最終回:Gの悲劇 最臭章
吉田 「Gの悲劇最臭章?……って字が違うじゃねえかよ! 何だよ最臭章って! 最終章だろ!」
吉原 「まあ、まあ。細かいことは気にせずに」
吉田 「せっかくの最終回なのに、こんなんでいいのかよ…」
吉原 「ふっふっふ。心配することはないぞ。今回のGの悲劇は、この超変態作の最終回にふさわしい、すんごい話だ」
吉田 「それを言うなら長編大作だろ! お前は…自分で言ってて悲しくならねえか?」
吉原 「と、とにかく! 今回の話はなんと、密室殺人だ!」
吉田 「……密室殺人?」
吉原 「そうだ。完全な密室状態の中で発見された被害者が、いかにして殺害されたのか、ぜひ推理してみてくれたまえ」
吉田 「むむ、今度こそ本当の殺人事件か。……よし分かった! 今回こそは、俺が事件を解決してやる。それで、どんな事件だったんだ」
吉原 「うむ。……今回の事件の被害者は吉村さんという人で、内側から鍵の掛かったアパートの一室で遺体で発見されたんだ。さらに、一つしかない部屋の鍵は、被害者のポケットの中だった」
吉田 「それは、……たしかに完璧な密室状態だな」
吉原 「そう。さらに、外側からトリックを使って鍵をかけることも不可能だったと言っておこう」
吉田 「うーむ。……部屋の外側からのトリックじゃないとしたら……内側から何らかの方法で自動的に鍵が掛けるトリックか…? だとすると部屋に何か残っているはずだ。……その部屋には何か手がかりのようなものは残ってなかったのか?」
吉原 「手がかり、と言って良いかは分からないが、その部屋には芳香剤が一つあったぞ」
吉田 「……芳香剤?……何かの匂いをカモフラージュするために犯人が置いものか…」
吉原 「さあ、どうだろう」
吉田 「他には、何か無かったのか?」
吉原 「そうだな、……そういえば、もう一つだけ。その部屋にはトイレットペーパーもあった」
吉田 「芳香剤とトイレットペーパーか。…………う−む。………………………………あぁ! だめだ! どう考えても部屋に鍵をかけるようなトリックは思い浮かばねえや」
吉原 「ふっふっふ。言っただろう。今回の事件は、“完全な密室状態”の中で起きた殺人だって。それはつまり、“いかなるトリックも使えない”ということだ」
吉田 「完全な密室…か。……それじゃあ、別の方向から調べてみるしかないな。…………その吉村さんって人の死因は何だったんだ?」
吉原 「死因は、出血性のショック死だ」
吉田 「出血性ショック死…………それで、外傷はどこにあったんだ?」
吉原 「そ、それは………………」
吉田 「それは?」
吉原 「……く、口ではとても言えない所だ」
吉田 「……………………」
吉原 「………………」
吉田 「……あ、あのさぁ、一つ訊いてもいいかな?」
吉原 「…何だ?」
吉田 「今回の話は確か、殺人事件……だったよな?」
吉原 「殺人事件? いや、違う」
吉田 「違うって……お前が自分で密室殺人だって言ったんじゃねえか!」
吉原 「殺人は殺人でも、今回の話は“殺人痔件”だ!」
吉田 (・〇・)
ぢーの悲劇 完
吉田 「最後の最後で、こんなシモネタかよ!」
吉原 「これでいいのだ」
最終話までお付き合いいただき、ありがとうございました! 少しでも笑ってもらえたなら幸いです。