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未定
昔から要領が良い方だった。一人っ子だったし、両親は勉強さえ人並み以上くらいできていればうるさく言ってこない方だったので、言われた通りに塾に通っていれば不自由する事は何もない。
父が大学教授で母は専業主婦、至って普通の男子高校生な俺だ。学校で目立つ事もしていないから教師に目を付けられた事もない。
そんな平凡な俺の高校生活はある日の些細な出来事で一気に変わる。
誰が想像しようか?現実的でつまらない毎日が、突然生きるか死ぬかのファンタジー染みた日々になるなどと。
だが逆に、事前に分かっていたら同じ選択はしなかったのかと問われると、そうでもないんだろう。
俺に限らず、きっと男はみんな可愛い女の子の笑顔には弱いだろうから。