第三話:オペラ座の怪人
ジャーン!!! ジャジャジャジャジャーン!!!
吉田 「うるせー!! いきなり音量MAXのBGMかけるな−!!」
?? 「はっはっはっはっは。はーっはっはっはっはっは!!」(エコー)
吉田 「……なんだよ、そのマントと仮面は?」
?? 「今日からは私のことを、エンジェル、オブ、ミュージィックと呼んでくれたまえ!」
吉田 「……エンジェル、オブ、ミュージィック?」
?? 「ザ、ファントム、オブ、ジ、オペラと呼んでくれても構わないぞ!」
吉田 「…………お前、“マスター吉原”は、もういいのかよ?」
?? 「……若きパダ・ワン吉田よ! ジェダイマスターの称号は、そなたに与えよう。くれぐれも、ダークサイドに堕ちてはならぬぞ!」
吉田 「……お前はもう、堕ちてるけどな」
?? 「くだらんつっこみをする奴には、シャンデリアをお見舞いしてやる!」
吉田 「お前こそ、くだらねえことばっか言ってねえで、早くその仮面を取れ!」
?? 「やだ!」
吉田 「じゃあ、お前はずっと“??”でいいんだな?」
吉原 「…………ちぇ!せっかく今日の為に買ってきたのに…」
吉田 「どうでもいいけどよ……その仮面はジェイソンの…」
吉原 「しー!! 黙ってれば分からないって!」
吉田 「いい加減な奴」
吉原 「……ところで、お前は、オペラ座の怪人を観たことがあるか?」
吉田 「ああ、映画なら観たことがあるよ。怪人の登場するシーンの音楽が、すごくかっこいいんだよな!」
ジャーン!!! ジャジャジャジャジャーン!!!
吉田 「だから……ボリュームをMAXにして流すのはやめろー!!」
吉原 「今日はオペラ座の怪人の素晴らしさについて、ミュージカルを257回、映画を55回観た俺が、とくと教えてやろう」
吉田 「嘘つけ!」
吉原 「まずは登場人物だ。クリスティーンとラウル、そして怪人が主な登場人物なんだけど、やっぱり、この中では断然怪人がかっこいいよな!」
吉田 「まあ、一応主役だからな」
吉原 「クリスティーンを誘惑するシーンなんか、俺も思わず蕩けちゃったもん」
吉田 「気持ち悪いこと言うなよ!」
吉原 「そして悪役のラウル。こいつがまた、忌々しい若造でな」
吉田 「おいおい!」
吉原 「二人が結ばれそうになると、いっつも邪魔をするんだよ!」
吉田 「……お前の見方は、少しおかしいぞ」
吉原 「なんで? 主人公とヒロインが結ばれるのが普通だろ?」
吉田 「怪人の方が悪役なんだよ!」
吉原 「そうだったのか!」
吉田 「お前……ほんとに観たことあるのかよ?」
吉原 「ちょ、ちょっと、ど忘れしてしまっただけだ。ラストシーンはちゃんと憶えているぞ!」
吉田 「言ってみろよ」
吉原 「クリスティーンと怪人は地下で二人仲良く暮らしましたとさ。めでたし、めでたし」
吉田「全然違うじゃねえか!!」
吉原 「ところで……話は変わるが、今、この怪人について、一つの噂が囁かれているのを知ってるか?」
吉田 「どんな?」
吉原 「小説から始まり、ミュージカル、映画と来たら次は…………決まっているだろ」(ニヤリ)
吉田 「…なんだよ」
吉原 「プロレスのマスカラ・コントラ・マスカラ(覆面剥ぎデスマッチ)だよ!」
吉田 「ありえねえだろ!」
吉原 「怪人の必殺技は“天使の歌声”だぞ!」
吉田 「どこが必殺技なんだよ!! くだらない話はもうやめろ!」
吉原 「わかったよ。じゃあ、最後に一つだけ宣伝させてくれよ」
吉田 「……何の?」
吉原 「今度、オペラ座の怪人を現代風にアレンジした小説を自費出版するつもりなんだ!」
吉田 「現代風にアレンジ?……どんな話なんだよ?」
吉原 「ストーカー男が、好きな女性の彼氏を人質にして、『俺を好きになってくれないと、こいつを殺すぞ!』って告白する感動のラブストーリー」
吉田 「犯罪じゃねえか!」
吉原 「タイトルは、“オケラ座の廃人”だ。みんなぜひ買ってくれ!」
吉田 「絶対、売れねえよ!」




