第二話:方言
吉田 「…………………………」
吉原 「おい! 冒頭から・・・は読者に対して失礼だぞ!」
吉田 「……なんで、お前がつっこんでんだよ」
吉原 「ひょっとして、まだ前回のこと、根に持っているのか?」
吉田 「当たり前だろ! 一回殺されたんだぞ!!」
吉原 「よし! じゃあ、“ソフィー〇世界”みたいに活字の世界から抜け出して、これを書いてる奴に文句を言いに行こうぜ!」
吉田 「そんなこと出来るわけねえだろ!!」
吉原 「そんなもん、やってみな分からへんて!」
吉田 「な、なんだよ。……いきなり変な言葉使うなよ」
吉原 「俺さー、実は岐阜県出身なんやて」
吉田 「ふーん。そうだったのか」
吉原 「今日のお題は“方言”やでな。おみゃーさんも、今回は自分の出身地の方言で話さなあーいかんぞ」
吉田 「おみゃーさんって、……名古屋弁じゃなかったっけ?」
吉原 「そったらちんちくりんなこと、いちいち気にしとったらあかんぜよ!」
吉田 「お前は、どこの出身なんだよ!!」
吉原 「さあ、はよぉーおいと一緒に方言で話すのらー」
吉田 「だから、方言をごちゃまぜにして使うのはやめろ!」
吉原 「…お前、東京出身だろ?」
吉田 「ああ」
吉原 「だったら、東京弁でしゃべれよ」
吉田 「……東京弁って言われてもなあ…。俺はそんなの知らないし…」
吉原 「…可哀想に」
吉田 「別に、悲しいことじゃねえだろ!」
吉原 「俺がお前のために、東京弁を新しく作ってやるよ」
吉田 「やめろよ!」
吉原 「東京は色んな県の人が集まって来るから、標準語が主流になってしまったんだ。だから東京弁は、どの県の人が聞いても、理解できるものでなくてはならない」
吉田 「だったら、標準語のままでいいじゃねえか」
吉原 「今の時代、個性が大事だ。例えば、こういうのはどうだろう…」
美和子さん、今夜……君に会いたいでちゅ。
吉田 「なんで赤ちゃん言葉になってんだよ!!」
吉原 「だめか?」
吉田 「これじゃあ、ただの変態だろ!」
吉原 「そうか。じゃあ次は、“大人”の方言を見せてあげよう…」
チョウムペッケスムニダ。サランへョ!!…………アンニョンイガゼヨ…。
(初めまして。愛している!!…………さようなら…。)
吉田 「日本語じゃねえだろ!!…………しかも、思いっきり振られてるし…」
吉原 「韓国弁には“スミダ”と“ムニダ”があります。」
吉田 「方言じゃねえよ!!」
吉原 「チョンマル?」(本当?)
吉田 「韓国語はもうやめろ!」
吉原 「……そうだな。やっぱり、東京弁には古き良き日本語がふさわしいよな!」
吉田 「古き良き日本語?」
吉原 「そう。例えば、今、学級崩壊が問題になってるだろ」
吉田 「うん、確かにな」
吉原 「しかし、古き良き日本語を復活させれば…」
生徒一同 「先生、おはようござりまする!」(平伏)
先生 「うむ。皆、苦しゅうない、面を上げよ」
生徒一同 「ははっ!!」
先生 「では早速、昨日皆に命じておいた宿題を…」
生徒A 「そ、それがし、一生の不覚にござりまする!!」(平伏)
先生 「貴様、……忘れたと申すか!!」
生徒A 「お、お許しを!!」
先生 「ならぬ!! この不届き者め!! わしが成敗して晒し首にしてやる!!」
生徒A 「む、無念!!」
吉田 「ちょーっと待て!!」
吉原 「なんだよ! これから四十七人の生徒達が先生宅に討ち入りを果たす面白いところなのに…」
吉田 「面白くもなんともねえよ!! それに、この学級もすでに崩壊してるだろ!!」
吉原 「何を言う! これは生徒達が力を合わせて先生を討ち取る感動の学園ドラマだぞ!」
吉田 「…………………………」
吉原 「どうした? 感動して言葉も出なくなったのか?」
吉田 「つっこみ所が多すぎて、途方に暮れていたんだよ!!」
吉原 「ちなみに、今年は、メールの語尾に”候”を付けるのが流行になるらしいぞ」
吉田 「そんなわけねえだろ!!」




