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彼女の手

作者: 紫堂 マサキ

君が家に来てくれたあの日、みんなで喜んだあの時を絶対に忘れない。


君はいつも、僕の言葉は届かなくてただ叫ぶことしかしなかったね。

僕が作ったご飯には、いつもしかめっ面ばかりしていたね。

僕の腕の中で1度も眠ってくれはしなかったよね。

僕と初めて入ったお風呂で、僕に見せた、あのあくびは絶対に忘れないよ。


そんな事を考えながら過ぎ行く時間は瞬く間に過ぎてゆく。


久しぶりの君の手は、しっかり僕の指を掴んで離さない。

いつの間にか、君はお姉さんになっていて、僕の横を歩く君は昔の君とは違い、小さかったはずの手はこんなに大きくなってるんだね。


僕は嬉しいようで、寂しいような複雑な気持ちなのに君は僕に笑顔をくれる。

それが嬉しくて、いつも僕の支えになってたんだよ。


君がいてくれたから僕は頑張れたんだよ。

ありがとう。生まれてきてくれて。


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