【フリー台本】配信者彼女の嫉妬、怒り、愛
()内は彼氏の台詞で【】内は感情や状況の変化です。
それ以外の演出につきましては各自にお任せいたします。お手数かもしれませんが、あしからずご了承ください…
彼女「ねえ、そんなにスマホとにらめっこして…何を観てるの?【彼氏の向かい側から話しかける】」
(別に…動画を観てるだけだよ。)
彼女「動画ね…その動画、私に見せてくれる?」
(いや、それは…お前に見せるものじゃないからさ。)
彼女「えっ?私に見せるものじゃない?怪しいなぁ…それじゃあ、無理矢理にでも観させてもらうね。【そう言って背後に回り込む】」
(あっ、ちょっ…)
彼女「【他の配信者のASMR動画が映っていたことを知って一呼吸置く】…嘘、どうして他の人のASMR動画なんて観てるの?【この辺りから感情的になる】なんで?なんで!?」
(それはだな…)
彼女「【一呼吸置いて】ううん、言わなくても分かるよ?どうせ浮気なんでしょ…私、最初に言ったよね?浮気は許さないって!」
(浮気って…俺はただ、お気に入りの人の動画を観ただけだろ?それのどこが浮気だよ!)
彼女「お気に入りの人の動画を観ただけ?それが浮気って言ってるの!私も配信者として活動してることぐらい分かってるでしょ!?」
(分かってるよ…お前もASMRのシチュエーションボイスでみんなを癒していることぐらいは!)
彼女「分かってるのならどうしてこんなことをするの?もしかして、私のことが嫌いになったの?私だけじゃ満足できなくなったの?何とか言ってよ!」
(だから俺は浮気とかそんなつもりで観てないって!)
彼女「浮気したつもりはない?よくそんな嘘がつけるね。私がどうしてASMR動画をアップしてるかを知らない癖に…私はね、君に癒されてほしいから色んな動画を作ってるの。耳かきにしても囁きボイスにしても添い寝ボイスにしても…全部、君に癒されてほしいから作ってるつもりだった。なのに、どうして君にはその気持ちが伝わらないの?以前の君には私しかいなかったのに…」
(以前の俺?)
彼女「うん。昔の君は私の動画やライブ配信によく『声が可愛いね!』、『癒されたよ』、『大好き』ってコメントを残してくれた…それが嬉しくて、私は君の為に動画を作るようになったんだよ?それで、君と初めて会った時に『素顔も私服も可愛いね』って褒められて…そんな君の優しさとその時の笑顔が好きになってしまったの。ちゃんと覚えているよね?」
(忘れてるわけないだろ?覚えているよ…)
彼女「覚えてるならどうして?」
(俺、動画活動を頑張ってるお前の為に参考になる動画を探してたんだ…その中でお気に入りが見つかって、それを研究してたんだよ。)
彼女「私の為に?だったら他の女の動画なんて観なくていいじゃん!どうしてそんな言い訳をするの?」
(言い訳じゃない。これが真実なんだって!頼むから分かってくれよ…)
彼女「真実?それで私を騙せると思った?そんな嘘に私は騙されない…」
(それがお前の答えか…分かった、もう別れよう。)
彼女「えっ…別れる?【ここから感情が怒りから悲しみに切り替わる】…どうしてそんなことを言うの?私には君しかいないのに…嫌だよ!別れたくない…」
(お前、俺と浮気をしないと同時に約束したことがあるだろ?忘れたとは言わせないぞ!)
彼女「約束?覚えてるよ…君は私に告白してくれた時に言ってくれたよね?『俺はお前に嘘はつかない、俺は真実のままにお前と向き合ってお前を守る』って…私だってそれを信じたかったの。だけど、君は最近他の人の動画ばかり観て私に冷たくなってしまった…それが辛くて君にキツく当たっちゃうなんて、最低な彼女だね。本当にごめんなさい…」
(悪かった。俺もお前の為に貢献しようと思ってたんだが、まさかそんな風に感じられていたとは…俺の方こそごめん。)
彼女「ごめんって…君は悪くない。悪いのは私…私が君に甘えたい気持ちが強すぎからこんなことになってしまった。君の気持ちに気づけなかった私のせいなの…【ここで泣き崩れる】」
【ここで彼氏が無言で彼女を抱き締める】
彼女「ありがとう。許してくれるの?」
(当たり前だろ?俺だってお前のこと以外好きになれないからな…)
彼女「うん…うん…ありがとう。私も君のことが大好き…君以外の男の子のことなんて好きになれないよ。」
(ありがとな…)
【ここで涙が止まる】
彼女「もう大丈夫だよ。ありがとう…」
(そうか…)
【ここで彼氏が抱き締めていた彼女の身体を離す】
彼女「ねえ…これからも配信者としての私も彼女としての私も好きでいてくれる?」
(もちろん、俺はどんなお前でも受け入れるつもりさ。お前はどうなんだ?)
彼女「私?私も君のことが大好きだよ。これからもよろしくね…」
(ああ、よろしくな!)
彼女「うん。それと…今後は二度と私以外のASMR動画は観ないこと!それは約束してくれる?」
(分かった。これからはお前以外のASMRは絶対に観ません!)
彼女「よろしい、ちゃんと守ってね♪」
終わり