表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
笑いの大学院  作者: koumei
6/10

第六話:Gの悲劇2





吉田 「Gの悲劇の続編か。……また、ゴキブリが出てくる話じゃねえだろうな?」






吉原 「……語っても、よろしいですかな?」


吉田 「なんだよ、いきなり」




吉原 「あれはちょうど、二年前の夏の出来事でしたわ…」


吉田 「ちょっと待て!!」


吉原 「何ですかな?」



吉田 「話の前に一つだけ確認しておきたい。…………今回登場するのは、全員人間だろうな?」


吉原 「…………もちろん、そうですわ」



吉田 「よし、じゃあ聞こう」




吉原 「その日突然、吉原探偵事務所に一人の男が駆け込んで来たんですわ」


吉田 「いつから探偵になったんだよ」


吉原 「…………いい加減、わたくしがモノマネをやっている事にもつっこんでもらえませんでしょうか?」


吉田 「知らねえよ! 誰のモノマネだよ!」



吉原 「FF10に登場する爺さん」


吉田 「…………はいはい。分かったから、続き」





吉原 「…………その男はひどく慌てた様子でまくくし立てたんだ。『うちの猫が殺された! 金はいくらでも払うから、絶対に犯人を見つけてくれ!』ってね」



吉田 「なんだよ、…………今回も殺人事件じゃないのか?」


吉原 「そうだが、……何か文句あるのか?」



吉田 「……別にいいけどよ。やっぱり、推理ものには殺人事件がないと、今ひとつ盛り上がりに欠けるような…」




吉原 「ふっふっふっふっふ。…………君は、そんなに殺人事件がお望みなのかね?」



吉田 「な、なんだよ、……いきなりハンマーなんか持ち出して…」



吉原 「なんなら、今から話を“Yの悲劇”に変更してもいいんだが…」



吉田  (・_・;) 



吉原 「どっちがいい?」



吉田 「……やっぱり、Gの悲劇のほうがいいと思う…」




吉原 「そうか、じゃあ話を続けよう。今回の事件を解決するには推理力も必要になるから、重要な手掛かりを見逃さないように注意しろよ!」


吉田 「推理力“も”ってのはどういう意味だ?」


吉原  (一_一) 


吉田 「なんか怪しいな…」


吉原 「ま、まあ、とりあえず最後まで聞け」


吉田 「……分かったよ」




吉原 「男は吉森源治よしもりげんじという名の大富豪でな。その日、彼の家には、妻の喜代子きよこさんと六歳になる息子のあきら君、住み込みで働いている執事と料理人、さらに、明君の家庭教師とメイドの女性が二人の全部で八人の人間が居たそうだ」


吉田 「その中の誰かが、猫を殺した犯人ってわけか。…………ところで、死因は何だったんだ?」


吉原 「うむ。死因は窒息死で、源冶さんの話では、死体は家の者に見せつけるかのように、リビングの階段のところにロープで吊るされていたそうだ」



吉田 「……第一発見者は?」


吉原 「二人のメイドだ」


吉田 「二人は一緒にいて、ほぼ同時に見つけたのか?」


吉原 「そうだ」



吉田 「ふーん。……じゃあ次に、事件の起こった時刻とそれぞれのアリバイを教えてくれよ」


吉原 「その前に、一つ気づいたんだが……」


吉田 「何を?」



吉原 「今回の話、…………ボケるところがほとんど無い! どうしよう!!」 


吉田 「無理にボケなくてもいいんだよ!!」


吉原 「ほんと?……じゃあ今回は、ボケ無しでいくぞ?」


吉田 「そうしてくれ…」




吉原 「……事件が起きた時刻だが、源治さんは、事件か起きたのは午後四時から午後五時の間だと言っていた」


吉田 「何か根拠はあるのか?」


吉原 「うん。四時頃にはまだ、リビングに死体は吊るされてなかったと複数の人が証言しているし、死んでいる猫が発見されたのが午後五時だから、猫が死んだのは午後四時から午後五時の間で間違いない!……と、源治さんは自信を持って言っていた」


吉田 「じゃあ、その午後四時から午後五時までのみんなのアリバイは?」


吉原 「それが、…………その時間、一人で遊んでいた明君を除いて全員に、ほぼ鉄壁のアリバイがあったらしい」


吉田 「なんだって!?」


吉原 「唯一、源治さんが二階にある自分の部屋のトイレに入っていた二、三分の間、同じ部屋に居た妻の喜代子さんが一人だったのを除けばね」



吉田 「その部屋からリビングまでは、どのくらいで行けるんだ?」


吉原 「走って三十秒ってところかな」



吉田 「うーん、……リビングに行って戻って来るだけで精一杯か。……他に何か情報はないか?」




吉原 「ふふふふふ、……ある。その後、俺が屋敷で調査をすると、色々と興味深い情報を入手することに成功したんだ」


吉田 「どんな?」




吉原 「まずは、二人の可愛いメイドを尾行していたときに、二人のひそひそ話を盗み聞きして得た情報だ」


吉田 「それは、尾行じゃなくてストーカー行為だろ!」


吉原 「だってメイド姿に萌えたんだもん」



吉田 「お前は、……ひとの家まで行って何してんだよ!!」


吉原 「まあ、そう怒るなよ。おかげで、面白い情報が手に入ったんだから」


吉田 「……ほんとかよ?」



吉原 「メイド達の噂話では、どうやら、喜代子さんと執事の男とは不倫関係にあったらしいんだ」


吉田 「何だって!……それは、…………確かに、今回の事件の動機と何か関係ありそうな話だな」




吉原 「さらに、喜代子さんは…………家庭教師の男とも不倫関係にあったらしい」


吉田 「どういう人なんだよ!!」



吉原 「メイド達の話では、喜代子さんは若い男を見ると見境なしに誘惑しているそうだ」

 

吉田 「……ほんとに信用できる情報なんだろうな?」



吉原 「ああ、確かだ。……残念なことにその後は、チョーむかつくー! とか、マジでありえなくなーい!? という言葉が飛び交うだけで、それ以上の詳しい情報は聞けなかったが…」



吉田 「…………そのメイド達も十分怪しいな」





吉原 「続いて俺が出会ったのは、源治さんの息子の明君だった。事件について何か知ってることはないかと俺が尋ねると、明君は泣きながら、…G……Gが…という謎の言葉を呟いたんだ」


吉田 「G!?……Gの悲劇、……ということは、殺された猫と何か関係あるのか…」


吉原 「俺もこの“G”という言葉の意味が分かったのは、ずっと後になってからだった」





吉田 「ふーむ、…………これで全部の情報が出揃ったのか?」


吉原 「そうだ、お前はこの事件の謎が解けたか?」



吉田 「うーーん。今のところ考えられる可能性は二つだが、…………どちらも、謎がいっぱい残ってしまうんだよな」


吉原 「念のために言っておくが、外部犯や共犯はありえないからな」


吉田 「そうか、…………それなら、残る可能性は一つだが…」


吉原 「聞かせてもらおう」







吉田 「俺の考えでは、……猫を殺した犯人は、妻の喜代子さんだと思う」


吉原 「ふーん、…………で、どうやって?」


吉田 「あらかじめ殺害しておいた猫にロープを結び付けておいて、どこかに隠しておいたんだ。そして、源治さんがトイレに入った隙にリビングまで走って、すぐにロープを階段に結びつけると、猫の死体を階段から投げ落とした…………うーん、ちょっと無理があるかな?」





吉原 「お見事!!」



吉田 「え?…………もしかして、当たっちゃった?」





吉原 「完璧なハズレ」


吉田 「……馬鹿にしやがって」



吉原 「さあ、ここで再び読者への挑戦状だ! ずばりこの事件の真相を解明してほしい! 最大のヒントは明君の言っていた“G”という言葉だ。……くれぐれも吉田みたいに、“推理すべき所”を間違えないように」



吉田 「うるせえよ!」


Gという言葉の意味は、文中を探せば見つけられます。ひっかけ問題ですが、柔軟な発想で考えれば真相までたどり着けると思うので、ぜひチャレンジしてみてください。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ