003話
み、短いけど三話連続投稿だからいいよね。
「お姉さま、魔法を教えてください。」
最初の一言はやはりこれに限る。魔法は普通三歳くらいから習い始める。ピアノやバイオリンは小さい頃から習えばうまくなるのと同じだろう。だが私はこの六年間全く何もしていない。ただ生きてきただけだ。後悔はしていない、というよりもできない。だが何事も真面目にやるのが一番というのを前世の記憶が教えてくれる。
「でもユフィ、頭が痛くなるのではなかったの。魔法は無理してするものではないと先生は言ってたよ。」
「あ、痛いのは治ったから大丈夫だよ。だから教えて頂戴。ね、いいでしょ。」
妹(前世)の必殺技 ね、いいでしょ攻撃 効果は家族でも年上に限られるが、この上なく卑怯な攻撃。
俺(前世の男の記憶の時だけ未だに男口調)は幾度となくこの攻撃を浴び、貴重なおこずかいと技術、そして時間を使った。だが後悔しないという最強っぷり。これが使える日がくるとは思わなかった。
「・・・わかったわ、少しだけよ。」
三つ子だとしても年上、姉はこの攻撃に屈した。ちなみに男が使うと気持ち悪いだけです。
「ありがとう、お姉ちゃん♪」
お礼をするのは当たり前だが、ここでもテクニックを使う。
私は普段お姉さまと呼んでいる。だかここでわざとちゃん付け。
俺の妹はいつも俺のことを名前で呼んでいた。だがこういう時に限ってお兄ちゃんと呼ぶ。これは相手の機嫌を取りつつも、奉仕したくなる魔法の言葉。妹よ、お前はどれだけすごいんだ。尊敬するよ、元我が妹よ。
姉は少し目がキラキラさせている。なぜだろう、その答えはすぐに分かった。
「可愛い。姉ながら妹の可愛さに気付かなかったなんで。」
姉はどうやら保護欲がわいたらしく、私に抱き付いてきた。どうやら元妹の攻撃でオーバーキルしてしまったようだ。だが考えてほしい、私たちは三つ子。姉との外見上の違いはないに等しい。ましてや今は女の子である。嬉しくもなんともない。それどころか苦しいだけだ。
我が元妹よ。お前の攻撃は我が幼い姉には少しばかり・・・いやすごく効きすぎるようだ。
「ついてきなさい。魔法について教えて、あ・げ・る。」
しっかりと私の手が握られる。そして引っ張られるようにして別の部屋に移動。
すっかり上機嫌な幼き姉。これは下手すると魔法よりも元妹の言葉の魔法の方が強力なのではないかと思い始める私であった。
なぜだろう、眠たいのにキーボードを打つ手が止まらない。
そして午前5時を回り半分徹夜で一日をすごす。これ、よくあることだよね?
修正:「姉の部屋に移動」⇒「別の部屋に移動」8/24




