだと考えて欲しい。


『あの投手はスライダーとカーブを投げるぞ』


右投手なのか、左投手なのかはともかく。スライダーとカーブという変化球に、ストレートも加わると3パターンの球を投げる。そこに真ん中、インコース、アウトコース、高め、低めと、……9分割のストライクゾーン。ボール球まで含めれば、さらに選択肢は増えるだろう。

ゲームならコントロールが良くても、人間がやるってんならもっと難しい。理論も合ったもんじゃない投手と出会う事もある(ノーコン)。



打者はそんな投手と対決し、バットで渾身のボールを打ち砕く。

それが……仕事。……仕事である。

野球で例えるとそんな感じ。ホームランを打てと言ってるんじゃない、ヒットを打てとも言ってない。ボールには当てろ。ストライクゾーンは特に、空振りや見逃しをするな。そーいう難易度のゲームが平凡達がやるプロのお仕事である。

だからこそ、平凡のための敷居にして頂きたいものだ。



◇        ◇



ピンポーン



野球はいいぞ。めっちゃ楽しいぞ。

しかし、まぁ。スポーツはいいぞ!みんなと一致団結する必要があるのはいい!それは応援するファンというお客様のためにもだ。


『あの~、置き配にしてくれません』

「分かりました。置いておきます」


近頃、置き配が目立つ。それは別にいいんだ。インターフォンを押して、お客様がそうお願いする場合は非常に簡単なのだ。玄関に宅配BOXが置いてあることも有り難い(ただ、見える位置に置いとけ!)。


野球の投球・打撃のような例を挙げたが、配達の仕事で言うとこんな感じなのだ。


1.

インターフォンを押す。


2.

お客様が置き配を希望する。


3.

荷物を玄関前に置く。



これが配達の1つの仕事だ。

先ほどの野球に例えると、


1.

どのボールを投げますか?(インターフォン)


2.

スライダーをお願いします。(お客様の要求)


3.

スライダーを投げ込む。(荷物を置く)


投手というか、仕事をする側が”守備”である。

打者というか、お客様の立ち位置が”打撃”である。


仕事をする側が”守備”というのは、ミスをしなければ被害は出ないからだ。お客様が”打撃”というのは、お客様がミスやアバウトだったとしても、打てたらなんでもいいのだ。極論である。ただ、エラーや四球を出した投手にイラつくお客様はいるだろう?



ピンポーン



万が一、投球前に投げる球を言えない時(不在の時)もある。

そんな場合でも、こーいう球を投げなさい!というのを出しているお客様もいる



「私が打席に立ったら、カーブを投げなさい!!」

『私の家はいつも置き配にしなさい!』

「はい!!」

『置き配します!』


ということを会社側に指示を出している事もある。……しかし、残念な時もある。


「投手を入れ替える」

『配達員を変える』


いちお、情報共有はしているのだ。していてもその……言い辛く言うと、あんたの打席は言うほどやってこねぇんだ(荷物が月3,4個しかないから)。

だから、こっちも投手を入れ替えてしまうと、情報共有に穴が出来てしまう。分かっている投手と分かっていない投手がいる。仕事は”守備”と例えたわけ、完全に零封するのなら”三振”を狙うのが当たり前なのだ。要するに、普段通りのお仕事。不在だったら不在通知だ。

変わった投手が投げた球に、打席に立ったお客様は驚く



「!!」


こ、こいつ!球種表示もせずに、ミットカーソル移動もOFFにして、投球してくる!!



スバアァァンッ



「ストライク!!バッターアウト!!」


力強くコールする審判の隣で、話しが違うじゃねぇかと、打者が投手を睨むが。……投手はそんな睨んでも知らんっすよ。って。


『おい、コラーーー!!私が打席に立ったら、球種表示とミットカーソル移動をONにしとけーー!打てないでしょーが!!』


電話で叫ぶお客様。野球ゲームから配達のお仕事へと変換すると


『私の荷物は、不在でも置き配にしろーー!!そう指示を出してるでしょ!!』


確かにその指示は貰っているのだ。データにもちゃんと残ってるのでこちらのミスなのは仕方ない。しかし、言わせてくれ。


「”荷物に配達指示”OR”玄関前に配達指示”を書くようにしてくれ。悪いんだけど、もう覚え切れない。その日は担当が地域に詳しい人じゃなかったんだ」

『それくらい情報共有しなさい!!できる配達員に、ウチの配達をさせて!!』

「無茶言わないでくれ。最近、無理なんだ……」


会社側に指示をしても、正直言って、無理なのだ。毎日、特別な処理をするお客様がいるのなら話は違うが、そうでもないお客様だと対応ができなくなってる。”置き配”そのもの自体には、お客様の同意が必要なのだ。

万が一にも無くなったら、責任がこっちに来てしまうんだ。それならば再配達で試みる方が楽なのだ。

あったかどうか。言ってたようなとか。会社側に指示したとしても、短期的な効果はあっても、半年や1年は絶対に持たない。


「お客様が不在じゃない時もあるからな」


0か100ってくらいに、ぜーーーったいに家に帰って来ないお客様だったら、会社側から置き配の指示があるって思い出せる。でも、20~30%の確率でご不在のお宅で、会社側から置き配の指示があるって、思い出せないのだ。1つの荷物に集中もできないものだし。

相手の情報をメモしてないのも悪いと言えば悪いんだけどな……。メモするほどの相手か荷物かって、正直、あんまりないし……。


なので、玄関前に配達指示を書くか、荷物そのものに配達指示を書いてもらうようにしてくれ……。ウチ等に言っても、絶対に改善できん。


『私が打席に立ったら、スライダーを投げなさい!!』

「スマン!!だったら、1軍でスタメンを張ってくれ!!」



あなたの荷物は月に3,4個しかないから、担当が違ってたらまず間違えるんだ!!



こーいうミスが起こりやすい理由に。


事情を知っている人間が、その日にいない場合が多いです。


情報共有をしてても、毎日荷物が来ないお客様について、毎日教えたりしないし、やる側も覚えたりしないんです。


分かってください。お願いします。

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