暴動
騒ぎ声の方へと近づくと3年生が1年生に殴りかかっていた。
「コラァ!調子乗ってんじゃねぇぞ!」
「すみません・・・」
1年生の子は必死に抵抗していたが、3年生は手を止める素振りは見せなかった。
すると・・・
「やめなよ!」
見るからに女性だと思える声が聞こえた。よく見てみると先ほどまで横にいた柚紗の姿だった。
僕は咄嗟に食堂を出た。もう手遅れだった・・・
3年生は1年を殴るのをやめ、柚紗に殴りかかっていた。
「柚紗!」
僕は一切周りの事を気にせず柚紗を助けようと思いっきり叫び、騒ぎを聞きつけた人たちを跳ねどけた。
「恭平!、何をするつもりだ!」
いつもは強がりな詠児が肝心な時に僕の手を取り、止めに入ってきた。
「何、馬鹿な事をしているんだお前は!離せ!柚紗が殴られているんだぞ!黙って見てろとでも言いたいのか!」
僕は詠児の手を振りほどき、3年生に怒鳴りつけた。
「やめろ!」
「なんだ?てめぇは、殴られにでもきたのか」
3年生は挑発しながら僕に襲い掛かってきた。
柚紗を殴っているやつの周りにいた3人が一斉に殴りかかってきた。
僕は3人の攻撃を簡単に避け、投げ飛ばした。
「なんだ、お前・・・」
早い攻防にリーダーらしき人物は驚きを見せた。
「よくも!柚紗を!」
「こいつはお前の恋人だったのか。あははは、そりゃ怒るのも無理はねぇな」
笑いながら、柚紗を見ながら言っているのを見て、居ても立っても居られなかった。
僕はリーダーらしき人物の背後に迫り、すごい剣幕で言い放った。
「おい!いい加減にしろ」
「なんだ?」
僕の言葉に腹を立てたのか胸倉をつかんできた。動じなかった。
怒りで我を失っていた。許せなかった。幼馴染であり、僕が初めて好意持った女の子を殴った奴を。 僕はリーダーの顎を肘で殴り上げ、怯んだところを投げ飛ばした。そして馬乗りになり殴り続けた。
その行動を見て、殴られてアザだらけの柚紗が必死に力のない声で訴えた。
「恭平・・・ダメ、やめて・・・もういいから・・・やめてってば・・・」
僕は柚紗の声は僕には届かず、無心に殴り続けていた。
その瞬間・・・
「やめて!」
柚紗が力を振り絞って叫んだ。
僕は声を聞き、ようやく殴っていた手を止め、柚紗の方を向いて言った。
「なぜ?なぜそんなこと言うの?僕は君を守ろうと・・・」
「恭平はそんな、凶暴じゃなかったはずよ。もっと優しくて・・・人想いだったはずなのに・・・なぜ・・・」
「じゃあどうすればよかったんだ!ほっとけとでも言いたいのか!」
柚紗は僕が豹変している姿をみて余計に悲しくなってしまったようだ。
「あんなに殴る必要があったの?いつもの恭平だったらあんなことしないのに」
柚紗は恭平を問い出した。
「そうだ、そうだよ。僕がなんであんな事を・・・」
僕はやっと我に返ることができた。気絶していた3年生を見て自分の行動がどれだけ凶暴な事をしたのかがわかると、固まってしまった。
「柚紗、ごめん・・・」
僕は柚紗の方へと近寄り、抱きかかえた。柚紗はいきなりの行動に戸惑っていたが、そんなことは構わずに保健室に連れていくことにしたのだった・・・
金曜日に投稿予定が2日遅れて投稿です。
柚紗を助けるために奮闘した恭平、この後何が繰り広げられるのでしょうか。
次回、最終話です。
乞うご期待ください。




