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喝!

小説のコンクールに出した作品を連載化したものです。


何話までいくかはわかりませんがお楽しみください!m(_ _)m

 日中、家で寝転んで近所を走る電車の走り去る音を聞くとどこかむなしく感じるのようになったのはいつ頃からだっただろうか。

 交差点を行き交う人々を見るとどこか苦しくなるのはいつ頃からだっただろうか。

 こう考えていると余計に苦しくなり、吐き気がしてしまう。この症状はもうだいぶ前からだろうと思う。

 僕は、何故ここに存在しているのだろうか。そして何を目的に生きているのかすら、見失ったことに気が付くと次は大量の涙が溢れだしてくる。

 そういえば、こんなことを言って自己紹介をするのをすっかり忘れていた。

 僕の名前は森田恭平。

 親は僕が幼い時に別れてしまった。僕には中学生の優唯ゆいがいる。

 今は別れた両親が残していった少ないお金を使って生活をしている。

 家事は全部、妹がやってくれている。

 しかし、僕は学校ではうまくいかず失敗続きだった。学力も乏しく、テストで欠点をよくとり、運動も苦手だった。

 こんなことでひどく落ち込んでいるときに支えてくれたのは妹の優唯と幼馴染である柚紗ゆさ詠児えいじだった。

 妹を守らないといけないことはわかっている。しかし、自分を責めてよく部屋に引きこもっていた。

 「お兄ちゃん、ごはんできたよ~。」

 「うん、わかった。」

力のない声で妹に返事をして、自分の部屋から出て食卓へと足を運んだ。

 「ピーン、ポーン」

  食卓の椅子に座った途端、インターホンの音が鳴り響いた。

  妹が玄関の扉を開けてで迎えると、幼馴染の柚紗の姿があった。

 「おじゃましま〜す」

  明るく高い声が聞こえた。

  「優唯ちゃん、今日もかわいいね。これ、おすそわけね。」

  「え、いいの?ありがとう〜」

  おすそ分けのシチューを貰うと妹は飛び跳ねて喜んでいた。

  食卓に来るとさっきの明るい雰囲気とは違い、気迫のある声で

 「恭平!また落ち込んでるの?」

 「落ち込んでなんかいないよ!」

 そう僕は答えたがお見通しと言わんばかりに

 「顔を見ればわかるわよ!」

 そういうと先ほどとは違い、優しい声で語りかけてきた。

 「何事も落ち込んでいたらダメだよ。はやく。シチューが冷めちゃうよ。」

 「はい、いただきます。」

 「いただきま~す。」

 妹が元気な声で手を合わせた。

 柚紗が持ってきてくれる晩御飯はいつもおいしい。僕はシチューを口いっぱいにほうばった。

 「またなにかあったかは知らないけど、学校に来ないってどういうこと?詠児も心配してたよ。」

 柚紗は食べながら僕に投げかけた。

 「あいつが心配してるわけないだろ?」

 僕はめんどくさそうに言った。

 「それ、どういうこと!私たちのことなんてなんとも思ってないんでしょ?」

 「そんなことないよ。」

 「じゃあなんでそんなこと言えるの?」

 「そ、それは・・・」

 「やめて!」

 一部始終を聞いていた妹が止めに入った。

 「ごめんね。いきなりケンカなんかしちゃって」

 臨機応変な柚紗はすぐに謝ってこの場をおさめた。

 「そんな行動が嫌いなんだよ。」

 僕は塞ぎ込みながらそう答えた。その言葉には柚紗も怒ったようで

 「それ?どういうこと!?説明して!」

 僕はむきになって柚紗に食いついた。

 「僕は不器用で出来ることといえば格闘技くらいじゃないか。妹を守ることすらできない。僕はそんな人間なんだ。」

 僕は小さい頃に祖父から合気道を習っていて、腕は一人前だった。それを聞いて柚紗はまた冷静になって話し始めた。

 「そこが、恭平のいいところだよ。妹を守ってあげられないなんてそんなの嘘だよ。不器用でもそれなりに努力すれば何事もうまくいくよ。うまくいかないことなんかないんだから。」

 僕はなにも返す言葉がなかった。

 「しかも、今はもう合気道やってないんでしょ?試合に勝っていた恭平、格好よかったのに」

 僕は考え込んでしまった。こんなに僕の事を思ってくれる人がいたんだと。そんな柚紗に好意を抱いた。

 「明日は学校に来てね」

 僕はそれに軽く頷くと柚紗は確認をして家から出て行った。

 「優唯、今日は早くお風呂に入って、寝よ。明日は優唯もお兄ちゃんも学校だから。」

 その言葉を聞いて妹は元気よく「うん」と返事をした。

 就寝前、僕は妹に話があると言って妹に話しかけた。

 「優唯、お兄ちゃんの事どう思う?」

 「お兄ちゃんは優唯のお兄ちゃんだよ。優唯の事を一番思ってくれる、家族だよ。」

 「そうか。お兄ちゃん、また頑張ってみるよ。合気道や学校の事、家の事も」

 「うん、優唯はいつでもお兄ちゃんのことを応援するからね。」

 僕はその言葉を聞くとあまりにもうれしかったのか自然と涙がこぼれた。僕は泣きながら、妹とのことを抱きしめた...

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